父の詫び状 文春文庫

向田邦子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167277215
ISBN 10 : 4167277212
フォーマット
出版社
発行年月
2006年02月
日本
追加情報
:
16cm,300p

内容詳細

宴会帰りの父の赤い顔、母に威張り散らす父の高声、朝の食卓で父が広げた新聞…だれの胸の中にもある父のいる懐かしい家庭の息遣いをユーモアを交じえて見事に描き出し、“真打ち”と絶賛されたエッセイの最高傑作。また、生活人の昭和史としても評価が高い。航空機事故で急逝した著者の第一エッセイ集。

目次 : 父の詫び状/ 身体髪膚/ 隣りの神様/ 記念写真/ お辞儀/ 子供たちの夜/ 細長い海/ ごはん/ お軽勘平/ あだ桜/ 車中の皆様/ ねずみ花火/ チーコとグランデ/ 海苔巻きの端っこ/ 学生アイス/ 魚の目は泪/ 隣リの匂い/ 兎と亀/ お八つの時間/ 昔カレー/ 鼻筋紳士録/ 薩摩揚/ 卵とわたし

【著者紹介】
向田邦子 : 昭和4(1929)年東京生れ。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集記者を経て放送作家となりラジオ・テレビで活躍。代表作に「だいこんの花」「七人の孫」「寺内貫太郎一家」「阿修羅のごとく」「隣りの女」等がある。55年には初めての短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞し作家活動に入ったが、56年8月航空機事故で急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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向田邦子の父親との思い出を描いたエッセイ...

投稿日:2012/02/08 (水)

向田邦子の父親との思い出を描いたエッセイ集。何気ない日々の記憶を描いているのですが、向田さんの文章の巧さも充分に光り、古さを感じさせません。若い人でも懐かしい気分に浸れ、ふっと微笑みたくなるそんな一冊です。中学校の国語教科書にも一部採用されていますが、思春期の子どもにもたまにこんな本を読んでほしいなぁと思います。

peko-rock さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • yoshida さん

    戦前からの昭和の家族を描いたエッセイ集。滋味深い文章。綺麗で趣のある日本語に、過ぎ去った昭和の懐かしい匂いがする。作者が戦前に子供時代を過ごし、当時の昭和の生活が分かり実に新鮮な読書体験となった。頑固な父と、咄嗟の時に動く母の姿も読んでいて好ましい。思うのは人生の不思議な巡り合わせ。作者一家は東京大空襲の被害に遭うが、奇跡的に自宅は焼け残り家族も無事であった。この結果が変われば、例えば両親の庇護が無くなれば困難な戦後を迎えただろう。まさかの日航機事故での急逝も人生の綾かも知れない。素敵なエッセイ集です。

  • zero1 さん

    私にとって向田の文章は手本。簡素で無駄がない。直木賞作家というより、「ドラマの人」だった彼女のエッセイは情景が目に浮かぶ。頑固な父親の拳骨で育った長女。高松や鹿児島の景色。空襲の後、芋の天ぷらと白飯がごちそう。そして鰻を鮮烈に記憶している。カレーの郷愁と海苔巻の端が好き。黒柳徹子の9分にわたる長編留守電。すべてがドラマ的。不吉なのが澤地久枝とアマゾン旅行。飛行機が墜落したらダイヤの指輪を物々交換して生き延びるという話。後に向田は台湾での航空機事故で亡くなっている。失って初めて文化的損失が分かる。

  • ALATA さん

    古書店で見つけた掘り出し物。読みたくて探していて、期待たがわずにんまりと読み終えました。家族のこと考え愛おしく思うのに言葉に出ない頑固一徹の父親のエピソードがいい。寺内貫太郎一家のベースがここにあるといった感じでしょうか。子供のために庭に穴を掘って池をつくったに、ケガをしたせいで一日で埋めてしまう。このちぐはぐが昭和ですねぇ。近所の人、親戚に囲まれのびやかに育った向田さんの瑞々しい感性が読んでいて心が穏やかになりました★5※30年前の文庫本はセピア色になっていていい感じでした。

  • あんこ さん

    飾らない文章で綴られる向田邦子さんのエッセイ。読んでいると、何故だか思いも寄らぬところからわたし自身の思い出も呼び起こされて、共感とは別の感覚がはたらき少し涙ぐんでしまう場面がいくつかあった。向田さんの過ごした幼少期の時代のことをわたしは知らないけど、鮮明な視覚的表現によって、想像できてしまう。その人の表情までも見せられました。魅力的な人間くささに満ちたエッセイです。

  • rico さん

    戦前の中流家庭のくらし。家族。仕事。都会の風景。病を得て死を意識し遺言状のつもりで書いたというこのエッセイは、向田さんの人生が詰まってる。脚本家として具体的な言葉と動きと物で世界を構築してきたからか、多分向田さんのお人柄か、無駄がなくすっきりしてて、かつその情景が見え、空気を感じ、音が聞こえるような文章。読みやすいのになかなか読み進められなかったのは、多分1つ1つの章がとても密度が濃くて、それがそのままドラマになりそうな完成度だから。大切に、大切に、繰り返し読みたい。飛行機の話は何かもう・・・。

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人物・団体紹介

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向田邦子

1929(昭和4)年、東京生まれ。実践女子専門学校国語科卒業。映画雑誌編集記者を経て放送作家になりラジオ・テレビで活躍。80年に初めての短篇小説「花の名前」「かわうそ」「犬小屋」で第83回直木賞を受賞し作家活動に入ったが、81年8月航空機事故で急逝

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