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ISBN 10 : 499103485X
Content Description
大量殺戮兵器を生み出した、暗黒の化学史
「核兵器」「生物兵器」と並ぶ、20世紀が生んだ大量殺戮兵器「化学兵器」。その威力は核兵器には劣るものの、作成に大掛かりな設備が必要なく、その種類も致死性から非致死性までと豊富なことから、「手軽な」殺戮兵器として、戦争・テロ・暗殺・暴徒鎮圧など、近現代史のあらゆる場面で使用されてきた。各種化学剤の製造法、性質、作用機序、対処法に始まり、使用法、同定法、開発史、実戦使用例、規制に至る、あらゆる面を網羅した、化学兵器のすべてがわかる本
兵器に盛り込まれた高度な技術を紐解くシリーズ「兵器の科学」第2弾
本書の内容:
第1章 基礎知識
化学兵器の概説と、化学に関する基本的な知識のおさらい。
第2章 窒息剤
もっとも単純な化学剤である塩素に始まり、肺を損傷させ窒息に至らしめる化学剤についての解説。以下、第8章までは、それぞれの化学剤について、化学式、製造法、性質、作用機序、対処法を、系統的に解説する。
第3章 糜爛剤
「化学兵器の王者」と言われるイペリットを中心に、皮膚を爛れさせる化学剤についての解説。
第4章 神経剤
化学剤でもっとも致死性の高い、神経回路を直撃する神経剤についての解説。サリンやVXだけでなく、ノヴィチョクについても採り上げる。
第5章 血液剤
「青酸」として一般人にはもっとも有名な、しかし実際には意外と役に立たない血液剤についての解説。
第6章 嘔吐剤
気道を刺激して嘔吐を促す非致死性の嘔吐剤についての解説。
第7章 催涙剤
現代でも暴動鎮圧に使われる、眼を刺激する催涙剤についての解説。
第8章 無力化剤
一時的な生理学的または精神的効果、あるいはその両方を生み出す無力化剤についての解説。
第9章 特殊な化学兵器
枯葉剤、焼夷剤、発煙剤といった、特殊な化学剤についての解説。
第10章 使用方法
化学剤の投射方法について考える。新宿に化学剤が散布された場合のシミュレイションも掲載。
第11章 同定方法
どのような化学剤が使用されたのかを分析する方法について解説する。
第12章 各国での開発
これまでに化学兵器を開発した13か国について、それぞれの開発史を紐解く。
第13章 実戦使用例
化学兵器が使われた7つの戦争や、各国での化学テロ・暗殺について、実際に効果的であったのかなどを科学的に分析する。
第14章 制限条約と現状‥
【著者紹介】
多田将著 : 京都大学理学研究科博士課程修了、理学博士。高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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