ロット、ハンス(1858-1884)

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CD 輸入盤

交響曲第1番、管弦楽のための組曲への2つの楽章 P.ヤルヴィ&フランクフルト放送交響楽団

ロット、ハンス(1858-1884)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
88691963192
組み枚数
:
1
レーベル
:
RCA
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ハンス・ロット:交響曲第1番
パーヴォ・ヤルヴィ&フランクフルト放送響


ブラームスに貶されて心を病み、25歳で亡くなった作曲家、ハンス・ロットの残した傑作、「交響曲第1番」が、パーヴォ・ヤルヴィ指揮フランクフルト放送交響楽団による演奏で登場します。「管弦楽のための組曲への2つの楽章」も収録。

【ブルックナーの弟子】
ハンス・ロットは1858年ウィーンの生まれ。16歳でウィーン音楽院に入学し、オルガンをブルックナーに学んだほか、ピアノ、和声法、対位法、作曲を修めます。ロットは14才で母を、18歳で父を失っていたため、教会オルガニストとして生活費を稼ぎながら勉学に励むという生活でした。音楽院での友人には、1年遅れて入学した2歳年下のマーラーがおり、彼とは同室だったこともありました。

【作曲コンクール】
在学中の1878年、音楽院で開かれた作曲コンクールに、ロットは交響曲第1番の第1楽章で応募しますが、ブルックナー以外の審査員たちはこれを評価せず、中には嘲笑した者もあり、却下されることとなってしまいます。ちなみにこのとき高く評価され、賞を得たのは、皮肉にも若きマーラーのピアノ五重奏曲の第1楽章でしたが、この作品は後にマーラー自身によって破棄されています。

【ブラームスからの酷評】
その後、1880年に交響曲全曲が完成すると、ロットは今度は指揮者のハンス・リヒターと作曲家のブラームスに見せて、なんとか演奏にまで漕ぎつけようとしますが、ブラームスは作品を徹底的に酷評し、音楽を諦めるべきだと侮辱、このことが原因ともなって、ロットは以後、精神を病むようになります。

【精神病院入院と25歳での死】
それが決定的になるのは、ブラームスによる酷評からほどなく、アルザスに音楽教師の職を得たロットが、旅立つために乗った列車で、「ブラームスがダイナマイトを仕掛けた」などと妄想から騒いで精神病院に収容されることになったという出来事でした。
 ロットはこの後、鬱病となって自殺未遂を繰り返し、小康状態になってからは作曲もおこなっていましたが、やがて憔悴した体は結核に罹り、1884年6月25日、25歳の若さで世を去ることとなってしまいます。葬儀には、才能ある教え子の死を悲しむブルックナーの姿もありました。

【交響曲第1番の復活】
ロットの存命中には演奏されなかったこの作品の楽譜は、オーストリア国立図書館に所蔵されていましたが、1984年、ロット没後100年を契機にイギリスの音楽学者であるポール・バンクスが、草稿やパート譜を精査したうえで作品をよみがえらせています。
 初演はサミュエル指揮シンシナティ・フィルハーモニア管弦楽団によっておこなわれ、CDもハイペリオンからリリース、大きな話題となり、以後、数多くのCDがリリースされることとなります。

【交響曲第1番の内容】
ブラームスの酷評はともかく、作品は実際にはたいへん優れたもので、ブルックナーやワーグナーの影響を感じさせながらも、後のマーラーを予見するような音楽が随所に示されているのも興味深いところです。
 第2楽章後半や第3楽章、第4楽章には、だいぶ後に書かれたマーラーの交響曲第3番や第1番、第5番、第2番などに酷似した部分がありますし、もしかすると、ロットのこの作品が無ければ、マーラーの音楽もずいぶん違ったものになっていたのかもしれません。

【パーヴォ・ヤルヴィ】
最近は発表するすべての作品が高水準といわれるパーヴォ・ヤルヴィ。大編成作品はフランクフルト放送響やパリ管弦楽団、シンシナティ交響楽団、エストニア国立響などと録音しており、中規模作品ではドイツ・カンマーフィルハーモニーと良い仕事をしてきました。
 今回登場するロットの作品では、マーラーの第2番『復活』と第10番アダージョほかをレコーディングしていたフランクフルト放送響と共演しているので、マーラーが引用した箇所を同じオケの演奏で直接比較できる面白さもあります。
 なお、組み合わせは、世界初録音となる『管弦楽のための組曲への2つの楽章』です。(HMV)

【収録情報】
ハンス・ロット:
・交響曲第1番ホ長調
 1.第1楽章 アラ・ブレーヴェ
 2.第2楽章 非常に遅く
 3.第3楽章 明朗に、生き生きと
 4.第4楽章 非常に遅く−活発に
 録音時期:2010年4月15,16日
 録音場所:フランクフルト、アルテ・オーパー

・管弦楽のための組曲への2つの楽章
 1.スケルツォ アレグロ・コン・ブリオ
 2.終楽章 非常に早く
 録音時期:2010年6月29日
 録音場所:フランクフルト、ヘッセン放送ゼンデザール

 フランクフルト放送交響楽団
 パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)

総合評価

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このCDでの演奏時間53分のうち、第4楽章...

投稿日:2014/07/13 (日)

このCDでの演奏時間53分のうち、第4楽章が22分。 第3楽章までは愉しく聴けたが、この第4楽章が冗長。 繰り返し愛聴するか?と言えば否。 悪い曲ではないが、さして面白い曲とは到底思えない。

影の王子 さん | 大阪府 | 不明

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聴けば分かるのですが、音楽とは、基本、パ...

投稿日:2013/05/24 (金)

聴けば分かるのですが、音楽とは、基本、パチリ、真似、いい様に言えば、オマージュ、インスパイアされて、出来上がるものです。特にレコードなんてなかった時代には、もっと頻繁に、行われていた事でしょう。民謡から頂いて来るのは、クラシックでも常套手段だし、そこから、どう思われ、評価されるかで決まってしまう音楽と言う理不尽な世界。どこかで聴いたフレーズが、一杯出てくる、埋もれていた非業の死を遂げた若者の、才能ある作曲家の作品を、堂々録音したパーヴォは流石。N響にやってくる日々が楽しみ。ブラームスに捧げたのか、もう正常でない状態だったのか分かりませんが、そのブラームスに、ケチョンケチョンに言われたショックで、奇行に及んで、精神病院送りになったロット、と言う当時22才の若者の意欲作。音楽で生計を立てるのに苦しんでいたロットの気持ちを、思うと心が痛む。私達が偉いとしている、教科書にも載っている様な作曲家も、明らかに、イカレてると言う人は、沢山います。現代にも、指揮し、演奏してる人だって…。音楽とは、狂気、或いは、一般には、病んでるとされる様な心持ちから、生み出されるのかもしれません。人間、生きていられてこそですが、その証しを、私達は、今、CDと言う形で音楽を聴く事が出来ます。ロットの生きていた時代に、そんな物があれば…。合掌。  人間、自分が生まれ、生きる時代と社会、国、境遇は選べませんから。今、私達は、恵まれている、と、言っていいのか・・・・。

sunny さん | 兵庫県 | 不明

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最初にロットの交響曲を聴いたのはヴァイグ...

投稿日:2012/11/17 (土)

最初にロットの交響曲を聴いたのはヴァイグレ/ミュンヘン放送管弦楽団のCDであった。詳細な資料がついており、たいへん価値のあるCDだが、音楽はなんとなく一貫性のない、支離滅裂なものに感じられ、正直あまりピンとこなかった。しかし、このP.ヤルヴィ&フランクフルト放送交響楽団の演奏を聴いて驚いた。とにかく音楽が最初から最後まで美しく輝いている。(頻用されるトライアングルは音量を抑えて、あまり耳障りにならないよう考慮されている。)この演奏を聴いて、弱冠22歳でこれだけの作品を創り上げたロットが天才であったことが初めて理解できた気がする。完成されてはいないが、ひたすら霊感の赴くままに創り上げられた、極めて純粋無垢で貴重な作品だ。この交響曲がもっと広く演奏されるようになることを望む。

m326 さん | 新潟県 | 不明

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