CD 輸入盤

『パルジファル』全曲 ケーゲル&ライプツィヒ放送響、コロ、アダム、他(1975 ステレオ)(3CD)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BRL95120
組み枚数
:
3
レーベル
:
:
Holland
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

ワーグナー『パルジファル』全曲(3CD)
ケーゲル&ライプツィヒ放送交響楽団、コロ、アダム、他


ケーゲルの名盤がブリリアント・クラシックスから登場。

【許光俊の言いたい放題「ケーゲルのパルジファル」】
「パルジファル」というと、クナッパーツブッシュとカラヤンが昔から大人気だ。ご多聞に漏れず、私も初めて買ったのは、前者のLPだった。
 けれども、どうもしっくりこなかった。本当にこれすごいの?という疑問が消えなかった。人は神秘的だの深淵だの荘重だのと言っていたが、たいしてそうは聞こえなかったのだ。今になるとはっきりしているが、昔は他に「パルジファル」の魅力的な演奏がなかった。安易な本場主義と重なって、事実以上にもてはやされたのだろうと思う。20年ほど前も、まだそのレベルの受容が生き残っていたのである。
 カラヤンのほうも、重ったるくて好きになれなかったので、この作品にはさして興味が持てなかったが、ようやくこれは、と思ったのは、人に教えられて聴いたブーレーズのバイロイト・ライヴである。クナッパーツブッシュやカラヤンに比べると著しく人気がなかったが、実はすばらしい演奏である。先入観によらず、純粋に美しい、端正な音楽として作品を堪能できる。作品の見事さでなく、演奏の見事さで楽しめる音楽である。見通しのよい響き、もたれないフレージング、作品がはるかにスマートに聞こえる。「実は、ブーレーズの「パルジファル」ってすごいんだよね」と考える人たちは本当は少なくないが、どういうわけか自分からそうは言い出さないようだ。
 しかし、そのブーレーズにも増して、ケーゲルの録音には魅了された。初めて発売されてから、もう十年近く立つだろうか。この作品があまり鮮明な姿で目の前に現れたように思えて、高橋源一郎の書名をもじって「こんなにわかっていいのかしら」という文章を書いた覚えたがある。
 今回、レーベルを変えて再登場したので改めて聴いてみたが、やはりものすごくいい。ケーゲルは近頃いろいろなライヴが発掘された。日本での最晩年の演奏とか、ショスタコーヴィチとか、魅力的なものが陽の目を見た。けれども、今なお、「パルジファル」はケーゲルの最高の演奏のひとつであり続ける。
 ともかく、オーケストラの響きが明晰をきわめ、かつ美しい。ほのかに青がかかったガラスのような響きだ。まったく曖昧なところがない。バス声部はもったいぶらず、いきいきと動き、響きはたっぷりしたままに軽快ですらある。だから、全体が精悍で引き締まった印象になる。今回はCD3枚になっているが、とても快適なテンポである。鈍くならない。押しつけがましい和音で威圧したりしない。アンフォルタスの苦しみを表す場面など、しばしば引きずるような演奏になりがちだが、全然そうではない。ひとことで言えば、自分の視力がよくなった気がする。
 1970年代の脂がのった名歌手の競演もすごい。若々しい美声で全体を歌い通すコルトのグルネマンツ。コロの凛としたパルジファル。このふたりの力によって、「パルジファル」がまるでベルカント・オペラのように快楽的なものになる。第1幕など、事実上、グルネマンツのための音楽だが、惚れ惚れと聴ける。おいしい水のように楽々と体の中に入ってくる。
 それに合唱もすばらしく鍛錬されていて、黄金のハーモニーを聞かせるのだ。
 極端な話、ストーリー、思想を知らずともよい。ただただ音楽の見事さに身を浸すだけで満足感を得られる演奏だ。オーケストラ、ソロ歌手、合唱、ここまでの水準で揃った録音は他にない。音質もいい。
 つまり、ケーゲルの「パルジファル」は、重々しさに欠けていないのに躍動感があり、感覚的に磨かれているのに皮相ではなく、明晰でありながら味気なくならず、・・・そういう妙なるバランスを持っている。驚いたことにライヴ録音だが、おそらくこの演奏会のためにたいへんな準備がなされたことであろう。
 少し前、クーベリックのライヴ録音が発売された。それについてもこのホームページで書いたけれど、今のところ、あれとこれが、私にとっては双璧の「パルジファル」である。

(きょみつとし 音楽評論家、慶応大学教授) 

【収録情報】
● ワーグナー:舞台神聖祝祭劇『パルジファル』全曲

 第1幕:95分 第2幕:60分 第3幕:66分
 パルジファル:ルネ・コロ
 アンフォルタス:テオ・アダム
 グルネマンツ:ウルリヒ・コルト
 ティトゥレル:フレート・テシュラー
 クリングゾール:ライト・ブンガー
 クンドリー:ギゼラ・シュレーター
 第1の聖杯騎士:ホルスト・ゲプハルト
 第2の聖杯騎士:ヘルマン・クリスティアン・ポルスター
 第1の小姓:エリザベート・ブリュエル
 第2の小姓:ギゼラ・ポール
 第3の小姓:ホルスト・ゲプハルト
 第4の小姓:ハンス=ユルゲン・ヴァッハスムート
 第1の花の乙女:エリーザベト・ブロイル
 第2の花の乙女:レギーナ・ヴェルナー
 第3の花の乙女:ギゼラ・ポール
 第4の花の乙女:ヘルミ・アンブロース
 第5の花の乙女:ヘルガ・テルマー
 第6の花の乙女:イルゼ・ルートヴィヒ=ヤーンス
 アルト独唱:インゲボルク・シュプリンガー
 ライプツィヒ放送合唱団
 ベルリン放送合唱団
 ライプツィヒ放送交響楽団
 ヘルベルト・ケーゲル(指揮)

 録音時期:1975年1月11日
 録音場所:ライプツィヒ、コングレスハレ
 録音方式:ステレオ(アナログ/ライヴ)
 原盤:EDEL (Berlin Classics)

総合評価

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最初の一音から神々しい。ケーゲル盤に取り...

投稿日:2020/09/28 (月)

最初の一音から神々しい。ケーゲル盤に取り憑かれると他の盤が俗ぽっく響いて、聞くに堪えないことも。数年前、ルネ・コロ氏の最後のリサイタル後、この盤にサインをねだると驚いた様子で、「これは、ベーム盤ですか?」と予想外の反応が。「東ドイツで録音されたケーゲル盤ですよ」というと、ニッコリと笑みを浮かべてサインしてくれた。家宝として大切にしています。コロさん、いつまでもお元気で。

JAZZMAN さん | 神奈川県 | 不明

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従来からレヴューの評価が高かったので興味...

投稿日:2015/08/21 (金)

従来からレヴューの評価が高かったので興味があり購入。録音は上の部類でしょうか。演奏は第1幕の前奏曲からして早めのテンポなので驚きました。でもスッキリした感触です。歌手も大物が揃っており期待通りでした。CD3枚にまとまっており鑑賞上便利でした。

ルシータ さん | 東京都 | 不明

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投稿日:2014/12/22 (月)

レビューの高さにつられて購入。諸氏の言われる「明晰さ」に納得しました。対極にあるクナ51年盤との間に、すべての演奏が存在する感じです。

ハチロク さん | 群馬県 | 不明

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