ヤン・シュヴァンクマイエル

ヤン・シュヴァンクマイエル プロフィール

ヤン・シュヴァンクマイエル | プロフィール | CD、DVD、ブルーレイ(BD)、ゲーム、グッズなどを取り扱う【HMV&BOOKS online】では、コンビニ受け取り送料無料!国内最大級のECサイトです!いずれも、Pontaポイント利用可能!お得なキャンペーンや限定特典アイテムも多数!支払い方法、配送方法もいろいろ選べ、非常に便利です!

1934年プラハ出身であるこの戦闘的シュルレアリストは、旧チェコスロバキアの伝統ある古典的アニメーションを確実に継承しながら、他に類を見ない怪奇と幻想の世界を生み出しアート・アニメーション界にもつ影響の大きさは計り知れず世界的巨匠として君臨しており、近年日本でも人気を集めているブラザーズ・クエイも彼に捧げたアニメーションを制作したほどだ。彼の手法は実写、粘土、オブジェ、ドローイング・アニメ、コマ撮り特撮など実に多岐にわたり、緻密さのあまり1年に15分ほどしか制作することができないという。  

その魅力は映像の強烈なインパクトに尽きる。残酷の意識を抱くまもなくいとも簡単に刻まれ、潰され、腐り、ウジをうごめかせ、バラバラに崩れおちるキャラクターたち。あまりにも過剰なデフォルメは時に恐ろしい笑いを誘う。脳みそにではなく本能に、生理的に襲いかかる悦楽。シュワンクマイエルの有無を言わさぬ魔術には坑いがたい吸引力が秘められている。彼の恐るべきイマジネーションを触発する源は子供時代に抱いていた妄想から生物的・物理的関心(例えば「食べる」行為への執着や生肉の触感など)チェコが辿って来た波瀾の社会的背景、シュルレアリスムを追及する表現方法まで多岐にわたる。一貫して流れるのは現実への不確かさへの懐疑と毒々しい諧謔だ。

ヤン・シュワンクマイエル短篇集 Ansology of Short Films by Jan Svankmajor収録作品・フード Food  1992年  35mm 17分シュワンクマイエルが執着する様々な「食べる」行為をつづる。・石のゲーム A Game With Stone  1965年  35mm 9分時計が12時を告げると始まる石のゲーム。次第に複雑になる動きが楽しい。・ワイズマンとピクニック Picnic With Weismann  1968年  35mm 11分無人の森でモノたちが繰り広げるピクニック。のどかな風景が終盤一転する。・肉片の恋 Meat Love  1989年  35mm 1分愛し合う二つの肉片の恋の顛末を描く。・フローラ Flora  1989年  35mm 24秒野菜で出来た人間が徐々に腐り果てる様を描く。・アナザー・カインド・オブ・ラブ Another Kind of Love  1988年  4分ストラングラーズのボーカルだったヒュー・コーンウェルの同名曲のビデオクリップ。ヒューが目まぐるしく粘土に変身。・スターリン主義の死 The Death of Stalinism in Bohemia  1999年  11分スターリン主義を鮮烈に皮肉った作品。他の作品にも通底する現実社会への懐疑が最もストレートに表明されている。・プラハからのものがたり Tales From Prague  1994年  35mm 26分ドキュメント:ヤン・シュワンクマイエル監督:ジェイムス・マーシュシュワンクマイエルの軌跡をたどる記録映画。

ファウスト Faust ゲーテに代表される「ファウスト伝説」はもともと世俗的欲望に溺れた人間が悪魔によって地獄に堕されるという民間伝説だった。シュワンクマイエルの「ファウスト」はさしたる欲望ももたないごく普通の男がふとした偶然により何かに操られるように罠にはまっていく悲劇。誰もがいとも簡単に操られてしまう恐ろしさ、秘められたメッセージは超現実的なキャラクターと語り口にもかかわらず、極めて現実味を帯び言いようのない迫力でせまってくる。まさにシュワンクマイエルの独壇場だ。彼は実写、粘土細工、ドローイング・アニメーション、コマ撮り特撮など多くの手法を駆使しているが「ファウスト」では人間がしゃべる様子をコマ撮りにする新しい試みを取り入れている。メフィストがファウストに姿を変えて話すシーンがそれだ。粘土人形ではよく目にするがその方法を基に俳優で撮影したと言う。“謎の地図に導かれ一軒の家に辿りついた男は、地下室で埃まみれとなった「ファウスト」の台本を見つける。芝居の衣装を身に着け冒頭部分を朗読するうち男は不思議な世界へと迷い込む…。”シュールかつシャープに描かれた迫力ある長篇作品。

%%message%%