本

貝殻航路

久栖博季

基本情報

ジャンル
:
ISBN/カタログNo
:
ISBN 13 : 9784163920757
ISBN 10 : 4163920757
フォーマット
:
本
出版社
:
発行年月
:
2026年03月
:
日本
追加情報
:
確実に帯が付いた状態での出荷、また初版など版のご指定はお約束しておりません。

内容詳細

北方領土を間近に望む土地に生まれ、漁師の父に育てられた主人公は、アイヌにルーツを持つ夫と結婚し釧路の街に移り住む。

アラスカからの豪華客船が釧路に寄港するというニュースの一方で、ミュージシャンの夫は行き先も告げずに家を出た。
倦んだ孤独をひとり抱えるわたしは、幼いころに父と見た貝殻島のことを思い出す。

「カイカライ。波の上面低いもの、という意味で、満潮になれば水没してしまうちっぽけな島だよ、日本では貝殻島、カイカライはアイヌ語ね」

北方領土という戦後史にひっそり佇む貝殻島の灯台、かつて海上の国境を越えロシア船に拿捕された父、静かに民族の記憶をつなぐ夫とその妹――いくつものかすかな光が敷きつめられた貝殻島への航路とは。

北海道東部、道東と呼ばれる土地の風土を細やかに描き、そこに暮らす人間の内奥に迫る野心作。

選考委員から高い評価を得た第174回芥川賞候補作。

【著者紹介】
久栖博季 : 1987年、北海道生まれ。弘前大学人文学部卒業、同大人文社会科学研究科修士課程中退。2021年、「彫刻の感想」で第53回新潮新人賞を受賞。23年発表の「ウミガメを砕く」で三島由紀夫賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • starbro さん

    第174回芥川賞受賞作&候補作第四弾(4/5)、今回は候補作です。文藝春秋社刊ではありますが、淡々と読了し、あまり残らない感じ、この内容では受賞が難しいと思います。 https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163920757

  • hiace9000 さん

    釧路に立ち込める濃い霧ー。乳白色の向こうに静かに横たわる自身の過去から続く未来への「航路」を、美文テイスト溢れる静謐な筆致で綴る純文作品。国土東端の根室から望む北方領土の島々のひとつ貝殻島。地球儀上の「空白」が登場人物である父や夫・あまみやの存在感とも重なる。義妹・夕希音や曖昧で儚すぎる主人公のわたし(凪)の姿は、使っている車の描写とも象徴的に重ね合わせているようにも。霧の中で見失いがちな人生の航路は、誰かに意識され始めて実存として浮かび上がる―曖昧で朧げな情景を掬い上げるように描いた作品だった。

  • いたろう さん

    2025年下半期の芥川賞候補作。著者は北海道出身ということで、本作の舞台は、釧路から根室、更に納沙布岬になっている。この小説を読むまで、その昔、日本人が建てたが、今は日本人は近寄れない、歯舞群島の貝殻島の灯台が、納沙布岬から望遠鏡で見えるということを知らなかった。今は釧路に住んでいるが、かつて根室で父親と暮らしていた主人公の凪にとって、貝殻島の灯台は、今は施設にいて、凪にとっては死んだも同然の父親の墓標であった。ネット上で灯台の写真を見たが、半ば朽ちた貝殻島の灯台のイメージで、この小説は深く心に刻まれた。

  • 練りようかん さん

    結婚を機に釧路に移り住んだ主人公。夫は風来坊で何処にいるか不明。家にとどまる主人公が“動いたら船が迷う”灯台のように思えたのだが、夫の第一印象が灯台みたいな人と書かれていて面白い。原風景の貝殻島の灯台、現在の視界イメージは青みのあるグレーで、耳に入ってくるぼうぼうという風の音が象徴的。記憶と風景描写から曖昧模糊とした脳内映像が立った。ロシアを憎み漁師だった父の遺骨を埋めるのか散骨するのかが気になり、最後の灯台で心からホッとできたのだけど、答えは出ていない感がある。ヤドカリの生態が意味深かった。

  • えりまき さん

    2026(124)第174回芥川賞候補作。北海道の納沙布岬の先、ロシア領にある貝殻島の貝殻灯台。アイヌ文化と北方領土問題。根室市行ってみたい。2026/6/2UHB北海道文化放送「貝殻島付近のコンブ漁が始まる」。

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久栖博季

1987年、北海道生まれ。弘前大学人文学部卒業、同大人文社会科学研究科修士課程中退。2021年、「彫刻の感想」で第53回新潮新人賞を受賞。23年発表の「ウミガメを砕く」で三島由紀夫賞候補(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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