見残しの塔 周防国五重塔縁起 文春文庫

久木綾子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167801670
ISBN 10 : 4167801671
フォーマット
出版社
発行年月
2011年12月
日本
追加情報
:
366p 15cm(A6)

内容詳細

時は室町中期。宮大工を志願して九州の隠れ里から出奔した青年・左右近。一方、若狭の国から母を尋ねて旅に出たのは、新田義貞の血を引く清らかな姫・初子。国宝・瑠璃光寺五重塔建設に賭ける番匠たち、そして塔の下で交錯する誇り高き人々の運命を描いて日本人の魂に爽やかに響く、傑作歴史長編の誕生。

【著者紹介】
久木綾子 : 1919年東京生まれ。1940年比叡山の里坊・理性院で後の天台座主即真周湛のもとで修行生活を一年送った後、松竹大船撮影所報道部勤務。同人誌「霜月会」同人となる。1945年山口県人の池田正と結婚、以後40年専業主婦。夫死去後の1990年文学に戻る決意をし、『見残しの塔』執筆のための勉強。2008年『見残しの塔周防国五重塔縁起』2010年『禊の塔羽黒山五重塔仄聞』出版(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • エドワード さん

    日本は木造建築の国だ。中でも五重塔の美しさは世界を魅了する。法隆寺、醍醐寺、瑠璃光寺を三大五重塔というそうだが、山口市にある瑠璃光寺の材の「このふでぬし弐七」と墨書された落書から生まれた壮大な物語。室町時代、日向国椎葉に生まれた宮大工・左右近と、新田義貞の血を受け継ぐ若狭国の娘・初子が様々な経緯を経て山口で邂逅する。時代劇だが読みやすい。多くの人々がめぐる因果、すれ違う運命。笑い、泣き、喜ぶ人々の姿が生き生きと蘇る。古い建築物を見るたびに、限られた道具で優れた建築を建てた先人の知恵と技術に驚き感服する。

  • 月夜 さん

    実家の本。長らく積む。国宝、瑠璃光寺五重塔に残る名もなき番匠の墨書から想像の翼を広げた物語。驚きは作者の年齢。塔に感銘を受けてから取材、執筆に18年。同人経験があったにしても夫の死後この作品を書き上げたのは89歳とのこと。ものすごい情熱だ。塔を建てる大工の技術だけでなく神仏や自然に対する畏敬の念や、作者の義母の縁や生涯から生まれた「初子」を始めとした新田に繋がる女たちの生き様への慈しむ心を感じた。

  • なむさん さん

    アラ卒寿渾身の中世日本ボーイミーツガール小説…なんてキャッチーな文句で沢山の人を引き寄せて、是非読んでもらいたいな。歴史に疎いので序盤から置いてけぼりをくらい、それを乗り越えたら昔木工をやってたのに知らない専門用語が飛び交う。だがここでふるい落とされてはいけない。著者は山口県出身かと思いきや東京と知ったとき、地元を上手く書く人はいるけど、他所を調べ上げ、この膨大で濃厚な物語をひたすら情熱に突き動かされて作り上げた事にしみじみ感動した。人という生き物は、それほど悪くない。卒寿が言うと重みが増す言葉の連続。

  • yamakujira さん

    解説によれば、取材に14年、執筆に4年、推敲に1年を費やして、89歳で上梓した作品らしい。その意欲に敬服するし、そんな高齢女性の力作にケチをつけるのは気が咎めるけれど、自分には面白くない作品だった。九州の宮大工と若狭の姫君の人生が、瑠璃光寺の五重塔建造の日々で交錯するって物語は、架空の大工を椎葉出身とするのはともかく、新田義貞末裔の人々の存在理由がわからない。左右近の話は単調で退屈だし、倭文や初子の話は五重塔と関係ないし、塔の建設は淡々と終わるし、「五重塔縁起」は誇大広告だな。 (★★☆☆☆)

  • まめお〜 さん

    著者70歳で「此のふでぬし弐七」と墨書きされた国宝の巻斗に出会い、14年間取材、執筆4年、推敲に1年を費やして89歳で上梓した本。それだけでも読む価値アリかと。この五重塔を建てた宮大工の一人【ふでぬし】である左右近(さうちか)は著者が創造した人物。最初は「人物相関図」を作って読まないとなかなかキツイ。そこを乗り切るとドンドンと読める感じ。80代の著者とは思えないみずみずしい描写(失礼かな)もあるし、少し無理のあるところも。建築物の細かい名称は画像検索で確かめると面白い。読み応えのある1冊だった。

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久木綾子

1919年東京生まれ。1940年比叡山の里坊・理性院で後の天台座主即真周湛のもとで修行生活を一年送った後、松竹大船撮影所報道部勤務。同人誌「霜月会」同人となる。1945年山口県人の池田正と結婚、以後40年専業主婦。夫死去後の1990年文学に戻る決意をし、『見残しの塔』執筆のための勉強。2008年『見

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