ラッコの家

古川真人

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163910864
ISBN 10 : 4163910867
フォーマット
出版社
発行年月
2019年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
217p;19

内容詳細

見えないからこそ見えてくるものがある。夢とリアルが絶え間なく交錯する老女は、自らの空想に怯えていたことを笑い飛ばして生きる。

老女の意識の流れ≠描く、実力派新人の芥川賞候補作。

【著者紹介】
古川真人 : 1988年7月、福岡県福岡市生まれ。國學院大学文学部中退。2016年に「縫わんばならん」が第四十八回新潮新人賞を受賞、同作は芥川賞候補となる。2017年に「四時過ぎの船」が芥川賞候補となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • starbro さん

    第161回芥川賞受賞作・候補作シリーズ、5作目(5/5)コンプリートです。古川 真人、初読です。本作は、今回の候補作の中では、ワーストでした。まだカップリングの『窓』の方が良いと思いますが、作中作の『ユージェノミクス』で勝負していたら、受賞もあったかも知れません。

  • なゆ さん

    読めば亡きばあちゃんに会える、古川さん4冊目。ラッコと誤変換されてしまったタッコ婆の一日。目も足も悪いながら一人暮らしの叔母タッコ婆の家に姪のミホとカヨコとその娘たちもやって来て賑やかな晩餐。「」も改行もなく畳み掛けるように飛び交う平戸弁?のどうでもいい会話が心地よく、わが家の伯母たちの姦しさを思い出させる。表題作読むだけで、私は満足。『窓』は、『四時過ぎの船』から繋がるような、東京での稔と浩の暮らし。目の不自由な浩をサポートしながら暮らす、稔の葛藤。実際に起きた事件と優生思想も絡まり、サーガ成分少なめ。

  • buchipanda3 さん

    タッコ婆ちゃんの話。方言まる出しで長めの文章に最初は戸惑ったが、婆ちゃんの現実と想念を行ったり来たりの物語にいつの間にかハマっていた。姪たちとの夕食時に彼女が思い浮かべた幼い頃の姿、何も出来ない自分。祖父に人生を踏み外すなと常に諭され不自由さを抱えていた気持ちを思い出したのか。だんだん想念も怖いものへ。老いによる不自由さが生きる気持ちに翳りを落とす。でもふと気付く、追い詰めているのは自分だと。人生では転びも間違いもする。誤変換でラッコになった婆ちゃんが解き放たれたかのように泳ぎ続ける姿が気持ちいい。

  • ミライ さん

    第161回芥川賞候補になった「ラッコの家」と「窓」を収録した古川真人さんの作品。「ラッコの家」の方は、前半は主人公の老女タツコとふたりの姪(とその子供達)との日常が描かれ、後半はタツコによる過去の回想となっており、現実の世界と過去の世界がパラレルで展開していく、なんとも不思議な読後感の作品だった。「窓」の方は、目の不自由な兄と同居しサポートする弟が障碍と向き合っていくテーマの作品で、作中「死」についてかなり踏み込んでおり、こちらも面白かった。

  • いっち さん

    『窓』について。主人公は、視覚障害者の兄と二人暮らし。兄は会社で働き、主人公は家事を行う。出勤前の兄は、窓を開け、前に立つ習慣がある。目の見えない兄は、顔に当たる熱や光で、天気を確認している。タイトルが「窓」なので、窓がキーワードだろう。窓を開けると外の世界が入ってくる。窓を閉じると外の世界を遮断できるのかもしれない。主人公は窓の外の世界を、兄に見せたくないようだ。近くの死臭も、優性思想も、障害者殺傷事件も。しかし兄はわかっているだろう。主人公の目には一面曇りに見える空が、光や熱で晴れだと感じ取る兄には。

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人物・団体紹介

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古川真人

1988年福岡県生まれ。國學院大學文学部中退。2016年「縫わんばならん」で第48回新潮新人賞を受賞し、デビュー。同作で第156回芥川龍之介賞候補に。17年、『四時過ぎの船』で第157回芥川龍之介賞候補、第31回三島由紀夫賞候補、19年、『ラッコの家』で第161回芥川龍之介賞候補。20年、『背高泡立

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