現代への反逆としての保守 リーディングス戦後日本の思想水脈

中島岳志

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784000270397
ISBN 10 : 4000270397
フォーマット
出版社
発行年月
2017年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
289p;21

内容詳細

排外主義、全体主義、歴史修正主義、そして米国追従。現下の「保守思想」の表面を覆いつくすこうした要素の対極に、本来の保守思想はあったのではないか。戦時下統制、戦後の解放、安保闘争、冷戦の終焉からアメリカニズムまで、時々のヘゲモニーを下支えする社会的熱狂を徹底的に懐疑し、社会のアウトサイダーとして位置づけられた保守のロジックを炙り出す。

目次 : 1 保守のロジック(保守ということ(一九四九年)/ 正統思想について(『日本のアウトサイダー』、一九五九年)/ 現代における保守と自由と進歩(抄)(一九六三年))/ 2 大東亜戦争への違和、戦後への反逆(昭和の精神史(抄)(一九五五年)/ 戦時の精神的雰囲気(『時代と私』、一九七一年)/ ある異常体験者の偏見(一九七四年))/ 3 ファシズムと共産主義への懐疑(暴力・ファシズム・共産主義(一九四八年)/ 共産主義と人間尊重(一九五一年)/ ベルリンにて(抄)(一九五七年))/ 4 政治の過剰への対峙(一匹と九十九匹と―ひとつの反時代的考察(一九四七年)/ 政治的季節の中の個人(一九六〇年)/ 今日の政治的関心(二)―安保さわぎの後を受けて(一九六〇年))/ 5 アメリカニズムからの脱却(「ごっこ」の世界が終ったとき(一九七〇年)/ 「アメリカニズム」の終焉(抄)(一九九三年)/ ポスト・バクダッド(二〇〇三年))

【著者紹介】
中島岳志 : 1975年生。東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科博士課程修了、博士(地域研究)。北海道大学大学院法学研究科を経て現職。専門は政治学。『中村屋のボース』(白水社、2005年)で大佛次郎論壇賞、アジア・太平洋賞大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • マウンテンゴリラ さん

    大人の作法たるものの基準こそが保守の思想であると言うことをあらためて、そして、さらに深く感じさせてくれる評論集であった。新しいものに無批判に飛び付いたり流されたり、これが、おおよその戦後日本人の標準的なモデルであったと言えるだろう。自由・平等・進歩といった言葉をあたかも至上の価値とし、それらを同時実現できる手段こそが、民主主義、産業主義であるとしてきた国のなれの果てとまでは言わないにしても、斜陽期、衰退期、下山期にこの国があることは間違いないと言っても良いのではないだろうか。→(2)

  • てれまこし さん

    リベラル革新にかわって、今カッコいいのは保守。が、安倍さん好きのネトウヨ君の援護射撃みたいなものを期待してはいけない。むしろ民主党右派に近いような保守(「リベラル保守」ってやつ?)を、「真の」保守として取り出そうというのである。そのためか、ちょっと収録論考に偏りがあるような気もする。日本に根付かなかったのは自由主義だけではなく保守(というより、私は保守思想がなかったがためにリベラリズムもまた根付かなかったと思っている)といわれると⁉と思う人も多いと思うが、そう考えると日本政治の多くの謎が解きやすくなる。

  • ウラー さん

    第1部のみ読了。鈴木成高「保守ということ」は目から鱗。p7「日本には、自ら進歩と称するものも、他から反動と称せられるものと、この二つのものがあるだけである。保守主義は存在しない。」p11「保守主義は事実を貴ぶ」「保守主義はイズムではない」「保守主義は(中略)公式主義に対する現実主義」「急進主義に対する漸進主義」「ドクトリン(空論)を軽蔑する精神、それこそが保守主義の精神」p12「妥協は決して誤魔化しではない。(中略)妥協こそは、前進の方式」p13「慣れたものを好む、既知のものに安心する」

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