Blu-ray Disc 輸入盤

『パルジファル』全曲 ヴィック演出、ヴェルバー&パレルモ・マッシモ劇場、ハバード、レリエ、他(2020 ステレオ)(日本語字幕付)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
759404
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
Blu-ray Disc
その他
:
輸入盤

商品説明


ゆかりの地パレルモで上演されたワーグナー最後の大作『パルジファル』
故グラハム・ヴィックの演出


ワーグナー最後の大作『パルジファル』。彼の死後30年間(1913年まで)バイロイト祝祭劇場に独占上演権が与えられていた作品ですが、以降世界中の劇場で上演されています。ワーグナー自ら「舞台神聖祝典劇」と銘打ったこの作品は、中世スペインのモンサルヴァート城を舞台に、磔刑に処せられた十字架上のイエス・キリストのわき腹を刺したとされる「聖槍」とキリストが最後の晩餐に使ったとされる「聖杯」を巡る、「救済」をテーマとした物語。
 今回リリースされるのは、イタリア、パレルモにあるマッシモ劇場で2020年1月に上演された際の映像。パレルモの地はこの『パルジファル』とゆかりがあり、ワーグナーがパレルモのホテル(グランド・ホテル・エ・デ・パルメ)に1881年〜1882年にかけて長期滞在していた際に作品を完成させました。またパレルモに滞在中のワーグナーを訪ねてやってきた画家のルノワールがワーグナーの肖像画を描いたのも同ホテルとのこと。
 指揮は、イスラエル出身の指揮者オメール・メイア・ヴェルバー。2020/21シーズンよりマッシモ劇場の音楽監督を務めており、『パルジファル』という挑戦的な演目でデビューを飾りました。また2022/23シーズンからはウィーン、フォルクスオーパーの音楽監督に就任することも決まっている今最も注目される若手指揮者のひとりです。
 そして演出は、世界中の歌劇場で活躍するイギリス人演出家のグラハム・ヴィック。日本では、1995年のサイトウ・キネン・フェスティバル松本『放蕩者のなりゆき』、1996年のフィレンツェ歌劇場日本公演『ランメルモールのルチア』、2003年のミラノ・スカラ座日本公演『マクベス』『オテロ』、2013年新国立歌劇場『ナブッコ』などを手掛けたこともある名演出家。2016年にマッシモ劇場で『ニーベルングの指環』を演出しており、マッシモ劇場が近年積極的に取り組んでいるドイツ・オペラのレパートリーの拡充に一役買っています。しかし2021年7月17日、新型コロナウィルス感染症により67歳で逝去。数多くのプロダクションを手掛け、世界で最も活躍している現役演出家だっただけに、その死は大変惜しまれます。
 歌手陣は、タイトル・ロールにアイルランド・ダブリンを拠点に活躍するテノール歌手ジュリアン・ハバード、クンドリには優れたワーグナー歌手として注目のフランスのソプラノ歌手キャサリン・フーノルト。アンフォルタスはドイツ・オペラを中心に大活躍のトマス・トマソンという実力派が揃っています。(輸入元情報)

【収録情報】
● ワーグナー:『パルジファル』全曲


 ジュリアン・ハバード(テノール/パルジファル:無知で無垢な若者)
 ジョン・レリエ(バス・バリトン/グルネマンツ:老騎士)
 トマス・トマソン(バリトン/アンフォルタス:聖杯の城の王)
 キャサリン・フーノルト(ソプラノ/ クンドリ:聖杯の城の女使者)
 トーマス・ガゼリ(バス・バリトン/クリングゾル:魔法使い)
 アレクセイ・タノヴィツキ(バス/ティトゥレル:アンフォルタスの父)、他
 パレルモ・マッシモ劇場合唱団(合唱指揮:シロ・ビスコ)
 パレルモ・マッシモ劇場児童合唱団(合唱指揮:サルヴァトーレ・プントゥロ)
 パレルモ・マッシモ劇場管弦楽団
 オメール・メイア・ヴェルバー(指揮)

 演出:グラハム・ヴィック
 舞台:ティモシー・オブライエン
 衣装:マウロ・ティンティ
 照明:ジュゼッペ・ディ・イオリオ
 動作指導:ロン・ハウエル

 収録時期:2020年1月26日
 収録場所:パレルモ、マッシモ劇場(ライヴ)

 映像監督:ティツィアーノ・マンチーニ
 収録時間:225分
 画面:カラー、16:9、1080i Full HD
 音声:PCMステレオ、DTS-HD MA 5.1
 歌唱:ドイツ語
 字幕:独英韓日
 BD50
 Region All

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イタリアの地方劇場ながら意欲的なプロダク...

投稿日:2022/09/09 (金)

イタリアの地方劇場ながら意欲的なプロダクションで知られるシチリア島のパレルモ・マッシモ劇場での上演。2001年の『ルル』(録音のみ)、2008年の『メフィストーフェレ』ではオケがかなり頼りなかったが、2014年の『フォイヤースノート』はとても良く、演奏水準が飛躍的に上がっていることがうかがわれる。このディスクでも最大の聞きものはヴェルバーの素晴らしい指揮。きわめてテンポが速く、響きの透明度が高い。第1幕は約91分、第2幕62分、第3幕65分。CDではブーレーズ、ケーゲルに近い印象だが、各楽器の音がブレンドされず、ダイレクトに出てくるので一段と尖鋭だ。歌手陣ではレリエのグルネマンツが出色。老人ではなく、まだ男盛りなのも、久しぶりに本当に「いい人」として描かれた演出の趣旨に合っている。トマソンのアムフォルタス、ガゼリのクリングゾールも良い。ハバードは前半のやんちゃ坊主風のところが特に良く、全体としてはまあまあの題名役。フーノルトのクンドリーは残念ながら存在感薄い。 COVID-19のため、惜しくもこれが遺作となってしまったヴィック演出は典型的な現代化演出。舞台は現代の中東とおぼしき砂漠地帯。ヘアハイム演出のように精巧無比な舞台を見てしまうと、他の演出にはどうしても点が辛くならざるをえないが、バイロイトのラウフェンベルク演出と似たところはあるものの、あれに比べれば、あらゆる点で遥かに上。奥行きの深い舞台の特徴を生かすべく、舞台奥に幕を設置、グルネマンツの物語の間には説明的な影絵を、両端幕の間奏曲では象徴的な影絵を見せる。第1幕の聖餐式には(ただのマグカップだけど)一応、聖杯も出てくるが、アムフォルタスの血を飲んだ聖杯騎士こと兵士たちがそれぞれナイフで自分の腕に切りつけるなど、宗教的オルギアの様相が濃い。第1幕でのクンドリーはヒジャブで全身を覆ったムスリムとして表象され、諸宗教の抗争と和解が演出のテーマだが、その描き方も良い。「聖金曜日の音楽」の見せ方も美しいし(このあたり、ラウフェンベルクがひどすぎるんだけど)、最後、クンドリーはもちろん死なず、パルジファルが取り出した聖杯の覆いの中には何もない、聖杯は空っぽだという仕掛けに至るまで、実に好感の持てる演出。

村井 翔 さん | 愛知県 | 不明

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