王朝百首 講談社文芸文庫

塚本邦雄

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062900553
ISBN 10 : 4062900556
フォーマット
出版社
発行年月
2009年07月
日本
追加情報
:
16cm,362p

商品説明

敢えて言うならば、『王朝百首』は国民必読の書である――橋本治

百人一首に秀歌はない――かるた遊びを通して日本人に最も親しまれる「小倉百人一首」(藤原定家・撰)にあえて挑戦、前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。『定家百首』『百句燦燦』と並び塚本美学の中核であると同時に、日本の言葉の「さはやかさ」「あてやかさ」を現代に蘇らせんとする至情があふれる魂魄の詞華集である。

橋本治
手放しに単純明快な「讃歌」もあれば、屈曲した嘆きの感情もある。「嘆き」というもののありようを考えれば、それは当然「屈曲せざるをえないもの」なのだ。明快と屈曲、その2つを1つにして「美しさ」はある。『王朝百首』はその両方にまたがって、セレクションの見事さで私達を唸らせる――「感情から出たものに結論はない。ただその“美しさ”を実現させる潔さばかりがある」と。つまるところ、その「潔さ」が美しさなのだ。――<「解説」より>

内容詳細

百人一首に秀歌はない―かるた遊びを通して日本人に最も親しまれる「小倉百人一首」(藤原定家・撰)にあえて挑戦、前衛歌人にして“現代の定家”とも称されたアンソロジスト塚本邦雄が選び抜き、自由奔放な散文詞と鋭い評釈を対置した秀歌百。『定家百首』『百句燦燦』と並び塚本美学の中核であると同時に、日本の言葉の「さはやかさ」「あてやかさ」を現代に蘇らせんとする至情があふれる魂魄の詞華集である。

目次 : 月やあらぬ春や昔の春ならぬ(在原業平)/ 盃に春のなみだをそそぎける(式子内親王)/ 春は花散るや千種におもへども(藤原義孝)/ うすく濃き野邊のみどりの若草に(宮内卿)/ 見渡せば山もと霞む水無瀬川(後鳥羽院)/ 淺みどり花もひとつに霞みつつ(菅原孝標女)/ はかなさをほかにもいはじさくらばな(藤原實定)/ 知るらめや霞の空をながめつつ(中務)/ たづねつる花もわが身もおとろへて(良暹法師)/ 春といへばなべてかすみやわたるらむ(小侍從)〔ほか〕

【著者紹介】
塚本邦雄 : 1920・8・7〜2005・6・9。歌人、評論家、小説家。滋賀県生まれ。歌誌「日本歌人」(前川佐美雄主宰)に入会。1951年、『水葬物語』で歌壇に登場。60年、岡井隆、寺山修司等と「極」を創刊。85年、歌誌「玲瓏」主宰。反リアリズムの前衛短歌の雄として精力的に活動。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、『魔王』で現代短歌大賞を各々受賞。97年、勲四等旭日小綬章受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • ヴェネツィア さん

    「百人一首に秀歌はない」という塚本邦雄が王朝期(八代集の時期)の秀歌百首を再編集したもの。業平、貫之、定家、良經、式子内親王、實朝(塚本邦雄のいう王朝六歌仙)は各2首、それ以外の歌人は1首を選歌。塚本は解説などいらぬと言うが、実作者でもあり、碩学でもある塚本の解説も読み応え十分。ただ虚心に歌だけを鑑賞すべきか、あるいは作者を知って歌に心を投入すべきか、時に迷う。例えば鎌倉三代将軍、源實朝のこんな歌「儚くてこよひ明けなば行く年の思ひ出もなき春にや逢はなむ」。28歳で横死する彼の「思ひ出もなき春」にはただ涙。

  • しゅてふぁん さん

    塚本氏の‘和歌’と‘ことば’に対する凄まじい執念を感じた一冊。訳詩が歌の訳としてしっくりくるかどうかは別として…。解説を読んでいても塚本氏の並々ならぬ思いを感じて、肝心の歌に集中できないという(^^;)迸りすぎだよー(笑)定家の百人一首に対して自身の考えをゆるぎなく言い切っているのが読んでいて気持ちがいい。解説文の言葉が美しく、まるで詩を読んでいるようだったな。著作を読むのは初めてで、他の本もとても気になる。一冊読み切るのには体力が必要だけど、また読んでみたい。

  • syota さん

    「百人一首に秀歌はない」と言い切る著者が、平安から鎌倉初期の傑作百首を選び、解説を付している。「現代人の目で選び、鑑賞した」とあるとおり、小倉百人一首よりはるかに納得のいく名歌が並んでいる。例えば、巻頭を飾る在原業平の「月やあらぬ春や昔の春ならぬわが身一つはもとの身にして」にしても、百人一首に採られた「千早ぶる神代も聞かず龍田川…」の大げさな描写とは比較にならないほど心に沁みる。旧字旧仮名で書かれた解説も端正かつ流麗な名文で、美しい日本語を存分に味わうことができた。

  • LUNE MER さん

    一言で言うならば「塚本版百人一首」。マイベスト100を選べるほど知っている歌のストックがないので、和歌についての造詣が深い人って、素人玄人関係なく、それだけで尊敬に値する。

  • おおた さん

    はてなBlogに書きました。帯の「国民必読の書」は伊達ではありません。 http://uporeke.hatenablog.com/entry/2017/01/03/161636

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人物・団体紹介

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塚本邦雄

1920年、滋賀県生まれ。歌人、評論家、小説家。歌誌「玲瓏」主宰。51年第1歌集『水葬物語』でデビュー。三島由紀夫の支持を受ける。以後、岡井隆、寺山修司らと前衛短歌運動を展開し、成功させた。『日本人靈歌』で現代歌人協会賞、『詩歌變』で詩歌文学館賞、『不變律』で迢空賞、『黄金律』で斎藤茂吉短歌文学賞、

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