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形見 名残の飯 光文社文庫

伊多波碧

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784334794415
ISBN 10 : 4334794416
Format
Books
Publisher
Release Date
November/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

隅田川縁の「橋場の渡し」近くの一膳飯屋『しん』。母娘が営むこの店には今日も訳ありな客たちが訪れる。才能を嫉妬され夫に子育てや家事を詰られる女職人、亡き妻の不貞を疑う酒問屋の隠居、借金苦のために愛犬を処分した男…。そして今巻では、『しん』に新しい働き手が加わる。だが、その人物のせいで店は大騒動に巻き込まれる―。好評の時代小説シリーズ、飛躍の第三弾。

【著者紹介】
伊多波碧 : 2001年作家デビュー。絶妙な語り口と活き活きとしたキャラクター造形に定評がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • おしゃべりメガネ

    一膳飯屋『しん』シリーズ第3弾。本作も母娘の女将&若女将のやりとりがほっこりと絶妙。そこに加え、料理人「平助」の男気溢れる優しさと厳しさのバランスもこれまた絶妙。謎の船頭もいい感じで登場し、果たして彼はやっぱり「彼」なのか、先が気になります。既に準レギュラーと化した「おちか」はもちろん、前作に登場したあの人がまさかの再登場。本作は嬉しいコトに料理人「平助」がクローズアップされていて、これまた興味津々です。どの話もしっかりと人情テイストが抜群で、改めて人との関わり、繋がりの大切さをしっかりと学べる作品です。

  • タイ子

    シリーズ第3弾。妻の寄木細工の腕にやっかみなのか、嫉妬なのかいつも文句タラタラの欄間職人の夫。子供を連れて仕事場に行けば嫌味タラタラの嫉妬心丸出しの同僚男。かと思えば、朝から舌打ちが止まらない酒問屋の隠居。散歩に出れば途中で雨に遭い仕方なく入った一膳飯屋「しん」。おしげの美しさに要らぬ妄想、意外にも料理人の平助とは昔馴染でかつて自分の女房を寝取ったと言い始める。逃げた妻が作り続けた夫のための梅干しの味。かつて来店した健志郎という武士が現れ、平助の弟子になりたいと懇願。彼の切望する未来は?

  • いたろう

    隅田川の橋場の渡しのそばにある、一膳飯屋<しん>を舞台にした、「名残の飯」シリーズ第3作め。今作でも、悩みや問題を抱えた人たちが、引き寄せられるように<しん>にやってくる。今作では、料理人の平助の昔のことがちょっと出て来る他、以前<しん>に来たことがある、ある人物が、平助の弟子となって、料理人見習いとして、<しん>で働き始めるなど、平助の存在感が増している。「平助の弟子」という、レギュラー陣も増え、これは、ますます長期シリーズ化しそう。となると、おしげ、おけいが、新吉と再会できるのは、まだまだ先のことか。

  • 真理そら

    探している弟・新吉らしき船頭は登場するのに一膳飯屋「しん」にはあらわれない。この船頭さんは「しん」を意識的に避けているのかもと思ったり…。飯屋が舞台なのに旅人と飯の関わりがあまり描かれていないのがこのシリーズの特徴かも。『山鳩』は職人としての生きがいを感じている女性の決断を描いているが、亭主の無神経さを無視できれば何とかなりそうなのにともどかしい。表題作に登場する素直になれない愚痴っぽい頑固なご隠居さんがおもしろい。板前の平助の弟子が次作ではどれくらい成長しているか楽しみだ。

  • onasu

    千住大橋の下手、「橋場の渡し」近くの一膳飯屋「しん」を舞台にした三作目。  シリーズとしては、新入りを迎えるのも頃合いという四編目が目玉だろうが、感慨深かったのは、騙りに合って借金を負った母親を連れて夜逃げするのに、飼い犬を処分したところ(あの船頭さんが!)、母親に恨みがましい目で見られたという現代にも通じる人の業を著した三編目か。  人の業と言えば他の二編もそうで、シリーズ通してのお題だが、もう一つのお題、場所柄の旅人に関する話しがつけ足し程度だったのは、読み終えてからちょっと物足りなさが芽生えました。

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