基本情報
内容詳細
本書は『精神分裂病』から3年後に発表され、前著がハイデッガーの理論を基礎においた現存在分析の方法で、分裂病者の世界を分析しているのに対し、フッサールの先験的現象学にさかのぼって現象学的方法で、うつ病と躁病者の世界を把握しようとする試みである。それは「精神医学的“実存形式”の“人間学的構造”の性格づけのみでは不十分であって、その世界の特性を、その構成に基づいて研究すること」であった。1920年代以後のフッサールの現象学が、精神医学に対してもつ意義を明確に示している。
目次 : うつ病(うつ病の過去視/ うつ病の未来視/ うつ病の苦悩、うつ病の不安、うつ病の自殺衝動)/ 躁病(代表象と相互主観性に関するフッサールの学説/ 共同世界の構造のなかで、躁病者において機能を停止した諸契機の現象学的分析―代表象の障害にもとづいて/ 躁病における、代表象の一貫性と思考の一貫性の機能停止)/ 躁病とうつ病(躁うつの背反性/ フッサールの純粋自我論の、躁‐うつ背反性の本質了解に対して持つ意義)/ 躁病、うつ病、精神分裂病の経験様式
【著者紹介】
L・ビンスワンガー : 1881年スイス、クロイツリンゲンに生れる。家は代々高名な内科医や精神科医を送り出している名家。コンスタンツのギムナジウムを経て、1904年以後ローザンヌ、ハイデルベルク、チューリヒの各大学で医学を学ぶ。学生時代思想的にはカント、ナートルプ、リッケルト、精神医学に関してはボンヘッファー、E.ブロイラー、ユング、フロイトの影響を受ける。1911‐56年私立精神病院の院長。フッサールの現象学、ハイデガーの現存在分析論に立脚した人間学を研究。1966年歿
山本巌夫 : 1927年福島県に生れる。1954年東京大学医学部卒業、精神科医。現在、代々木の森診療所勤務
宇野昌人 : 1931年愛媛県に生れる。1956年京都大学医学部卒業。1960年東京大学文学部哲学科卒業。精神科医。元式場病院院長。2014年歿
森山公夫 : 1934年東京に生れる。1959年東京大学医学部卒業。精神科医。現在、陽和病院名誉院長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
ユーザーレビュー
物理・科学・医学 に関連する商品情報
-
『さかなクンのギョギョッとサカナ★スター図鑑3』6月25日発売 さかなクンの大人気番組の書籍化。魚のさばき方からはく製作りまで、めざせさかなクン! 付録はさかなクン直筆お魚イラスト... |2024年04月09日 (火) 00:00
-
ノーベル賞2022 | 受賞者著作、関連本 今年の受賞者は10月3日(月)から10日(月)にかけて発表されます。生理学・医学賞、物理学賞、化学賞、文学賞、平和賞... |2022年10月03日 (月) 18:30
-
最新研究が示す恐るべき真実『スマホ脳』 睡眠障害、うつ、記憶力や集中力、学力の低下、依存――最新研究が明らかにするのはスマホの便利さに溺れているうちにあなた... |2021年03月15日 (月) 13:00
-
【特集】読んで学ぶ・知る「新型コロナウイルス」「感染症」 今読まれている、新型コロナウイルス・感染症関する本。ベストセラー/医学系専門書/文芸・新書などをご紹介。 |2020年05月19日 (火) 00:00
-
BLSヘルスケアプロバイダーコースの本 病院の内外で実践できる,個人およびチームのBLSスキルを指導する『BLSヘルスケアプロバイダー受講者マニュアル』のほ... |2016年02月10日 (水) 16:45
おすすめの商品
商品情報の修正
ログインのうえ、お気づきの点を入力フォームにご記入頂けますと幸いです。確認のうえ情報修正いたします。
このページの商品情報に・・・