DVD

『ドン・カルロ』5幕フランス語版 コンヴィチュニー演出、ド・ビリー&ウィーン国立歌劇場、ヴァルガス、スコウフス、他(2004 ステレオ)日本語字幕付

ヴェルディ(1813-1901)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
COBO6015
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明


ウィーン国立歌劇場2004年
ヴェルディ:『ドン・カルロ(カルロス)』5幕フランス語版

歌劇場全体を巻き込んだコンヴィチュニーのスリリングな演出が冴えわたる

パリ初演でのカットも復活させ、《ドン・カルロス》の完全なる姿を実現したこの上演は、鬼才コンヴィチュニーのセンセーショナルな演出により、オペラの域を超えた斬新な体験を与えてくれるもの。その演出に応える豪華歌手陣の熱演も見事。ド・ビリーの指揮は、フランス語上演ならではの音楽の美しさを存分に鳴り響かせ、迫力に満ちた演奏を聴かせます。

このDVDに収められたプロダクションは、通常上演される4幕のイタリア語版ではなく、5幕のフランス語版を用い、さらにパリでの初演の際にカットされた場面も取り入れたもので、ヴェルディの原意をすべて汲んだ《ドン・カルロス》の真の姿を伝えるものです。これはバレエの場面も取り入れた実に247分もの一大パフォーマンスとなっており、もちろん、その模様を完全収録。ヴェルディのグランドオペラの真価を再認識できる、貴重な映像です。

この映像の価値を一層高めているのは、鬼才コンヴィチュニーによるスペクタクルな演出。会場全体を舞台へと変貌させたスリリングな演出は、社会風刺とユーモアも交えつつ、オペラ鑑賞という枠を超えた斬新な体験を与えてくれるはずです。「エボリの夢」と題し、主要キャストによるパントマイムの場面へと変えられたバレエの場面も一興。キャラクターの設定に奥行きをもたらすことにも成功しています。

歌手陣も強力です。ラモン・ヴァルガスとイアノ・タマールのコンビが堅実な歌唱で、音楽を支えているほか、スコウフス、マイルズも歌唱・演技ともに実にユニークな味を出しています。特にエボリ役のナディア・ミヒャエルがこのプロダクションのなかで大きなアクセントとなっており、これぞエボリといわんばかりの美貌に、きめ細やかな演技、そして見事な歌唱でこの重要な役どころを演じきっています。
 ド・ビリーの指揮も極めて流麗! この超大作をまとめあげる手腕はさすがです。(Columbia)

【コンヴィチュニー氏からのコメント】
日本盤DVDリリースにあたり、この演出を手がけられたペーター・コンヴィチュニー氏より寄せられたコメントをご紹介します。

「ドン・カルロス」は叙事詩です。こうしたものを物語るには、時間が必要です。
この作品は、ヴェルディの手になる最も素晴らしい合唱シーンのひとつによって始まります。そこで私たちは理解するのです。この叙事詩において戦争は、すべての個人的な、そして政治的な災いの根底にあるのだと。
音楽は、脈打つような動機によって幕を開けますが、この後、私たちはこの動機をほとんどすべてのアリアや二重唱、アンサンブルの中で何度もくり返し聴くことになります。もしこの作品をほかの場面で始めるとすれば、それは、はじめに主題を提示することなくフーガを演奏するようなものです。
さらに第1幕で私たちは、カルロスとエリザベートがフォンテーヌブローの森でどのように恋に落ちるのかを知ります。このことはとても重要です。それによってこそ、この恋が破れたときに、私たちは彼らの苦しみを共感することができるのですから。
ヴェルディは「ドン・カルロス」をフランス語で作曲しましたが、その後の補綴や改訂もすべてフランス語で行っています。
こうした事情が物語っているのは、7つのうちのひとつの版、つまりオリジナル版だけが問題になるということです。
火刑」の場は、構造的にも音楽的にも、他の場面とは全く性格を異にしています。テキストから見ればこれは、物見高い人々の座興に供するために異教徒が火あぶりにされるという民衆たちの祭りであるわけです。ですから私は、舞台と観客との間にある「第4の壁」を開くのです。ここに Spiel(遊び/演技)と Ernst(真面目さ/現実)、オペラと人生が混じり合います。
バレエの場面には、とりわけ小さなヴァイオリン協奏曲を伴って、ヴェルディの大変優れた音楽が聴かれますが、このバレエ音楽は初演以来、二度と演奏されることはありませんでした。なぜか。その背後には、「オペラでは笑ってはいけない」というオペラ界におけるタブーが潜んでいるのではないかと私は危惧するのです。そうしたタブーは、打ち破られなければなりません。このバレエは「カルロスを愛するというエボリの願望」をテーマとし、滑稽さがそれにふさわしい場所を見出すという機能を持った、いわばサテュロス劇なのです。
フィリップとエボリが関係を持つということは、この作品における最も重要な点です。だからエボリは、フィリップがアリアを歌う場面に、しかも彼のベッドに居るわけです。ある男が、自分は妻とうまくいっていないのだと言って、恋人に心の内をぶちまけるような致命的な状況というのは、ほとんど誰しもが知っているものです。
スコアにおいて「カール5世の声」と示されている謎に充ちたキャラクターは、私の演出においては、「生けるカール5世」となっています。あらゆる時代を通じて最も強大な力を誇った君主ながら、もはや不敬虔で破壊的なヨーロッパの政治にかかわりを持つことを疎んじて死の数年前に退位したこの人物。彼は、かつてマルティン・ルターがそう語ったように、世界の滅亡を思って木を植え(訳注)、そして作品の最後で二人の恋人を異端審問所から連れ去るのです。

*訳注:「もし明日世界が滅ぶとしても、私は今日リンゴの木を植えよう」とのマルティン・ルターの言葉を指している

【アーティスト情報】
ラモン・ヴァルガス(ドン・カルロス)
メキシコ生まれのテノール(1960-)。1982年に故国で舞台デビューを飾り、90年代初頭から欧米各地で活躍。若々しい響きと安定した技巧を駆使してヴェルディの青年役を演ずる傍ら、ロッシーニからプッチーニまで幅広い役柄を手がけており、録音&映像も数多い。

イアノ・タマール(エリザベート)
グルジア出身のソプラノ。故国で声楽を学んだ後、イタリアで指揮者ゼッダに認められ、ペーザロ・ロッシーニ・フェスティバルの《セミラーミデ》に主演(1992)。独特の翳りある声音を武器に《マクベス》《トスカ》など19世紀イタリアのドラマティックな演目に出演を重ねている。

ナディア・ミヒャエル(エボリ公女)
ドイツ、ヴュルツェン生まれのメゾソプラノ(1969-)。シュトゥットガルトと米国で声楽を学び、欧米各地でカルメンなどメゾの主要な役柄を歌った後、2005年からソプラノに転向。ロンドン、コヴェントガーデン王立劇場での《サロメ》が大成功を収めている(08)

アラステア・マイルズ(フィリップ2世)
イギリス、ハロウ生まれのバス(1961-)。フルートを学んだ後声楽に転向、1985年にオペラ界にデビューし、19世紀イタリアの演目を中心に、英国を代表する男声歌手の一人として世界の五大歌劇場を制覇。埋もれた作品の蘇演にも積極的に取り組んでおり、録音も多い。

ベルトラン・ド・ビリー(指揮)
フランス、パリ生まれの指揮者(1965-)。ウィーン・フォルクスオーパーでの第1指揮者のポストを経て、バルセロナ・リセウ大歌劇場の首席指揮者として活躍(1998-2004)、2002年からはウィーン放送交響楽団の首席指揮者を務めている。

ペーター・コンヴィチュニー(演出)
ドイツ、フランクフルト生まれの演出家(1945-)。高名な指揮者フランツ・コンヴィチュニーを父親に持ち、音楽的な能力の高さはオペラ演出界でも随一と称される。1970年代より、演出家ルート・ベルクハウスのもとで助手を務め、80年代からオペラと演劇の両部門で活躍。奇抜なアイデアを駆使し、独自の解釈を貫く才人として日本でも人気が高い。

【収録情報】
・ヴェルディ:歌劇『ドン・カルロス』(全5幕のフランス語オリジナル版、1867年)

 フィリップ2世:アラステア・マイルズ
 ドン・カルロス:ラモン・ヴァルガス
 ロドリーグ:ボー・スコウフス
 大審問官:サイモン・ヤン
 修道士:ダン・パウル・ドゥミトレスク
 エリザベート:イアノ・タマール
 エボリ公女:ナディア・ミヒャエル
 ティボー:コルネリア・ザルイェ
 レルム伯爵:ベネディクト・コーベル、他
 ウィーン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:エルンスト・ドゥンシルン)
 ウィーン国立歌劇場管弦楽団
 ベルトラン・ド・ビリー(指揮)

 演出:ペーター・コンヴィチュニー
 装置・衣裳:ヨハネス・ライアッカー
 照明:ハンス・テールステーデ
 トラマトゥルギー:ヴェルナー・ヒンツェ
 テレビ映像演出:アントン・ライツェンスタイン

 収録時期:2004年10、11月
 収録場所:ウィーン国立歌劇場(ライヴ)

 収録時間:全プログラム247分
 画面:カラー、16:9
 音声:リニアPCM48kHz/16bitステレオ、Dolby Digital 5.1chサラウンド、DTS 5.1chサラウンド
 字幕:日本語・フランス語
 NTSC
 日本語字幕:山下賢司/字幕監修・ノーツ:岸純信

内容詳細

2004年にウィーン国立歌劇場で上演された『ドン・カルロ』。全5幕のフランス語版での上演で、4時間余にわたる一大パフォーマンスとなっている。ヴァルガス、タマールの絶妙なコンビに加え、コンヴィチュニーのスペクタクルな演出が秀逸。(CDジャーナル データベースより)

総合評価

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単にモデナ版によるフランス語の全5幕で無...

投稿日:2014/07/11 (金)

単にモデナ版によるフランス語の全5幕で無いところに、意欲を感じるものの、舞台表現の貧しさは原語に絶するもので、演出家は、王の横にエーボリが寝ているアイデアをご自慢(びわ湖ホールでの講演)の様子ですが、恐るべきものです。イタリア語の字幕を見てみますと、何やら独自のテキスト・レジーによるもののようです。OPERA RARA/DGと読み比べますと、かなりの異なりがあるようです。初演でカットされた部分を含む上演としては、本当はもっと意義あるべきものでなくてはなりませんね。

オペラかじり虫 さん | 兵庫県 | 不明

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バレエ音楽を含む仏語グランド・オペラ版で...

投稿日:2012/05/21 (月)

バレエ音楽を含む仏語グランド・オペラ版である点と、ド・ビリーの(やや劇的高揚には欠けるものの)丁寧な指揮・歌手陣の概ね卒のない歌唱に星4つ.それにしても、ヴァルガスが達者に歌うのを聴いても、やっぱりヴェルディにはイタリア語のイントネーションが似合っている、と思ってしまう(アラーニャだとわりと納得するものがあったが). 舞台はコンヴィチュニーの中でもがっかりで、文化圏を出ることの難しさを感じる.彼の演出はオペラ歌手を<駆り立てる>事で滲み出す身体性、児戯が同時に極度に真剣なものでもあるような不自然さから緊張を生み出していたが、ここでは皆手馴れすぎすべてがwell-made.これでは全く意味がない.休憩を挟んだ火刑の場でのテレビ中継にしてからが、観客との共犯関係が成立してしまうのも宜なるかな(ヴィーンの聴衆でなくとも、’80年代の記念碑的制作《ランスへの旅》ロンコーニ版を知る人は少なくないだろう…).尚当演出はこの4月から再演されているので、ヴィーンのレパートリーから消えたわけではないようだ. というわけで、ヴィデオでコンヴィチュニー演出を見るなら《魔弾の射手》(ハンブルク)なり《神々の黄昏》(シュトゥットガルト、ベルト・ノイマン舞台美術!)のほうが楽しめるだろうし、仏語5幕版《ドン・カルロス》を映像付きで聴く目的ならシャトレ座盤(ボンディ演出、アラーニャ題名役、パッパーノ指揮パリ管.ただし複数の版の混合)くらいしか競合盤はないから、当盤の価値は十分にある.

ombredouble さん | 東京都 | 不明

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2004ウィーンでみました。何と言っても、劇...

投稿日:2009/06/10 (水)

2004ウィーンでみました。何と言っても、劇場全体を巻き込むパーフォマンスにした演出は圧巻です。しかし休憩後、予鈴をならさずいきなり、火刑の場に入るやり方は現場にいる観客としては、何が起きたのか判らず、席に着けないでそれこそ呆然として、たちつくしながら舞台を見たのを覚えています。それ以外はさほど抵抗無く見られ、様々なアイデアが盛り込まれ、例えば修道士の扱いかた(さりげなく彼が先王であることを感じさせたりする)やバレエ音楽を使ってエボリの夢を無言劇として、喜劇的に演じてみせるなど楽しめるという点では面白く思います。同じ時期にイタリア語版の違う演出も上演されていましたが、現在ではこのフランス語版は無くなってしまったようです。一度観てはいかがでしょうか。

uran さん | 大阪府 | 不明

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人物・団体紹介

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ヴェルディ(1813-1901)

1813年10月10日、ジュゼッペ・フォルトゥニオ・フランチェスコ・ヴェルディは、カルロ・ヴェルディの10番目の子供として、ブッセート近郊レ・ロンコーレに誕生。この頃は政情が不安で、翌年1月には同地にロシア軍が侵攻しています。生家は旅館兼居酒屋を営み、宿泊客の旅芸人の音楽に幼少から惹かれていたとのこと。1821年、父親からスピネットを買ってもらい、やがてピエトロ・バイストロッキにオルガンの奏法も習

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