生命の谺 川端康成と「特攻」

多胡吉郎

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発行年月
2022年02月

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784768459164
ISBN 10 : 4768459161
フォーマット
出版社
発行年月
2022年02月
日本
追加情報
:
342p;20

内容詳細

1945年4月、川端康成は鹿児島県鹿屋の特攻基地に降り立った。没後50年、初めて問われる文豪の「特攻」体験。

目次 : 赤い靴を履いた海軍少佐/ 私信が語る川端の「特攻」体験/ 記録、証言に見る報道班員・川端康成/ 特攻の町、鹿屋/ 『英霊の遺文』/ 川端が出会った特攻隊員たち その一/ 川端が出会った特攻隊員たち その二/ 『生命の樹』/ 「特攻」体験から『生命の樹』へ/ 「特攻」体験の揺曳―『虹いくたび』を中心に/ 再びの鹿屋、忍び寄る「特攻」/ 「特攻」に死す。三島由紀夫との葛藤/ 生と死の坩堝に

【著者紹介】
多胡吉郎 : 作家。1956年生まれ。東京大学文学部国文学科卒。1980年、NHK入局。ディレクター、プロデューサーとして多くの番組を手がける。ロンドン勤務を最後に2002年に独立、英国を拠点に文筆の道に入る。2009年に帰国、活動拠点を日本に移す(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    家族や親戚を十代で失った川端康成にとって、死とは残された者に苦痛と悲哀をもたらすものだった。しかし内心はどうあれ日本のため死ぬ覚悟を固めた特攻隊員と過ごした一カ月は、死について深く考え直す機会になったのではないか。若者たちの命をゴミのように使い捨てる戦争の現場で目撃して「こんなものは書きたくない、日本の美しい山河と伝統だけを書きたい」と心に決めたのだ。しかし文学上の弟子である三島由紀夫が特攻を賛美した果てに自決すると、否応なく鹿屋の時間を思い出したに違いない。見送った若者たちに誘われて川端も旅立ったのか。

  • 橘美花 さん

    川端康成は、重いテーマに接してこれを書くべきだと思いながら書けなかった作家だったと思う。戦争のこと、戦争未亡人のこと、原爆のこと、沖縄のこと。どれも関係者に書くと約束しながらほとんど書かなかった。それはおそらく、嘘を書くわけにはいかないという力み、小説という虚構に誤魔化すことが出来ない不器用な性格ゆえだったのだろう。特攻もその1つ。それは川端の作品からではなく、本人を取り巻くエピソードから窺い知れるのみだ。そういうことを考えながら興味深く読んだ。

  • totapoo さん

    川端の生育史からして、死んでもいいと思いつつも、生きていた様な人生で、文学は生きていてもいいのだという口実のようなものだったのかもしれない。それが鹿屋で特攻隊員どの生活を通して、反省に至り、生きなければならない使命を背負うた。 ただそれは重たいものには変わらず、ノーベル賞でその使命を果たした感になり。うつの波が襲ってきたところに三島の死すら自責的に考え自死に至ったのだろう。 そういう川端の孤独と自死に向かう心の変遷を理解する一助になる本だ。 文章はややくどいが借りて読む価値はある本である。

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多胡吉郎

作家。1956年生まれ。東京大学文学部国文学科卒。NHKでのディレクター、プロデューサー経験を経て、2002年に独立、文筆の道に入る。2023年、『生命の谺 川端康成と「特攻」』(現代書館)により、第35回和辻哲郎文化賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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