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夏に凍える舟 ハヤカワ文庫

ヨハン・テオリン

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784150019051
ISBN 10 : 4150019053
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2016
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

エーランド島に美しい夏がやってきた。島でリゾートを経営する富裕なクロス一族の末っ子ヨーナスは、海辺で過ごす二年ぶりの夏に心躍らせていた。しかしある夜、ボートでひとり海にこぎだした彼の目の前に、幽霊船が現われる。やっとのことで陸に戻ったヨーナスは、元船長イェルロフのボートハウスの扉をたたく。少年から話を聞いたイェルロフは、不吉な予感を覚える…。一方その少し前、復讐を誓うある男が島に帰りついていた。記憶と思いを丹念に描き上げた、エーランド島四部作をしめくくる傑作ミステリ!

【著者紹介】
ヨハン・テオリン : 1963年スウェーデン、ヨーテボリ生まれの作家。2007年に『黄昏に眠る秋』でデビュー。長篇第二作『冬の灯台が語るとき』で「ガラスの鍵」賞など三冠に輝く

三角和代 : 1965年福岡県生、西南学院大学文学部卒、英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ケイ

    主人公はスウェーデンの小さな島。そこでの、秋から始まり今回の夏で終わる4部作。この夏の話だけを独立したミステリと読めばなかなか悪くないが、シリーズの最後を飾るには些か場違いな感じもする。しかし、前の3作品を読んだものにしかわからない、こっそり楽しめる小話もあるのは、なかなかいい。

  • 紅はこべ

    シリーズラストだが、最近終わったと思ったシリーズが再開という例も多いので、イェルロフにまた会えるといいな。折角生かされた命だから。バック・シャッツと長生き競ってよ。老人と子供というのは文学では相性のいい組み合わせ。児童文学では無邪気な子供が偏屈な老人の心を溶かすというのが多いが、本作ではイェルロフが孤独な少年の友となる。リーサの章は蛇足のように思えたが、これはポーリーナのための章だったのね。北の方の欧州では、ナチスと共にソ連は〈深い疵〉を残しているんだな。

  • どんぐり

    ポケミスNo.1905。スウェーデンのエーランド島が舞台にしたミステリ小説4部作の一冊。秋・冬と来て、春を飛ばして読むヨハン・テオリンのシリーズ最終作〈夏〉。本シリーズの特色である「過去からの呼び声」は、義理の父親と共にこの島を出ていった少年だ。ヨーロッパからの移民の多くがアメリカを目指したのに対して、二人が渡ったのは旧ソ連。スターリン体制下の過酷な体験を経ての半世紀後、少年は老人となって島に戻ってくる。それも復讐のために。その展開は、リゾートを経営する一家との血と地を争うスリルに満ちたもの。→

  • ふう

    エーランド島の短い夏が終わり、この物語、イェルロフの四部作も終わってしまいました。イェルロフの子ども時代から、ミレニアムを迎えるまでの70年…。アジアでも欧州でも悍ましい戦争が起き、ソ連では閉ざされた壁の向こうで心が凍りつくような政治がおこなわれていました。そんな時代を生きた人々が起こした怖ろしいできごとを、イェルロフはじっくり見つめ、縺れた時間の糸をていねいにほどいていきます。ほどけた後に残る、置いていかれた者の寂しさ。伝説の時代を生き、歴史に翻弄されて、いつの間にか人は老いていきます。重厚な作品です。

  • Panzer Leader

    「第181回海外作品読書会」エーランド島シリーズの最終作。イェルロフは最初から出てきて相変わらず鋭い推理を披露してくるし、彼の娘・孫・親戚も僅かながら顔見世があり、一作目の思わぬ人物も登場など最終作に相応しいオールスター・キャスト。エーランドのリゾート地を舞台に展開するミステリーなれど、副主人公たるある人物の人生の遍歴の方が面白く読めた。この二人のやり取りが感慨深く、心に残るラストに痺れた。

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