方丈記私記 ちくま文庫

堀田善衛

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480022639
ISBN 10 : 4480022635
フォーマット
出版社
発行年月
1988年09月
日本
追加情報
:
15cm,265p

ユーザーレビュー

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読書メーターレビュー

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  • こーた さん

    東京大空襲の焼け跡で、方丈記を読む。なぜこの国は、こんなことになってしまったのか。いっけん政治とは無縁におもえるこの書物を、強引に政治へひきよせてみたら、見えてきたのは、本歌取りの精神。現実を見ようとせず、フィクションのことばでフィクションを語り、それをひたすら純化していく。文化も政治も本歌取りの日本人の業は深い。そのサイクルを脱け出して、圧倒的な現実のもとに生きた鴨長明こそは、個人主義の究極の体現者なのかもしれない。平安の末法から昭和の戦争をくぐって、平成のいま、日本人とはなにかを考えるための一冊。

  • やいっち さん

    座右の書の一冊。先の15年戦争の悲惨な結末。東京にしろ富山などの地方にしろ焼夷弾などで焼き尽くされた。あるいは沖縄は地上戦が戦わされたたけにもっと悲惨だったろう。なのに、終戦直後の日本人は負けてすみませんと天皇に詫びる。天皇はというと、終戦直後には、天皇制の維持に汲々としている。国民の困窮、まして中国や朝鮮への懺悔の気持ちの欠片も示さなかった。

  • keroppi さん

    「堀田善衛を読む」を読んだら、書棚に置いていたこの本に目が止まった。いつ読んだ本だったのだろう。今、このコロナ禍の渦中で、しかも、定年退職し外出自粛という状況で読んでいると、新たに感じるものがある。古典である「方丈記」を解釈でなく、自分の経験として語る。そんな古典への接し方にまず驚く。様々な災厄や、芸術論や、天皇制まで、自分の事として論じた鴨長明をさらに自分の事として論じる堀田善衛。今、世を見渡すと、あまりに人事として語る人が多いことか。私自身、この本に刺激を受けながら、人を社会を見つめていきたい。

  • 燃えつきた棒 さん

    極めて面白い本であると同時に怖しい本だ。 面白いのは、堀田善衞が方丈記にかこつけて自らの文学論や世界観を語っているからであり、怖しいのは、僕に、嘘をつくか地雷を踏むかという究極の選択を迫ってくる本だからだ。 今までたくさんの拙い感想を書き連ねてきて、読んでもいない本を人に薦めてしまうなどの数々の愚行を犯してきたが、そんな僕にも感想を書くときの原則がある。 それは、出来るだけ嘘をつかないということだ。

  • みねたか@ さん

    3月10日空襲で焦土と化した東京。著者は,地上戦の恐怖とともに、秩序の崩壊と新たな時代を予感し方丈記を繰り返し読んだという。40年の時を経て鮮やかに対比される敗戦前夜と長明の時代。ともに都は一面の焦土と化し死臭にみちた中,一方は和歌詩歌が高度な美的世界を築き,他方は神州不滅,皇国・・と現実から遊離したスローガンが喧伝されたという不気味な符合。そして,明かされる長明の姿。齢50にして世を捨て移動式住居で暮らす奇人。あの高名な「行く川のながれは絶えずして」の一節に改めて生臭い人間の息吹を感じた。

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人物・団体紹介

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堀田善衛

1918年、富山県高岡市に生まれる。慶応大学文学部フランス文学科を卒業。1952年、「広場の孤独」その他の作品により芥川賞を受賞。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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