CD 輸入盤

『ニーベルングの指環』全曲 ヨゼフ・カイルベルト&バイロイト、ヴィントガッセン、ヴァルナイ、ホッター、グラインドル、他(1955 ステレオ)(14CD)

ワーグナー(1813-1883)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
SBT141412
組み枚数
:
14
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


カイルベルト&バイロイト/ワーグナー:ニーベルングの指環

世界初のステレオでの『ニーベルングの指環』の録音は、1958年から1965年に行われたショルティ/カルショウによるスタジオ・セッションではありません。1955年夏のバイロイト・ライヴが、なんと全編ステレオで残されていたのです。
 指揮はヨゼフ・カイルベルト。プロデューサーは、当時まだヴィクター・オロフの助手だった若き日のピーター・アンドリー(後に「アート・オブ・コンダクティング」にも出演)が務め、エンジニアは辣腕ケネス・ウィルキンソンと、技術力のロイ・ウォレス、そしてまだ若かった後の天才エンジニア、ゴードン・パリーがアシスタントというデッカ気鋭のチームにより、ステレオ録音そのものが大変珍しかった時代に、『指環』全曲のライヴ・レコーディングがおこなわれていたのです(ちなみにピーター・アンドリーは、オロフと共にこの3ヵ月後にはウィーンのムジークフェラインでベームの『影のない女』のステレオ録音をおこなっています)。
 ノイマンM49マイクロフォン6本を使用してのここでの録音は、しかしながらある意味「賭け」でもありました。一回設置されたマイクは一度演奏が始まれば二度と触れることができなかったからです。6本のうちの3本は、照明固定用のバーに一緒に吊り下げられ、舞台上20フィートにありました。それらが集約されたのが、ロイ・ウォレスの設計した6チャンネル・ミキサーST2。そして2台のAEG TR9テープ・レコーダーに、ヴィントガッセン、ホッター、ヴァルナイなど、そうそうたるワーグナー歌手たちの競演と、カイルベルトが指揮するオーケストラが醸し出す、バイロイト祝祭劇場の独特なサウンドがステレオで収められたのです。
 一連の試みは、奇跡的としか言いようのないほど成功し、近年の録音と言われれば信じてしまうばかりの瑞々しさで、半世紀前の『指環』を今に伝えているとのこと。
 1955年の夏、『指環』は2チクルス演奏されました。デッカのこの実験的な試みは、1回目のチクルスを録ることにあったといっても過言ではありません。2回目も歌手の変更以外のところではバックアップに使えたのですが、基本的には本番とオーケストラ・リハーサル及びゲネラルプローベの時のテープだけでマスター・テープは完成されています。
 しかしながら、周囲の思惑や、EMIまで含んだ複雑な契約上の問題で、この『指環』がリリースされることはありませんでした。ひとつにはプロデューサーのピーター・アンドリーが、ボスのヴィクター・オロフと共に録音の翌年にはEMIに移ってしまったことが挙げられるでしょう。オロフの後任は、キャピトルからデッカに戻ったジョン・カルショウであり、彼がライヴ録音嫌いであったこと、すでに『指環』のセッション録音の計画を持っていたことが、この『指環』の存在を封印するに充分な要因であったことは容易に想像のつくところでもあります。

【収録情報】
ワーグナー:『ニーベルングの指環』全曲

● 『ラインの黄金』全曲
 ヴォータン/ハンス・ホッター
 アルベリヒ/グスタフ・ナイトリンガー
 ローゲ/ルドルフ・ルスティヒ
 フリッカ/ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィチ
 ファフナー/ヨゼフ・グラインドル
 ファゾルト/ルートヴィヒ・ヴェーバー
 ドンナー/トニ・ブランケンハイム
 フロー/ヨゼフ・トラクセル
 フライア/ヘルタ・ヴィルフェルト
 ミーメ/パウル・クーエン
 エルダ/マリア・フォン・イロシュヴァイ
 ヴォークリンデ/ユッタ・ヴルピウス
 ヴェルグンデ/エリーザベト・シェルテル
 フロースヒルデ/マリア・グラーフ

 録音時期:1955年7月24日
● 『ワルキューレ』全曲

 ジークムント/ラモン・ヴィナイ
 ジークリンデ/グレ・ブロウェンスティーン
 ヴォータン/ハンス・ホッター
 ブリュンヒルデ/アストリッド・ヴァルナイ
 フンディング/ヨゼフ・グラインドル
 フリッカ、グリムゲルデ/ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィチ
 ヴァルトラウテ/エリーザベト・シェルテル
 ヘルムヴィーゲ/ヒルデ・シェッパン
 オルトリンデ/ゲルダ・ラマース
 ゲルヒルデ/ヘルタ・ヴィルフェルト
 シュヴェルトライテ/マリア・フォン・イロシュヴァイ
 ジークルーネ/ジーン・ワトソン
 ロスヴァイゼ/マリア・グラーフ

 録音時期:1955年7月25日
● 『ジークフリート』全曲

 ジークフリート/ヴォルフガング・ヴィントガッセン
 ブリュンヒルデ/アストリッド・ヴァルナイ
 ミーメ/パウル・クーエン
 さすらい人/ハンス・ホッター
 アルベリヒ/グスタフ・ナイトリンガー
 ファフナー/ヨゼフ・グラインドル
 エルダ/マリア・フォン・イロシュヴァイ
 小鳥の声/イルゼ・ホルヴェーク

 録音時期:1955年7月26日
● 『神々の黄昏』全曲

 ブリュンヒルデ/アストリッド・ヴァルナイ
 ジークフリート/ヴォルフガング・ヴィントガッセン
 ハーゲン/ヨゼフ・グラインドル
 グンター/ヘルマン・ウーデ
 グートルーネ/グレ・ブロウェンスティーン
 ヴァルトラウテ、第1のノルン/マリア・フォン・イロシュヴァイ
 アルベリヒ/グスタフ・ナイトリンガー
 ヴォークリンデ/ユッタ・ヴルピウス
 ヴェルグンデ/エリーザベト・シェルテル
 フロースヒルデ/マリア・グラーフ
 第2のノルン/ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィチ
 第3のノルン/ミーナ・ボロティーネ
 バイロイト祝祭合唱団

 録音時期:1955年7月28日

 バイロイト祝祭管弦楽団
 ヨゼフ・カイルベルト(指揮)

 録音場所:バイロイト祝祭劇場
 録音方式:ステレオ(ライヴ)


収録曲   

ディスク   1

  • 01. Das Rheingold (Oper In 4 Bildern) (Gesamtaufnahme)
  • 02. Weia! Waga! (1. Bild)
  • 03. Garstig Glatter Glitsch'riger Glimmer
  • 04. Wallala! Wallala! Lalaleia! Lalaleia!
  • 05. "Lugt, Schwestern!"
  • 06. Der Welt Erbe
  • 07. "Wotan, Gemahl, Erwache! (2. Bild)"
  • 08. Sanft Schlo? Schlaf Dein Aug'
  • 09. "Zu Mir, Freia!"
  • 10. Endlich Loge!
  • 11. Immer Ist Undank Loges Lohn!
  • 12. Ein Ruhenzauber Zwingt Das Gold Zum Reif
  • 13. "H?r, Wotan, Der Harrenden Wort!"
  • 14. Was Sinnt Nun Wotan So Wild?
  • 15. Jetzt Fand Ich's

ディスク   2

  • 01. "Auf, Loge, Hinab Mit Mir!"
  • 02. "Schau, Du Schelm! (3. Bild)"
  • 03. Nibelheim Hier
  • 04. Nehmt Euch In Acht!
  • 05. "Vergeh', Frevelnder Gauch!"
  • 06. Ohe! Ha Ha Ha!
  • 07. "Da, Vetter, Sitze Du Fest! (4. Bild)"
  • 08. Gezahlt Hab' Ich
  • 09. Bin Ich Nun Frei?
  • 10. Fasolt Und Fafner Nahen Von Fern
  • 11. Gepflanzt Sind Die Pf?hle Nach Pfandes Ma?
  • 12. "Weiche, Wotan, Weiche!"
  • 13. "H?rt, Ihr Riesen!"
  • 14. Schw?les Ged?nst
  • 15. Abendlich Strahlt Der Sonne Auge
  • 16. Ihrem Ende Eilen Sie Zu
  • 17. Rheingold! Rheingold! Reines Gold!

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総合評価

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そんなにカイルベルトの指揮ダメかなぁ?「...

投稿日:2014/07/20 (日)

そんなにカイルベルトの指揮ダメかなぁ?「神々の黄昏」第3幕後半の畳掛けるような金管の鋭い咆哮など圧倒的だけど。歌手はヴィントガッセンは全然良くない。棒読みの歌い方で感情が全く入っていない。この人大概そういう感じだけどなんか評価高いよね?まぁ聴く人の感性の違いもあるけど、戦時中のマックス・ローレンツに比べたらヴィントガッセンなど屁のようなもの。とにかくそんなに酷評するほどカイルベルトの指揮・解釈は決して悪くない。それどころか大変素晴らしいと私は思う。

拝一刀 さん | 千葉県 | 不明

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『第一次黄金時代』とは何のことかわからな...

投稿日:2008/05/25 (日)

『第一次黄金時代』とは何のことかわからないが(20世紀初頭・1920/30年代の同音楽祭の水準はより卓抜)、今回Kempe盤が出て卓越した指揮がこの長大な曲を如何に意味深く聴かせる事ができるかを証明してしまった点で、KeilberthにはWandererさんが仰る通り、望む所が多い。Hotter, Neidlinger, Varnay, Uhde, Brouwenstijnは、過去のどの時代に比較しても遜色無いと思うが、歌手も全員偉大とは云えない。Wagnerでは如何せん指揮が最重要でイタリア・オペラの様に歌手だけ聴く訳にはいかない。このdiscのrelease自体は有難く、敢えて粗探しをすればです

Perfect Wagnerite さん | 東京 | 不明

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全曲盤CDを聴いての感想です。55年の、それ...

投稿日:2008/04/08 (火)

全曲盤CDを聴いての感想です。55年の、それもライブ録音ですから、録音チームとしては何かを採り何かを捨てる必要があったでしょう。結局歌手達の声を残すことを優先したようですが、それは大正解。歌手達の見事さをこれほど実感させられる録音を他には知りません。代わりにオケの方は迫力今一つ。カイルベルトの指揮も当初の批評から想像していたよりもずっと早いテンポで淡々としているように感じられます。これは偉大な歌手達を聴くべき録音であると思われます。

エステ荘の噴水 さん | 奥州 | 不明

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