ゴヤ 2 マドリード・砂漠と緑 集英社文庫

堀田善衛

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087466485
ISBN 10 : 4087466485
フォーマット
出版社
発行年月
2010年12月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
528p;16

内容詳細

王侯貴族から肖像画の注文が次から次へと舞い込み、画家として最盛期を迎えたゴヤ。人物の両手の指を全部描く場合は、全身像よりも値段を高くするなど、したたかに上流社会へと駆け上がっていく。そんな彼を、瀕死の大病が襲う。18世紀末、祖国スペイン王政に危機が迫り、隣国フランスからは近代の足音が―。ゴヤが遺した数々の絵画・版画作品と共に、波乱の人生を追う傑作評伝、第2巻。

目次 : “私は幸福だ”(Soy feliz)/ 友人マルティン・サパテール/ 砂漠と緑/ もう一人の公爵夫人/ スペイン・光と影/ 宮廷画家・ゴヤ/ 一七九二〜九三年・悪夢/ マヌエル・ゴドイ―青年宰相/ アルバ公爵夫人登場/ マドリード画帳―一つの裂け目/ 『パンと闘牛士』知識人たち/ パドゥアのアントニオ聖人/ 首席宮廷画家、そして近代の誕生/ チンチョン伯爵夫人像/ 自画像

【著者紹介】
堀田善衞 : 1918〜98年。富山県生まれ。慶應義塾大学仏文科卒業。広い視野と独自の文明批評に貫かれた多くの作品を発表。その作家活動は世界的に高く評価された。『広場の孤独漢奸』で芥川賞、『ゴヤ』で大佛次郎賞・ロータス賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • A.T さん

    イタリアを訪れたのち一時行方知れずとなっていたゴヤの快進撃が始まる。1775年 妻の兄で宮廷画家のバイユーの手引きでマドリードへ戻り、王立タピストリの下絵描きの定職を得る。1786年王のカルロス3世のお付き絵師、1789年についに念願の宮廷画家になる…という一方でスペイン王室の凋落が始まる。なぜか。まさにその1789年は隣国フランスでヨーロッパ貴族社会の頂点にあったブルボン王室が革命により追放されたからである。スペイン王室はその頃ブルボン家筋であったから、影響必至。歴史小説を読む興奮で2巻目が終了。

  • かふ さん

    スペインの主席宮廷画家として頂点を極めたゴヤだが王侯貴族の闇の部分も知ることになる。フーコのベラスケスの絵で有名な幼女マルガリータ的な家族絵をゴヤも描いている。しかし『カルロス4世の家族』は、ベラスケスと同じ構図ながら幼女マルガリータの可愛らしさは王妃マリア・ルイサの中年の苦味きった顔になる。さらにマリアの愛人ゴドイのイジメを受けていた息子王子フェルナンドの手を繋いでいるのだが、その嫌々そうな顔。13人という不吉な数の家族にゴヤはベラスケスと同じ位置で筆を取る(14番目の人として)

  • まると さん

    いかに巨匠とはいえ、堀田さんがなぜゴヤに着目したのか、疑問が解けてきた。宮廷画家に登りつめたゴヤを病魔が襲い、聴覚を奪う。同じ頃、フランス革命の余波がスペインに動乱をもたらす。腐臭を放つカルロス四世家族図の背後に、不吉な13人を忌避する口実でうっすらと描かれた自画像。この頃から、画中を統べるのはゴヤ自身となる。著者は時の権力に迎合せず、世の現実を捉え出した絵に近代を読み取る。そして、絵を細部まで凝視し、ゴヤの胸中や隠された意図を読み解いていく。ミステリーを読まされているようで、ページを繰る手が止まらない。

  • 風に吹かれて さん

    音を聴くことができないということは、どういうことなのだろう。経験のない私には想像もできないことだけど、人生の途中から聴くことができない=人生の途中までは聴くことができた、ということは、ベートーベンの場合は、より深く音を聴くことができた、ということだったが、ゴヤの場合は、より深く、多くの人には見えないものまで見ることができた、ということだったようだ。自分に見えたように描き綺麗ごとの肖像画を描くことがなかったゴヤ。音がない分、物事の真相まで見えたゴヤ。絵師を脱し、芸術家が誕生した。

  • ヴェネツィア さん

    作家は、ここでもけっしてゴヤに共感を寄せた筆法では書かない。 「見る人」ゴヤを突き放して、透徹した作家の眼で見るのである。 革命と服飾の18世紀が終わり、いよいよ近代も間近に迫る。

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人物・団体紹介

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堀田善衛

1918年、富山県高岡市に生まれる。慶応大学文学部フランス文学科を卒業。1952年、「広場の孤独」その他の作品により芥川賞を受賞。1998年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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