見えない橋 文春文庫

吉村昭

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167169435
ISBN 10 : 4167169436
フォーマット
出版社
発行年月
2005年07月
日本
追加情報
:
16cm,217p

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読書メーターレビュー

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  • yoshida さん

    市井の人々を描く短編集。「時間」は「大本営が震えた日」のサイドストーリーと言おうか。戦争で未亡人となった二人の女性が描かれる。中国戦線で夫が戦死扱いとなった女性は、夫の生存に希望を持っていた。吉村昭さんの作品で改めて死を確信し、懊悩しつつも気持ちを落ち着かせる。吉村昭さんも苦悩し手紙のやり取りが始まる。「夜の道」は珍しく私小説。吉村昭さんが母の死を描く。母が死ぬ事は無いと漠然と思う若い日の吉村氏。母は癌に倒れ衰弱する。弱りモルヒネを求める様子が痛々しい。最後の吉村氏の喀血の様子が死を感じさせる。壮絶。

  • mike さん

    死を題材とした短編集。この世界の何処かで過去を背負いながらひっそりと生きる者と、ふとしたきっかけで繋がりをもち見守る者。それは、元受刑者と保護会主幹であったり、ホームレスと町会長であったり、戦争未亡人と作家であったり。どの話も大きなドラマは無く余韻を残して終わるが、吉村氏独特の淡々とした文体が心地良く感じられた。

  • アッシュ姉 さん

    『北の町で、都会の片隅で、過去を背負いながら静かに暮らす者と、穏やかに見守る者。人びとの情景を静謐な筆致で描く珠玉の七篇』感想を一言でいうならば、まさに「静謐」。どの短編にも人の死が出てくるが、嘆き悲しむのではなく、静かに受け入れている様子が印象的。久しぶりの吉村昭さんを堪能した。

  • タツ フカガワ さん

    全7話の短編集。いずれも吉村さんらしい濃密な作品ばかり。なかでも印象的だったのは次の2編。過去36回も服役しながら出所しても長くて2か月、早いときには即日入所する69歳の男が、今度こそ落ち着きたいと出所するが……という表題作。もうひとつは吉村さん大学生のときの作品で、病気療養中の山中に子宮癌を患っていた母の死を知らせる電報が届く。そのときの息子の複雑な思いと壮絶な母の闘病を描く「夜の道」。これは強烈な一編でした。

  • キムチ さん

    7つの短編は殆ど結末に「死」がある。そして出所という事実も。なぜか氏の作品を読むとあの眼鏡の奥で笑みを浮かべた表情が浮かぶ。いずれも絶品としか言いようもない味わい。静謐、それでいて微かな温もりと厳然たる宿命と。社会の大きなうねりからすると泡沫としか言えない1画面。しかし、淡々と生を食み、時間は薙がれていく。そこに関わる専門職はどこまでやれるか、大きな想いを抱いて望む人はあるまい。だが支援を受けた側はそれなりにこの世の終わりのひと時をわずかでも満足を得てあちらの岸へ渡っていったか。。再読だが、得難い感銘、

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人物・団体紹介

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吉村昭

1927(昭和2)年、東京・日暮里生まれ。学習院大学中退。58年、短篇集『青い骨』を自費出版。66年、『星への旅』で太宰治賞を受賞、本格的な作家活動に入る。73年『戦艦武蔵』『関東大震災』で菊池寛賞、79年『ふぉん・しいほるとの娘』で吉川英治文学賞、84年『破獄』で読売文学賞を受賞。2006年(平成

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