ナイン 講談社文庫

井上ひさし

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061846845
ISBN 10 : 4061846841
フォーマット
出版社
発行年月
1990年06月
日本
追加情報
:
15cm,228p

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読書メーターレビュー

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  • ばりぼー さん

    何度目かの再読。人情味溢れる古き良き時代の東京を描いた、一話10ページ程度の自叙伝風小品集。ポルノ女優やストリッパーが登場する話もありますが、彼女たちとの触れ合いが日常となっていた猥雑な下町の空気が感じ取られ、ある種の羨ましさを覚えます。なかでも秀逸なのが、かつて新宿区の大会で準優勝した少年野球団メンバーのその後と心の絆を描く「ナイン」、お世話になった児童養護施設光ヶ丘天使園の園長先生との再会を描く「握手」。ルロイ修道士の「困難は分割せよ」という言葉が印象的です。巻末の自筆年譜も実に興味深い資料でした。

  • chimako さん

    人と人との小さな関わりがひょっとしたら人生を変えてしまうかもしれない。たとえば劇場の照明部屋から落とした一万円札。バスに乗り合わせた初老の男性。スポーツ少年団の仲間。まさか自分のたわいもないおしゃべりが、暗礁に乗り上げた結婚にゴーサインを出すなんて、忙しいご婦人はちっともお気づきではないでしょう。市井の人々の何気ない暮らしの中の出来事を切り取った、まるでエッセイのような読み心地。最後の『握手』では胸がジンとした。表題作の『ナイン』は地区大会で準優勝した少年たちのその後が描かれる。良い話。

  • たか さん

    16編からなる連作短編集。 何れの作品も著者が経験したことや見たことが題材になっており、良作揃い。 東京のいろいろな地域が舞台になっているが、かなり前の東京の原風景が描かれている。市井の人々の生活や思いも書き込まれており、興味深い。 最後の『握手』は中学校の教科書にも載ったことがあるそうで、心を震わせる人間の交流がそこに描かれている。C評価

  • Our Homeisland さん

    このところずっと読んで無かったですが井上ひさしは好きな作家の一人です。長さ的には短編というよりもショートショートに近いような短い作品たちが収められていました。私の世代よりはやや上の東京の街や人などの描写は、少し同時性がかかっているという印象で、頭に浮かべることができて懐かしかったです。終わり近くの「会話」「会食」は特に印象に残りました。最後のルロイ修道士の話「握手」は以前に教科書で読んだことがありました。初出の年から私が中学の時ではないので、おそらく家庭教師をしている時の教え子の教科書だったと思われます。

  • kasmin さん

    井上ひさしさんの短編集。「ナイン」が一番好きです。チームだから分かち合える喜びや悔しさ。彼らにしかわかり得ない彼らだけの醍醐味。時に身内でさえも敵わず年月を経ても絆の強さは生き続けます。今年の夏も球児らはたくさんの素晴らしいドラマを魅せてくれました。一人一人の一球一打にかける想い。凍るような冬も灼熱の夏も厳しい練習を積んできたのでしょうね。彼らはなんて良い顔するのかな。嬉しいも悔しいも 涙の顔も全部眩しかった。子ども逹が頑張る姿はこんなにも胸に迫りくるのだね。

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人物・団体紹介

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井上ひさし

1934年、山形県生まれ。上智大学文学部卒業。浅草フランス座で文芸部進行係などを経て文筆業に入り、戯曲やテレビ脚本で数々の賞を受賞。著書に『手鎖心中』(直木三十五賞)、『吉里吉里人』(読売文学賞、日本SF大賞)、『腹鼓記』『不忠臣蔵』(吉川英治文学賞)、『シャンハイムーン』(谷崎潤一郎賞)、『東京セ

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