Books

理系の読み方 ガチガチの理系出身作家が小説のことを考えてみた

大滝瓶太

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784416723685
ISBN 10 : 4416723687
Format
Books
Publisher
Release Date
October/2025
Japan

Content Description

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★ヨビノリたくみ氏(教育系YouTuber)推薦!★
「この熱量で話しかけてくる大学院生時代の友人を思い出しました。
 理系の良いところと悪いところの全てが詰まった一冊です!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

理系のバックグラウンドを持つ作家・大滝瓶太が誘う、理系的な名作の読み方。
小説を「構造体」として読み解こうとする姿勢は、自然科学における物質の構造解析に通じます。

本書の前半は「講義編」と位置づけ、理系的な読書の思索法を提示していきます。
序盤に論じられるのは、フランツ・カフカの『変身』『城』といった作品群。カフカ作品の中には「解ける問題」が仕込まれている。それを読み解くことは、読者が自らの想像力と論理的思考を駆使して「小説を解く」行為に他ならない。これは単なる物語理解ではなく、複雑な構造やテーマを知的にシミュレートする試みなのです。

小説を「解く」から始まり、「発見する」、「近似する」、「使いこなす」、「読む」、「小説する」、そして最終的には「書く」と展開していきます。
登場する本は、ガブリエル・ガルシア?マルケス『百年の孤独』、ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』から円城塔『これはペンです』など幅広く、取り上げるテーマも「ジャンル考」、「メタフィクション」、「人称問題」など多岐にわたります。さらに、本格ミステリに見られる「競技性」にも言及し、小説とは問題を提示し、それを解決へと導く知的ゲームであるという視点を提示します。

後半は「実践編」とし、「特殊設定ミステリ試論」、「幽体離脱する『私』──『拡張された私小説』としての滝口悠生」を収録。
滝口悠生の小説に見られる語りの技巧や、読書中に生じる「ノイズ」の意義にも着目。ノイズがもたらす読解の揺らぎこそが、作品の多層的な意味を引き出す鍵であると捉えます。

小説はなぜ書けてしまうのか??この根源的な問いに挑む著者が、自らの経験と知識をもとに描き出すのは、小説を「読む」ことの再発見であり、「書く」ことの新しい地平。科学と思索、構造と物語が交差する、知的刺激に満ちた読書エッセイの誕生。

【著者紹介】
大滝瓶太 : 作家。1986年生まれ。兵庫県淡路市出身。京都大学大学院工学研究科(博士後期課程)を単位取得満期退学。2018年、第1回阿波しらさぎ文学賞を受賞。2023年、初のミステリー作品にして単著デビュー作『その謎を解いてはいけない』(実業之日本社)を刊行(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

Customer Reviews

Comprehensive Evaluation

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • まこみや

    実践編は読み飛ばしてしまった。何か大事で新しいことを述べているような気がするけど、隔靴掻痒の感あり。わかるようでいて、その実よくわかってはいない。その原因は滝口悠生の作品を一度も読んだことがないことに拠るとわかってはいるのだけど。

  • よっち

    古今東西の名作を題材に、理系のバックグラウンドを持つ作家・大滝瓶太が小説を理系的に読み解く読書エッセイ。ガチガチの理系出身作家がカフカの『変身』や『城』をどう読むか、ミステリはなぜ解けるのか、なぜいい感じの文章が小説っぽく見えるのかなど、小説を物理や数学の視点から読み解く試みを紹介していて、例えばカフカの『変身』を「非平衡状態から平衡状態への緩和過程」と捉えてみたり、ミステリや現代文学を題材に、語りの技術や構造の精密さに注目したり、思考の実験室として理系的な方法で挑んでいく姿勢はなかなか新鮮な試みでした。

  • げんなり

    とにかく「小説」が好きって感じが真っ直ぐに伝わってきて、とにかく楽しく読み終えた。最後の「幽体離脱する『私』」が曲者で、それは多分僕がまだ滝口悠生作品を読んだことがないからかなとも思うのだけど、それでも最後の『目の前にあるテクストのことを、私たちは私たちが思っている以上に何も知らない。』の文に目の前の霧が晴れたような気分になった。 本書で幾度か出てくる『小説はどうして書けてしまうのか』という問題は理系の読み方でもまだはっきりとはしてないみたいだけど、だから著者のもっと突っ込んだ文芸評論を読んでみたい。

  • 学多楽人

    数式や物理現象の喩えをイラストで説明されていますが、難しい内容ではないので、ご安心ください。この本の中で、著者が影響を受けた小説が紹介されています。これらも読んでみたい本です。

  • 茜あゆむ

    理系知識をアナロジーにして、小説を読むというこれまでなかった、新しい小説の読み方を提示してくれる。理系、文学と並ぶと難しそうに感じるが、その二つを比喩的に結びつけ、そのどちらも解きほぐすような感触のエッセイとも読める。けれど、小説って何だ?小説の面白さって?と考えたい創作家にこそ読んでほしい本かもしれない。純文学とエンタメを同時に考えられる小説・文芸技巧にかんしては、私も著者と同じ思いがある。ただ読んでも面白く、より読むことでさらに面白くなる。こう書いたときの『読む』の意味の差を、私は考えたいのだと思った

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

Recommend Items