鬼火・底のぬけた柄杓 吉屋信子作品集 講談社文芸文庫

吉屋信子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061983267
ISBN 10 : 4061983261
フォーマット
出版社
発行年月
2003年03月
日本
追加情報
:
16cm,261p

内容詳細

焼跡の一軒家で起きた貧しい女の悲惨な自殺を凄艶な美へと昇華させた女流文学者賞受賞作「鬼火」、隠れ切支丹の遺児であった修道女の謎めく焼死を追った「童貞女昇天」等、幻想的短篇七作に、薄幸な俳人の生涯を意欲的に掘り起こし、温かい筆致で描く「底のぬけた柄杓」等、俳人論三篇を併録。少女小説、新聞小説の世界で一時代を劃した吉屋信子のもうひとつの魅力をあますところなく示す精選作品集。

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • YO))) さん

    ガス火が正に鬼火に変わる「鬼火」も凄みがあるが、女マッサージ師が、「自分を鶴の生まれ代わりだと思ってくれ」と言った男とのいきさつを客に語る「鶴」が良い。本当のところの世知辛い事実は了解されてあるのだろうが、何というか"物語"になるまで繰り返し話されてきたのだろうなと思わせる厚みを感じる。

  • いの さん

    私は「花物語」が好きです。今回は趣向を変えてこの本を選びました。孤独のなかに天使をみた「童貞女昇天」は純粋に信じるものがひとつしかないだけに妙に恐い物語でした。若い女の肉体にマリア様を重ねてみる尼僧に邪念というものが本当になかったのか、寂しいお話でしたけれど美しい形で終わっています。拒絶すらしようのない「鬼火」もすごい。よく考えたらゾクッとする「宴会」はなかなか小粋な作品です。後半は俳人伝となっています。

  • zumi さん

    全体の雰囲気が本当に気に入った。幻想的で蠱惑的、こういうの結構好きです。初めて吉屋信子の作品を読んだが、こんなに面白いものだったのですね。特に女性の描き方がいい、美と狂気と孤独と寂しさの全てが、こう絶妙なバランスで溶け合ってますね。「童貞女昇天」で火の中に、「もう一人の私」で海の中に、それぞれ入っていく場面に惹きつけられた。吉屋信子の少女小説(という括りでいいのか不安だが)、他にも読んでみたくなった。

  • ちゃっぴー さん

    短編7編と俳人伝。ゾゾッとする狂気に美しさがありどれも面白かった。「童貞女(びるぜん)昇天」や僅か10ページくらいの「鬼火」が印象に残る。「墨堤に消ゆ」では火焔のなかでの木歩と声風の別れに鼻の奥がツンとした。

  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    瓦斯の集金係の言動に腹を立てつつも女性の最期が凄まじい「鬼火」は物悲しいです。ちくま文庫の文豪怪談シリーズで読んだ作品も多かったのですがやはり、物悲しくも純粋な印象です。「童女昇天」は神父の勝手な支配意識によって一人でシスターになってしまった少女が逃げてきた遊女の裸体の美しさに聖マリアからの導きを待っていたという場面が真摯で痛々しいです。尾崎放哉などの歌人の人生と歌に焦点を当てた作品も作者の歌への優しさが満ちていました。

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人物・団体紹介

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吉屋信子

1896年新潟市生まれ。10代から20代にかけて発表した『花物語』が「女学生のバイブル」と呼ばれるほどの大ベストセラーとなる。流行作家として人気を博した。1952年「鬼火」で女流文学者賞、67年菊池寛賞受賞。73年逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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