新編 春の海 宮城道雄随筆集 岩波文庫

千葉潤之介編

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784003116814
ISBN 10 : 400311681X
フォーマット
出版社
発行年月
1970年01月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
15cm,336p

内容詳細

箏曲「春の海」「水の変態」をはじめ数々の美しい作品をのこした宮城道雄。その鋭い感覚に支えられた豊かな才能は、随筆にもあらわされた。作家らとの多彩な交流をはじめ、四季の情景、芸の話、失敗談、紀行、家族のことなどをやさしく語った43篇に、林芙美子との対談を加える。

目次 : 物売の声/ 箏三味線芸談/ 音に生きる/ 音楽の世界的大勢と日本音楽の将来/ 玉川の音/ 「春の海」のことなど/ 箏と私/ 芸談/ 耳の生活/ 舞台裏〔ほか〕

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 新地学@児童書病発動中 さん

    作曲家・箏曲家宮城道雄の随筆集。端正で、美しい文章に圧倒された。全盲というハンディキャップを感じさせない文章力。朝の小鳥の鳴き声、風の音、海鳴り、子供の手触り、といった何気ないことを鋭い感性で受け止めて、随筆として表現している。目が見えないことで、聴覚や触覚という他の感覚が鋭くなることがよく分かった。リズミカルで、心の中にすうっと入ってくる優しい文章が印象的だった。普通の人のように言葉を書かないで、言葉を話してそれを聞き取ってもらったそうだ。宮城さんのような文章こそ血の通った温かな人間の文章だと思う。

  • syaori さん

    『春の海』の作曲者として有名な盲目の箏曲家・宮城道雄の随筆集。日々の出来事や旅行、季節の移ろいや芸道について、内田百閧はじめとする友人たちとの交流などが語られます。その語り口から素直で洒脱で悠揚とした人柄がうかがわれ、作者はもちろん邦楽への親しみも増してしまいます。また日常や旅先の出来事などを描いたものには、見る夢も「全く声ばかり」という、音と触覚だけの作者の世界を垣間見せてもらっているような不思議な感覚がありました。ヴァイオリンの演奏会に赴いた幸福な一夜を辿る「メニューヒンに魅せられて」がとても好き。

  • HANA さん

    随筆集。随筆は小説と違い、書いた人の感性が直接出る様な部分があると思う。この本はそういう意味では著者の暖かな人柄が伝わって来そうな文章が揃っていて、読みながら「春の海」を聞いている様な駘蕩とした気分になってくる。口述のためもあるのか、言葉が胸にすっと落ちるよう。世界は様々な音に満ち溢れており、四季折々の音が奏でるという事を思い出させてくれる。また個人的には百鬼園先生が出てくる部分が気になったり。「柳検校の小閑」や「東海道刈谷駅」を読み返したくなった。随筆の面白さを改めて教えてくれるような一冊であった。

  • Mijas さん

    「まだ目が少し見えていた少年の頃…」と宮城道雄が回想する文章は、春の桜、夕焼け色の空、きらきら輝く水面など、読む者の想像力を掻き立て、心に潤いを与えてくれる。小さい時からの苦難を一つずつ乗り越え、如何なる時も希望を捨てなかった。だからこそ彼の言葉は力強い。「ただこの道を往くよりほかはない。迷ったりする余地はない。ただ驀然にこの道を進んで往こう。」「高慢な気持ちが出たら、その人の芸はそこで止まる。」芸道の修業に大切なのは謙遜の自信。行き詰まってしまった時に何度も読みたいと思う。そんな名言に出会えた。

  • 彩菜 さん

    盲目の箏曲家、宮城道雄の随筆集。口述筆記という文章は読むというより語りかけられているようで素敵。毎年春を告げに来る小鳥の事、演奏会や旅行の事…耳と気配で感じた日々の描写からは豊かで明るい心が零れるよう。「一つの事に秀でるという事は大変愉快な事」、この明るさはそんな境地なんだろうか。ある講演を聴きながら、美しい心持ちを受け入れる事が出来るには、受けるこちら側にも美しい心の波長がなくては…と言う彼。この明るさは何か美しいもの、素晴らしいもの、そうしたものに彼が何時も心の波長を合わせているからかもしれないな

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