風と行く者 守り人外伝 軽装版偕成社ポッシュ

上橋菜穂子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784037502003
ISBN 10 : 4037502003
フォーマット
出版社
発行年月
2018年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
445p;19

内容詳細

つれあいのタンダとともに、久しぶりに草市を訪れたバルサは、若い頃に護衛をつとめ、忘れ得ぬ旅をしたサダン・タラム〈風の楽人〉たちと再会、その危機を救ったことで、再び、旅の護衛を頼まれる。
シャタ〈流水琴〉を奏で、異界への道を開くことができるサダン・タラム〈風の楽人〉の頭は、しかし、ある事情から、密かに狙われていたのだった。
ジグロの娘かもしれぬ、この若き頭を守って、ロタへと旅立つバルサ。
草原に響く〈風の楽人〉の歌に誘われて、バルサの心に過去と今とが交叉するとき、ロタ北部の歴史の闇に隠されていた秘密が、危険な刃となってよみがえる。

「守り人」シリーズ10巻完結のあと、『流れ行くもの』(守り人短篇集)『炎路を行く者』(作品集)を番外編として発表。この『風と行く者』は外伝3作目にして大長編となる。


著者紹介

上橋菜穂子
立教大学博士課程単位取得(文学博士)。専攻は文化人類学。オーストラリアの先住民であるアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、現在川村学園女子大学特任教授。『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、アメリカ図書館協会バチェルダー賞)『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)『夢の守り人』(前2作とあわせ路傍の石文学賞)『神の守り人<来訪編><帰還編>』(小学館児童出版文化賞)など12巻からなる代表作「守り人」シリーズは、内外から高い評価を得ている。そのほかの著書に『精霊の木』『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)『獣の奏者』『鹿の王』(本屋大賞、日本医療小説大賞)などがある。2002年に巌谷小波文芸賞、2014年に国際アンデルセン賞作家賞を受賞。

佐竹美保
デザイン科を卒業後、上京。SF・ファンタジーの分野で多数の作品を手がける。主な仕事に『虚空の旅人』『蒼路の旅人』『不思議を売る男』『宝島』『幽霊の恋人たち』『西遊記』『フランダースの犬』『魔法使いハウルと火の悪魔』『ローワンと魔法の地図』などがある。

著者より

ひょっこり帰ってきた物語

どんぶらこ、どんぶらこ、と川を流れてきた巨大な桃を拾ったら、中から赤ちゃんがでてきて、突如、育てることになってしまった、お爺さんとお婆さん。
とってもうれしかった半面、正直、かなり、うろたえもしたのでは、と、
大人になってから、思うようになりました。
隣近所も、ええ? なにがどうして、どうなって、今頃、子どもが出来たんだ? と、思ったでしょうし。

『風と行く者』は、どんぶらこ、と流れてきたわけではなくて、実は、かなり以前に書き始めたものの、途中で書けなくなっていた物語なのですが、
それがなぜ、守り人シリーズ完結してから何年も経って! 短編集ではなく長編で、しかも、バルサのその後も書いてあるような物語が、今頃、ぽこっと世に生まれ出ることになったのか。
それは、ですね、いくつかの巡りあわせがありまして、その「巡りあわせ」が書かせてくれた、というのが正直な実感なのです。

その、「巡りあわせ」については、あとがきで書きましたが、私は本当に、プロの作家としての技術で物語を書いているというよりは、人生の道筋で行き会った経験に書かせてもらっているのだな、と、今回、つくづく感じました。

それにしても、完結しました、と言った後で長編の物語を世にだすというのは、やはり、なんとなく恥ずかしいものですが、突如桃を拾ってしまったお爺さん、お婆さんと同じく、突然、我が心にやってきてくれて、再び芽吹き、育ち始めた物語ですから、大切に心を込めて育てました。

バルサ再び、であります。
楽しんでいただければ幸せです。

その、「巡りあわせ」については、あとがきで書きましたが、私は本当に、プロの作家としての技術で物語を書いているというよりは、人生の道筋で行き会った経験に書かせてもらっているのだな、と、今回、つくづく感じました。

それにしても、完結しました、と言った後で長編の物語を世にだすというのは、やはり、なんとなく恥ずかしいものですが、突如桃を拾ってしまったお爺さん、お婆さんと同じく、突然、我が心にやってきてくれて、再び芽吹き、育ち始めた物語ですから、大切に心を込めて育てました。

バルサ再び、であります。
楽しんでいただければ幸せです。

【著者紹介】
上橋菜穂子 : 立教大学大学院博士課程単位取得(文学博士)。専攻は文化人類学。オーストラリア先住民であるアボリジニを研究。女子栄養大学助手を経て、川村学園女子大学特任教授。著書に『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、アメリカ図書館協会バチェルダー賞)『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)『夢の守り人』(前2作とあわせ路傍の石文学賞)『神の守り人“来訪編”“帰還編”』(小学館児童出版文化賞)『蒼路の旅人』など12巻からなる代表作「守り人」シリーズは、内外から高い評価を得ている。そのほかの著書に『精霊の木』『月の森に、カミよ眠れ』(日本児童文学者協会新人賞)『狐笛のかなた』(野間児童文芸賞)『獣の奏者』『鹿の王』(本屋大賞、日本医療小説大賞)などがある。2002年に巌谷小波文芸賞、2014年に国際アンデルセン賞作家賞を受賞

佐竹美保 : 1957年、富山県に生まれる。「奇想天外」の仕事を皮切りに、SF、ファンタジーの分野で多数の作品を手がける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 雪風のねこ@(=´ω`=) さん

    若き日のジグロとバルサの旅を中心に描く。短編集であった流れ行くものに近い。今度は長編なので、唄も歌い格好良くてモテるジグロに焼餅を焼くバルサを、十二分に堪能できる。短槍だけではなく、スリリングな弓矢の射掛け合い(というより狙撃)も見所の一つでもある。別の人の視点で見ると今まで見えなかった事が見えるというバルサは、それこそジグロの視点から見ているのであり、体内にしっかりとジグロが生きている証なのである。それと対比するかのような物語のテーマが、今作の魅力である。

  • Mizhology さん

    読書そのものが久しぶり。  バルサの世界観に戻るよりも、サダン・タラムそしてルミナの世界観に入るのは時間がかかり、脳がまだまだ働いてないなぁと思いつつも、徐々にぐいぐいと惹き込まれた。さすが上橋さん。あたたかい人と人の繋がりの世界へと連れて行ってくれた。懸命に生きる人達の世界へ。  バルサのジグロへの想い、ルミナの両親への想いが沁みた。後書を読み納得したけど、親を送った人がみな、こういう表現が出来る訳ではない。同時代に母国語で読めることに幸せを感じています。

  • ムーミン2号 さん

    懐かしい人に会えたような感覚。読み始めてすぐにそう感じたのは、数年前に夢中で全10巻を読んだからだろう。守り人外伝の3冊目にして大長編の本作は、今と20年前の物語が交差する構成も見事なら、シリーズではあまり語られなかったバルサを護り育てたジグロの物言わぬ大きな背中が描かれていて興味深い。扉を開くとその懐かしさもさることながら、一気に物語世界に引き込まれてしまうその力に乗って、あっという間にラストを迎えてしまった。

  • さつき さん

    バルサとタンダのその後が気になっていたので、また二人に出会えて嬉しかったです。物語はジグロと旅をしていた16歳の頃のバルサに遡り、過去と現在の旅が入り混じります。過酷な運命を受け止め切れず、いつも歯ぎしりしているようなバルサを抱きしめたくなりました。そして、改めてジグロって何て良い男なんだろう!読めてよかったです。

  • papako さん

    文庫化まで我慢するつもりだったのに、ゆきちんさんのレビューで読みたくなった!そして読んで良かった。とにかく胸が熱くなる。もちろん単体でも楽しめるけれど、シリーズ読み続けてきた私たちには、やはりご褒美のような1冊。まさかバルサとジグロに会えるとは。さらにバルサとタンダの温かさにも触れられて、最後は静かに涙があふれました。領主は恥も罪もかかえて生きていく。ルミナはその覚悟を持っているね。それでも夢を持てる素敵な女性になれる!本編では少し謎なロタ王国の内情も見え、また再読したい熱が。また会える日を楽しみに!

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上橋菜穂子

1962(昭和37)年東京生れ。川村学園女子大学特任教授。オーストラリアの先住民アボリジニを研究中。著書の、『孤笛のかなた』(野間児童文芸賞)の他に、『精霊の守り人』(野間児童文芸新人賞、産経児童出版文化賞、バチェルダー賞)、『闇の守り人』(日本児童文学者協会賞)、『夢の守り人』(路傍の石文学賞)、

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