春、バーニーズで 文春文庫

吉田修一

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167665043
ISBN 10 : 4167665042
フォーマット
出版社
発行年月
2007年12月
日本
追加情報
:
16cm,180p

内容詳細

妻と幼い息子を連れた筒井は、むかし一緒に暮らしていたその人と、偶然バーニーズで再会する。懐かしいその人は、まだ学生らしき若い男の服を選んでいた。日常のふとしたときに流れ出す、選ばなかったもうひとつの時間。デビュー作「最後の息子」の主人公のその後が、精緻な文章で綴られる連作短篇集。

【著者紹介】
吉田修一 : 1968年生まれ。高校まで長崎で過ごし上京。法政大学経営学部卒業。97年、「最後の息子」で第84回文學界新人賞を受賞。同作が芥川賞候補作となる。その後も「破片」「グリンピース」「Water」「突風」等の作品を次々と発表。2002年、『パレード』で第15回山本周五郎賞、「パーク・ライフ」で第127回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    5篇からなる連作短篇集。妻と4歳になる息子(妻の連れ子)と暮らす30代のサラリーマン筒井(語り手)の日常を描くのだが、そこにほんの微かな逸脱があるところが特質か。それは巻頭の「春、バーニーズで」に始まり、僅かな軋みを見せながら、「パーキングエリア」では物語の結末にまで混迷を見せる。そして巻末の「楽園」では、様々な解釈の余地を残して、物語は唐突な終幕を迎える。それまでの日常は、あるいは夢の中の出来事であったかのような気もする。あるいは「あの日」の非日常が、それまでの平穏な日常を崩壊させたのであったか。

  • おしゃべりメガネ さん

    『最後の息子』の続編とはありますが、あまり関連は気にしなくても読めます。タイトル作だけは前作を読んでるほうがグッときますが、他は別物と思って読んでいても、問題なさそうです。連作集でどの話もあまり大きな起伏はありませんが、個人的には『夫婦の悪戯』が好きです。ホテルの一室にて、結婚式に出席したあとの夫婦がやりとりする雰囲気がなんか好きですね〜。あとは主人公が失踪未遂して奥さんに連絡したあとの奥さんの行動に胸がグッとアツくなります。吉田さんの作品を読むとなんだかちょっとおしゃれになれた気にさせてくれますよね。

  • ミカママ さん

    【再読】ふつうの人たちのふつうの日常を切り取って、そこに胸が震えるような意味を持たせてしまう吉田修一さん、にまたしてもやられた。登場人物たちすべてが愛おしい。中でも秀逸なのは「パーキングエリア」。ラスト不意打ちでブワッと涙出た。私自身ちょっと弱ってたのもあるんだけど、瞳ちゃんの気持ちがものすごく、痛いほどわかっちゃうんで。「…大丈夫よね?」この一言にオンナはすべての想いを込めるのです。言い忘れた、タイトルも、そして表紙すらカッコいいぜ、吉田修一さんは。

  • かみぶくろ さん

    なにげない日常を切り取った連作短編。言葉だけでなく随所にモノクロ写真も散りばめられたオシャレな仕上がり。写真って不思議だ。見ているときは無心だし何かを見いだそうとするわけでもないけど何かをどこかが感じるというか。そんな抽象極まる印象をこの作品全体からも受けた。理由もなく会社を無断欠勤して逃避行。誰もが一度は考え、実行に移すことのない妄想。ハンドルを四十五度傾けるだけで現れる「別の人生」。でもそんなもの本当はないよね。その常に感性全開の姿勢には敬服するけれど。

  • 優希 さん

    『最後の息子』のその後の物語。閻魔ちゃんとモラトリアムな日々を送っていた「ぼく」は閻魔ちゃんとは別れたんですね。妻と幼い子どもを連れる「筒井」として人生を歩むささやかな日常。そんな日々の中で昔一緒に暮らしていた人と再会することは、日常から足を踏み外した瞬間なのかもしれません。繰り返されるありがちな時間は、普段の生活のようで、何処か不思議な空気を運んでくるのが心地よい時間です。何気ない行動をするちょっとした逃避の時間が愛おしくて切ない。そういう空気が好きだと感じました。

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吉田修一

1968年長崎県生まれ。’97年に『最後の息子』で第84回文學界新人賞を受賞し、デビュー。2002年には『パレード』で第15回山本周五郎賞、『パーク・ライフ』で第127回芥川賞を受賞。純文学と大衆小説の文学賞をあわせて受賞し話題となる。’07年『悪人』で第61回毎日出版文化賞、第34回大佛次郎賞を受

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