消えゆく沖縄 移住生活20年の光と影 光文社新書

仲村清司

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334039530
ISBN 10 : 4334039537
フォーマット
出版社
発行年月
2016年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
207p;18

内容詳細

「大阪生まれの沖縄人二世」である著者は、一九九六年、沖縄の那覇に移住する。同年は「沖縄ブーム」の走りの頃にあたり、その後、NHKの連続テレビ小説『ちゅらさん』の影響もあって、二〇〇〇〜〇五年頃をピークに、沖縄は「有史以来」といわれる空前のブームを巻き起こした。一方、その裏側では、九五年に起きた米兵による少女暴行事件をきっかけに、日米地位協定の見直しを含めて反基地運動が高まりをみせる。そして九六年、普天間基地の返還が発表され、辺野古移設へと基地問題が動いていく。この二十年の間に、沖縄で何が起きたのか―。「沖縄ブーム」「沖縄問題」と軌を一にし、変質していく文化や風土などに触れ続けてきた著者が、“遺言”として「中期決算的な自分の心情と素顔の沖縄」を綴る。

目次 : プロローグ―一九九六年の沖縄、二〇一六年の沖縄/ 第1章 戸惑い―観光立県・沖縄の現在/ 第2章 失われゆく風景―故郷、那覇、農連市場/ 第3章 溝―移住者の揺らぎ/ 第4章 葛藤―まとまる沖縄とまとまらない沖縄/ 第5章 民意―沖縄の真価が問われる時代/ 第6章 信仰―消える聖域と畏れ/ エピローグ 私たちは“矛盾”とどう向き合うのか

【著者紹介】
仲村清司著 : 1958年、大阪市生まれの沖縄人二世。作家・沖縄大学客員教授。大阪に18年、京都に4年、東京に16年暮らした後、’96年に那覇市に移住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • どんぐり さん

    著者は大阪生まれの沖縄2世。沖縄移住して20年、そこから見た今の沖縄とヤマトの間にひそむ「溝」を明らかにしていく。「基地問題をめぐって日本政府と沖縄の間の「溝」が深まると、とたんに移住者の肩身は狭くなる」という話しは、沖縄の「内と外」「沖縄と内地」の壁が根底にある。沖縄への憧れと沖縄に移住した人の多くが3年以内に本土へ戻ってしまっている現実。「沖縄が嫌になったんじゃないんだよ。コンクリートだらけの街が嫌になった。海も埋め立てるし。俺みたいな野人が暮らせるところではなくなったんだよ」という余命3か月のごうさ

  • けぴ さん

    第一章から第四章までは、著者と沖縄の関わりが描かれ、自伝的要素が強い。第五章から第六章が一番書きたかったことと思われる消えゆく沖縄が詳細に語られる。沖縄はかつては基地関連の収入が半分を占めたが、現在は5パーセントほどとか。観光が最大の収入源であるが辺野古基地が建設されると、観光には大ダメージ。沖縄県で自民党が負け続ける訳です。神が宿るとされる場所も世界遺産に登録後、森が駐車場になり破壊されている。このままでは、沖縄リピート観光客が減っていくでしょう。沖縄が生き残るには日本から独立するしかないのかも?!

  • とよぽん さん

    初めて読んだ仲村清司さんの著書。「土人」発言の印象がまだ新しいけれど、本土との差別が根強いことがよく分かる。また、日本への同化、観光のための開発で失われた「神の森」など、沖縄がどんどん沖縄らしさをなくして変わってきたことに、筆者は出口の見えない思いを吐露している。沖縄のこと、沖縄の人々の安全や幸せを、私たちはもっと「自分事」として考えなければならないと思う。

  • skunk_c さん

    沖縄は卒論を書いた場所。当時は足繁く通ったが、30年ほどご無沙汰。そして5年ほど前にひょんな機会から立て続けに4度訪沖した時にその変化を強烈に感じたことがある。著者は全くの同世代の日本で生まれ育った沖縄人2世。1996年からルーツで暮らし始めて20年経って感じたことを綴るが、僕自身が感じたことと共通することがとても多かった。日本(特に政府)の沖縄に対する仕打ちの告発は耳が痛い。一方基地依存でなく観光が主産業として評価しつつ、それにより失われるものも嘆く。このあたりの矛盾が著者にとっての悩みなのだろう。

  • Sakie さん

    沖縄県民の84.1%が沖縄に誇りを感じるという。一方で沖縄を破壊しているのも沖縄県民自身だ。よき沖縄が失われることへの焦り。沖縄が好きだ。申し訳ないと思っている。沖縄のためになにかしたい。しかし外から見ているだけの本土人が何をと拒まれれば、途方に暮れるしかないのか。首里王府が八重山諸島を接収、薩摩藩、日本政府が琉球を接収、米軍が沖縄を接収。沖縄の歴史は、搾取の入れ子構造だ。多層化した被害者意識。誰もがそれぞれの立場で沖縄に幻影を抱いている。こじれすぎて、著者にも解決の光は見えていない。殺伐とした読後感だ。

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