最近は感性が成長すると読めなくなる漫画や小説が多い。 そんな中、「浮世絵調の絵」「時代物の台詞回し」「花魁のリアルな風俗」…。 （厳密には間違っているかも知れないが…抑えた絵と合わさると、十分に江戸っぽい。） この流行と隔絶した個性は、時代も世代も越えることができるものと思う。 漫画的展開やハッピーエンドに安易に流れず、 人のエゴ、おろかさ、やさしさを丁寧に描いている。 宮部みゆきの江戸人情ものと似た読後感がある。 表題作品「ふしあな」は、気風（きっぷ）のいい花魁と、その男の話。 花魁の愛が、自分