部族の誇り 叢書“エル・アトラス”

ラシード・ミムニ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784801002425
ISBN 10 : 4801002420
フォーマット
出版社
発行年月
2018年10月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
220p;20

内容詳細

アルジェリア独立後、近代化の波は否応なしに辺境の村ジトゥナの部族にも押し寄せてくる。伝統は変わり、生活は便利になり、村は豊かになっていくのか?創建時代からの村の物語、そして部族の命運に関わるエル・マブルーク家の秘密を長老が物語る一大サーガ。

【著者紹介】
ラシード・ミムニ : 1945年、アルジェから三十キロ東に位置するブードゥーアウに生まれ、1995年にパリで没する。アルジェで化学の学士号を取得した後、高等商業学校で教鞭を取る。その後、モントリオールで経営学を学び、アルジェ大学で経済学を教える。1992年の『一般的な野蛮から特殊な原理主義まで』の刊行を機に、イスラーム原理主義者の脅迫にさらされ、タンジールで亡命生活を送る。独立後のアルジェリア社会を批判する作品を多く刊行し、代表作に『鬼女の帯』(1990年、アカデミー・フランセーズ賞)、『生きるべき苦しみ』(1991年)などがある。『部族の誇り』は「フランス・アラブ友情賞」を受賞

下境真由美 : セルジー・ポントワーズ大学(フランス)にて博士号取得(比較文学)。現在、オルレアン大学人文学部准教授。専攻、フランス語圏マグレブ文学、ポスト・コロニアル文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 藤月はな(灯れ松明の火) さん

    フランスから解放されるために起きたアルジェリア独立戦争。しかし、それはアルジェリアにとって、新たな隷属と分断の始まりでもあった。読んでいてアチェベの『崩れゆく絆』やファノンの『地に呪われたる者』を思い出して仕方なかった。貧しくとも地に根付いた時代を知っている語り部とフランス軍に与し、先進国の文化の恩恵を享受した世代との差ができてくるのが辛かった。でもその差もどちらかが間違いだというわけでないのがまた、遣る瀬無さを掻き立てる。そして終盤で明かされる真実へと繋がる構成力は、映画『灼熱の魂』のようだ。

  • taku さん

    フランスの植民地支配から独立したアルジェリア。村の一家と部族の辿った運命を語る老人の言葉から、今に繋がる社会問題が垣間見える。異文化との接触により伝統や価値観は塗り替えられていくが、それ自体は必ずしも不幸じゃない。失われる悲劇とはどのように失われていったかだ。フィクションであっても、アルジェリアという国の記憶の断片を読ませる書。面白いと表現するのは少し違うが惹きつけられた。歴史の遺恨は根深いものだ。

  • らぱん さん

    アルジェリアの敬虔なムスリムの暮らす辺境で老人が部族の成り立ちを語る。村が出来た。国では戦争があり革命があった。貧困から村人の一部が新天地を求め出ていったこともあった。しかし大きな変化を齎したのは近代文明の訪れだ。口承文化独特の語り口で、ある一族の因縁の歴史と村に起きていることの意味が問われる。文化について異なる文化の側からその優劣や幸不幸を判断することはできない。文明をもたらす動機が復讐というさらに捻じれた恰好になっていて結末はやりきれない。人は愚かで間違いも犯す、法律または信仰がその救済になり得るか。

  • ダージリン さん

    老いた語り部が語る回想。アルジェリアの植民地時代から独立戦争後の時代まで部族の歩みを語っていく。否応なく時代は動き、社会や価値観は変わっていく。支配するもの、支配されるものの関係性も変わる。部族の考え方は過去の遺物として省みられず、権力者は増長し腐敗の度を増していく。最後に希望は残し幕を閉じるが、なかなか読み応えがある作品であった。この作品の出版後、著者はアルジェリアのガルシア・マルケスと評されたというが、確かにどこか通ずるところがある。

  • taikikku さん

    イスラム文化の生活や考え方を実感を伴って感じることが出来る稀有な作品。 過酷な環境に生きる人々に根付いて発展してきたイスラム教文化に対し、宗教的には退廃を招く科学経済文化。科学技術は環境を変化させ、急速に衰退する伝統的なイスラム教的生活。 科学技術は強力だが、人々の幸福に寄与しているのだろうか。

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1945年、アルジェから三十キロ東に位置するブードゥーアウに生まれ、1995年にパリで没する。アルジェで化学の学士号を取得した後、高等商業学校で教鞭を取る。その後、モントリオールで経営学を学び、アルジェ大学で経済学を教える。1992年の『一般的な野蛮から特殊な原理主義まで』の刊行を機に、イスラーム原

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