明るい夜に出かけて 新潮文庫

佐藤多佳子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101237367
ISBN 10 : 4101237360
フォーマット
出版社
発行年月
2019年04月
日本
追加情報
:
403p;16

内容詳細

富山は、ある事件がもとで心を閉ざし、大学を休学して海の側の街でコンビニバイトをしながら一人暮らしを始めた。バイトリーダーでネットの「歌い手」の鹿沢、同じラジオ好きの風変りな少女佐古田、ワケありの旧友永川と交流するうちに、色を失った世界が蘇っていく。実在の深夜ラジオ番組を織り込み、夜の中で彷徨う若者たちの孤独と繋がりを暖かく描いた青春小説の傑作。山本周五郎賞受賞作。

【著者紹介】
佐藤多佳子 : 1962(昭和37)年、東京生れ。青山学院大学文学部卒業。’89(平成元)年「サマータイム」で月刊MOE童話大賞受賞。『イグアナくんのおじゃまな毎日』で’98年度日本児童文学者協会賞、路傍の石文学賞を受賞。『一瞬の風になれ』で2007年に本屋大賞、吉川英治文学新人賞、『明るい夜に出かけて』で’17年に山本周五郎賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • さてさて さん

    物理的には暗いはずの夜。そんな夜に明るさを見出す人がいる。心の拠り所をどこに求めるかは人それぞれです。誰にも心の拠り所はあるはずです。そんな心の拠り所が照らし続ける光は、それが例え他の人から見て儚いものであったとしても、その人にとってはかけがえのない、人生の行く先を照らし続けるものだということもあるのだと思います。ゆらゆらとぼんやりとした、それでいて沢山の可能性を秘めた青春の灯火の中に富山の未来が確かに照らされている、そんな光景を結末に見る物語。暗いはずの夜に確かに明りが灯るのを感じた、そんな作品でした。

  • こーた さん

    ラジオの人気が沸々と再燃しつつある、という記事をさいきんどこかで読んだ。この小説を読むと、その理由がよくわかる、とまではいわないけれど、何かナットクできるような気がする。同時代の孤独と、ゆるやかな連繫。終始〈俺〉のひとり語りで進行するナラティヴ(文体)は少々とっ突きにくいが、百頁くらい読んで慣れてくると、これ以外の語りはありえないのでは、とおもえてくる。口承芸能、浄瑠璃や落語に似たリズムを、現代の若者言葉でやっている。これ今で云うと何だ、と考えたが何のことはない、この語り自体がラジオそのものなのだ。⇒

  • へくとぱすかる さん

    深夜ラジオを舞台のホリゾントのように据えて、コンビニのアルバイトの日常生活を描きながら、そこに年齢の近い者どうしがつながっていくありさまを重ねていく。正直に言うと、パーソナリティを知らなかったので、小説の設定上の存在だと思っていて大変驚きました。夜にラジオを聞かなくなって長いもので……。鹿沢くんが予想よりも大きな存在。いい友人です。佐古田とは恋愛まで行かないのが、ありがちな話を回避していて、物語をリアルにしていて良い。過去の修復と同時に今を過ごし新しく生きる術を見つけていく。紹介どおりの暖かな世界でした。

  • utinopoti27 さん

    夜のコンビニでバイトする大学生の富山は、深夜放送のネタ職人だ。そんなある日、彼は店にやってきた地雷娘風の高校生のリュックサックに目が留まる。なんとそこには神レベルのネタ職人の証である缶バッジが2個もついていたのだ・・。本作は、オールナイトニッポンのパーソナリティ・アルコ&ピースに情熱を注ぐ若者たちを描く。現実のコミュニケーションは苦手でも、アルピーを介してなら通じ合える二人。不器用で繊細な彼らの青春に、若き日の自分を重ねる時、ふと蘇るあのテーマソング『ビタースウィート・サンバ』。佐藤多佳子さん、最高です!

  • エドワード さん

    まずは同い年である佐藤多佳子さんの若者言葉の完璧さに脱帽。ここまで書くとこれは全世代に届くね。深夜のコンビニで働く富山を中心に、先輩バイトの鹿沢、同級生の永川、毎日現れる女子高生・佐古田。みな悩みを抱えていて、孤独だ。佐古田のキャラのつきぬけ感がすごい。実在の深夜ラジオとツィッターを駆使してコミュニケーションしながら、かえって孤独感が増す様がリアルだ。ラジオネームという別人格の使い方が上手い。鹿沢の音楽、佐古田の演劇、四人の共感、ラジオ番組の行く末とも相まって幸福な終幕。「明るい夜に出かけて」いい題だ。

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