10年前、那覇に行った折、「インターリュード」を訪ねました。時間が早かったせいか、他に客は居ず、与世山さんが独り、皿だか、グラスだか拭いていました。ライブには随分時間があるとのことで諦め、おそるおそる昼間に買ったこのCDを取り出したら、少しはにかまれる風で、隅に控えめにサインして下さいました。これは、さらにずっと以前、雑誌の’Summertime’推薦盤特集でお名前を知って以来の私にとっての「幻の名シンガー」にやっと出合えたCDです。この曲や’You’d be so nice to come home to’ などのあまたの、また絶対的名演がある超有名曲でさえも、誰のコピーでもない与世山さんの歌があふれています。それも、超1級の。ピアノだけのシンプルな演奏も好ましく、まさにDuoの緊張と親密のすばらしさ。