舟を編む

三浦しをん

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784334927769
ISBN 10 : 4334927769
フォーマット
出版社
発行年月
2011年09月
日本
追加情報
:
20cm,259p

内容詳細

「2012年 本屋大賞」大賞受賞

馬締は、辞書の編集=日本語という大海原を渡るための舟を編みはじめる。三浦しをんの、日本語への敬意と愛に満ちた最新長編小説。

玄武書房に勤める馬締光也。営業部では変人として持て余されていたが、人とは違う視点で言葉を捉える馬締は、辞書編集部に迎えられる。新しい辞書『大渡海』を編む仲間として。 定年間近のベテラン編集者、日本語研究に人生を捧げる老学者、徐々に辞書に愛情を持ち始めるチャラ男、そして出会った運命の女性。 個性的な面々の中で、馬締は辞書の世界に没頭する。言葉という絆を得て、彼らの人生が優しく編み上げられていく――。 しかし、問題が山積みの辞書編集部。果たして『大渡海』は完成するのか――。

総合評価

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日本語の素晴らしさを再認識しつつ、辞書を...

投稿日:2021/04/19 (月)

日本語の素晴らしさを再認識しつつ、辞書を作る仕事があったのかと認識できた一冊。設定は地味なのに、登場人物は輝いている。仕事への情熱に胸が熱くなる。

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辞書編集というテーマが小説になるというこ...

投稿日:2015/03/29 (日)

辞書編集というテーマが小説になるということ自体が、新しい時代を迎えているいるような感覚を覚えます。現代にあってこの主人公の「真面目さ」はユーモラスに映りますが、実は日本に失われてきている徳なのではと思います。自己中心的なイメージのあるオタクや引きこもりとは違って、私欲とはかけ離れ、没我・無私の心でひたすら物事に打ち込む姿には好感が持てます。

テリーヌ さん | 大阪府 | 不明

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『2012年本屋大賞第1位、2013年全国ロード...

投稿日:2014/04/14 (月)

『2012年本屋大賞第1位、2013年全国ロードショー』 ということで、興味津々で読み始めた。 普段何気なく手に取る辞書というものは、近くにあって遠き存在・・ 言葉や漢字・四字熟語など日常的に意味の解らない時に大変役に立つ。 だが、必要な時には手に取るが、愛読書とはならない(そういう方もなかにはいらっしゃるだろうが・・) 振り返ってみれば、小学校・中学校・高校とその年齢に応じて編纂されているのだという事を改めて気づかされた。 言葉の中には、意味合いの変化があるものや新語が生まれたりする。 辞書は【一朝一夕】には完成しない。その都度、追加・改訂しなくてはならない。刊行された辞書もその後何度も改訂されていくわけだ。 今まで辞書がどのように出来上がるか、その労力にまで思いを馳せることもなく手にしてきたわけで、辞書を編纂することの苦労の一面を見た気がする。 そういった点では、たいへん興味深い内容である。 メインのキャラクター馬締光也(映画では、松田龍平)の堅物ぶりが面白い。 オタク(マニア)っていうのはこんな感じなんだろうか?言葉への思い入れが半端ではない。 たとえば、 みぎ【右】西を向いたとき、北にあたる方。 by馬締光也(舟を編む) で、調べてみた。 みぎ【右】相対的な位置の一つ。東を向いた時、南の方 by岩波国語辞典(第四版) 右という言葉を調べたのは始めてかもしれない。 時代はインターネットが主流。解らないことはネットで簡単に調べることができる。 だが、そんな時代に辞書への興味が湧く切っ掛けとなるこの本は、ある意味救世主かもしれない。 ネットに頼らず、辞書を引きたくなった自分がいる。 辞書と言えば、相原コージの『コージ苑』は改めてスゴイ漫画かもしれなかったりする。

ぽんちゃん さん | 埼玉県 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ヴェネツィア さん

    『大渡海』そのものといった、本書の装丁の人気と評価が高い。それはもちろん認めつつも、最大の功績はタイトルにある。これが『辞書を編む』であったなら、こんなには注目されなかっただろう。「舟」という隠喩が実に効果的だ。また、この作品が読者を惹き付ける要因は2つあると思う。1つは、馬締や松本先生の、辞書にかける「ひたむきさ」と「一所懸命さ」が読者の心を打つこと。そして、もう1つは言葉という形のないものを『大渡海』という形あるものに造り上げて行くことへの共感であろう。最期の先生の遺書はしみじみと喜びが伝わってくる。

  • 遥かなる想い さん

    2012年本屋大賞大賞受賞作品。辞書を「言葉の海」を渡る舟になぞらえ、国語辞典の編纂に 関わる人々を描いた作品。読んでいてなぜか懐かしい感覚にとらわれたのは誰もが経験した 学生時代の「辞書を引く」という行為を「辞書を編む」という視点で描いてくれているからなのだろう。辞書のてざわりを「ぬめり感」と 表現しているが、確かに紙ざわりに拘った時代があった…馬締(まじめ) 君を読者みんなが応援した結果が 本屋大賞なのだろう…よい本だった。

  • kishikan さん

    ふむふむ、「舟を編む」っていうのはそういう意味だったのですね。良い言葉だなぁ。構想段階から幾度かの難関と10数年の時を超え、やっと新しい辞書は陽の目を見る。そこには、言葉だけではなく編集者と監修者の見えない苦労がいっぱい詰まっている。しをんさんは、辞書編纂という偉大ではあるけど本当に地味な仕事に、友情、恋、信頼、別れなどの情感という糸を織り込みながら、僕たちに言葉の持つ意味の重要性を教えてくれる。ちなみに、僕が使っている国語辞書は、高校生の頃から変わらず愛用している岩波の国語辞典(第六版)で、もう2代目。

  • 佐々陽太朗(K.Tsubota) さん

    馬締さんの香具矢さんに宛てた恋文にニンマリした。森見登美彦氏の小説『恋文の技術』に延々訥々と綴られた手紙もそうであったが、恋文の要諦は思いの丈を率直に書くことなのだ。かっこ悪かろうと滑稽だろうと私は今あなたに恋するがあまりハチャメチャなのだ、そしてその状態を救うのはあなたしかいないのだということを伝えることが肝心なのだ。(と、私は思う) 素敵な物語を読ませていただきました。言葉と活字を愛する者として、素直にしをんさんの想いを受け止めました。言葉は思考であり、感情であり、記憶であり、道を照らす光なのですね。

  • 射手座の天使あきちゃん さん

    「辞書づくりに携わる人たちのことを、わりと面白く書いたつもりです!」本屋大賞授賞式で鼻高々に、しをんさんが語っていたのはダテじゃ無かった ♪面白かった、面白かった、面白かった Yes!♪(笑) 言葉の荒海を進む舟のように「大渡海」と言う辞書を編む、素敵でした! しをんさんお得意の変人キャラも健在、今年の本屋大賞はアタリです! (^_^)v

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