身体知性 医師が見つけた身体と感情の深いつながり 朝日選書

佐藤友亮

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022630643
ISBN 10 : 4022630647
フォーマット
出版社
発行年月
2017年10月
日本
追加情報
:
251p;19

内容詳細

武道家で医師の著者による、刺激に満ちた身体論!身体知性が人の感情と判断を担っている。フーコーの『臨床医学の誕生』や肉眼解剖学をもとに、西洋医学の言葉による身体の分析的追求の特徴を読み解く。しかし現実の臨床現場では、分析だけでは太刀打ちできない短時間で合理的な判断が必要だ。このとき活躍するのが身体知性。救命救急医のクロスケリーは医師の感情変化が誤診へとつながると指摘し、神経生理学者のダマシオは「ソマティック・マーカー仮説」で人間の判断に影響を与える感情の形成と身体の関係をたどる。また武道における東洋的な身体観と鍛錬は、人間の判断において重要だ。天才チェスプレーヤーが出会った太極拳、精神疾患の新しい治療法「オープンダイアローグ」、北海道浦河町の「べてるの家」を身体知性から分析するとどうなるのか。合気道家で思想家の内田樹氏との対談「武道と医学と身体をむすぶ」を収録。

目次 : 第1章 西洋医学が身体を取り扱うことば/ 第2章 肉眼解剖学に見る西洋医学の身体観の変化/ 第3章 「医師の身体」が西洋医学の分析の隙間を補完している/ 第4章 感情は身体によって作られている―ダマシオのソマティック・マーカー仮説/ 第5章 身体知性1 統合的な身体機能/ 第6章 身体知性2 身体を通して感情を整える/ 第7章 身体知性で読み解く「オープンダイアローグ」と「べてるの家」/ 対談 武道と医学と身体をむすぶ(内田樹×佐藤友亮)

【著者紹介】
佐藤友亮 : 1971年盛岡市生まれ。医学博士、日本内科学会認定内科医、血液専門医。1997年岩手医科大学医学部卒業。初期研修後、血液内科(貧血や血液がんを診る内科)の診療に従事するも、白血病の治療成績に大きな困難を感じ、2001年に大阪大学大学院医学系研究科入学。大学院修了後、阪大病院の血液・腫瘍内科で、血液学の臨床と研究を行う。2012年より神戸松蔭女子学院大学准教授。2002年に、東洋的身体運用に興味を持ち、神戸女学院大学合気道会(内田樹師範)に入会。2017年現在、合気道凱風館塾頭(会員代表)として道場運営に携わる。公益財団法人合気会四段。神戸松蔭女子学院大学合気道部顧問(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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  • はるわか さん

    ダマシオ「ソマティック・マーカー仮説」身体を介した外部入力に対する反応の表出が、人間の非分析的判断に不可欠という仮説。非分析的判断は結末が不確かな問題について決断を下すとき重要な役割を持つ。身体で考えて決断している。結末が不確かだが、重要な判断を合理的に行うためには、身体経由の感情コントロールが必要。分析の追求−西洋医学の身体観。科学革命の特徴は科学の「道具性」:説明の確実さを重視する姿勢。解剖学の知識化によって助長される身体の部品的理解。分析の隙間の認識と対応、医師の身体が西洋医学の分析の隙間を補完。

  • SGM さん

    ★★☆小難しく書いてますが、内容はシンプルかなと思います。言語を中心とした科学(サイエンス)と非言語を中心としたアートの話で、科学だけでは不確実性が強い医療の世界ではやっていけない。そのためアート(経験や思考)が大切になってくるのだが、それは医療者の健康状態(感情や情動)に左右されやすく、それをコントロール(できればマネジメント)することが大切である。そのためには有酸素運動とかメタ認知の意識化などが有効であろうと。オープンダイアローグとべてるの家の例示はよくわからなかった。

  • まろすけ さん

    これは当たり本。身体論、現在のネット社会でこそ輝きが増すと思う。⚫身体知性とは、分析が不可能な問題や、結末が不確かな未来について判断を下す時に機能する⚫医者が現場で行う『近道思考』、心理用語ではヒューリスティック⚫ソマティック・マーカー(内臓感覚)。身体を介して受け入れる感覚刺激が、感情(脳の機能)を作り出し、それが人間に意思判断決定を起こさせる⚫脳によって形成される自己とは、感覚器に絶え間なく与え続けられる情報に対して、反応(情動)を作る回路網に過ぎない。意思判断の源となる中枢は存在しない。コメント欄へ

  • ポカホンタス さん

    著者は医師であり合気道家。ダマシオのソマティックマーカー説を詳しく紹介し、さまざまな状況判断には身体反応として生まれる感情が大きく関与していることを説く。内田樹との対談で、合気道の究極の目的は、出会うべき人と出会うべき時に出会える能力を磨くことだ、というくだりがあり、なるほどと思った。

  • スリカータ さん

    小難しく書かれており、一般人には分かりにくい。内田さんとの対談の冒頭に著者がそれまでの総括を長々と語っているので、分かりにくさを感じた方は、対談だけ読めばいいかと思う。対談で印象深い点は、以下の通り。超長寿の人々は身体認知機能に長けている。自分の身体のどこがどの様に不調なのか言葉で語る力が秀でている。よく「身体の声に耳を傾けて」と言われるが、正にその通りなのだ。武術で身につくという、「必要な時に必要な人と出会う」武運とやらは、羨ましい限り。

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佐藤友亮

1971年盛岡市生まれ。医学博士、日本内科学会認定内科医、血液専門医。1997年岩手医科大学医学部卒業。初期研修後、血液内科の診療に従事するも、白血病の治療成績に大きな困難を感じ、2001年に大阪大学大学院医学系研究科入学。大学院修了後、大阪大学医学部附属病院の血液・腫瘍内科で、血液学の臨床と研究を

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