愛が挟み撃ち

前田司郎

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163908045
ISBN 10 : 4163908048
フォーマット
出版社
発行年月
2018年01月
日本
追加情報
:
192p;19

内容詳細

愛とは何か? 愛は存在するのだろうか。
愛が信じられない男をめぐる三角関係

36歳の京子と、もうすぐ40歳の俊介。
結婚して6年目の夫婦の悩みは、子どもができないことだ。
愛なんてこの世にないかもしれない。
でも、京子に子どもが生まれたならば。

諦めきれない俊介が提案したのは、
驚くべき解決策だった。
男二人と女一人。
過去が思いがけない形で未来へと接続される、危うい心理劇。

第158回芥川賞候補作。

【著者紹介】
前田司郎 : 1977年東京都品川区生まれ。97年劇団「五反田団」を旗揚げ。以後全ての作品の劇作・演出を担当。2005年「愛でも青春でも旅立たない」で小説家デビュー。08年「生きているものはいないのか」で第五二回岸田國士戯曲賞受賞。15年「徒歩7分」で第三十三回向田邦子賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • starbro さん

    第158回芥川賞受賞作・候補作、5作目(5/5)、コンプリート!前田司郎、初読です。変則三角関係不妊恋愛小説、5作品の中で一番面白く読みました。純文学色が薄く、作家が中年男性の劇作家だったから、受賞を逃したのでしょうか?今後の作品も期待しています。

  • 散文の詞 さん

    前半の爽やかな青春ストーリーからの後半の展開は、ちょっとびっくりでした。 多少、人間関係のわかりにくいところも有りますが、登場人物のコントラストも際立ってて、面白いです。 ただ、やっぱり最後の展開には、びっくりというか、なんか納得できない感じです。 タイトルも、なんかピンとこないと言うか、まあこんな人生観も有りかな。

  • ケンイチミズバ さん

    もう、なんなんだこの物語は、もう。最初のもうは笑い、後のもうは呆れ。そんな考え方があるのですか?他人から精〇の提供を受けるにしても全く知らない人は嫌だ。だから、かつての〇友、妻を取り合った〇敵からって。夫の提案をまんざらでもなく考えてる奥さん、あんたはそれでいいのか?と心の叫びを上げた。スタバで。が、真の愛の告白はこの先にあった。えええーっ!そんな、なんて物語だ。後半からさかのぼって前のページを二度読みし納得する作品です。いや納得はしない。愛ちゃんを主人公に著者は絶対に次回作を書くべきだと思う。是非。

  • あも さん

    下世話だけども純粋で、滑稽なのに心を打たれる。結婚6年目。そろそろ子供を作ろうか、と思った夫・俊介は無精子症。悩んだ挙句出した答えは学生時代の親友・水口と妻・京子がセックスをして子供を作ること。誰かも分からぬ他人の子ではなくそれならば愛せると。暴走して迷走して行き詰まった袋小路の先の壁をぶち抜く。そんな突き抜けた爽快感を感じた。時折挟まれる愛ってなんだ?なんて思索に意味はあるかい?愛にできることはまだあるかい?三者三様の思いが絡み合い物語は歪で無垢なクライマックスを迎える。愛に決まった形なんてきっとない。

  • なゆ さん

    初読みの前田さん。ズバリ、好きだわ。結婚6年目の俊介と京子、不妊検査で俊介に原因があることが判る。どうしても子どもが欲しい俊介のとんでもない提案とは。あり得ない!ってプンプンしながら読んで、京子との出会いとそれからもモヤモヤしながら読んで。。。なのに水口みたいなイヤなヤツをどうして?!という怒りが、なぜかじわじわ萎んでいくのはナゼ。深刻なはずなのに淡々と、フザケてるようて大真面目、なのに最後のウソみたいなアレはハァ?と思いながらも、なんだこの切なさは。「残酷だな」のセリフが滲む。愛は存在するし、生まれる。

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