移民の記憶 マグレブの遺産 叢書“エル・アトラス”

ヤミナ・ベンギギ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784801002449
ISBN 10 : 4801002447
フォーマット
出版社
発行年月
2019年09月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
227p;20

内容詳細

マグレブ諸国からフランスに単身でわたり、悲惨な住環境で働く“父たち”。自国の伝統と異国への統合の軋轢に苦しむ“母たち”。ふたつの文化のあいだで自らのアイデンティティを問い直す“子どもたち”。マグレブ移民たちが直面した困難な現実を、三部構成のインタビューによって重層的に可視化した傑作ノンフィクション。

目次 : 1 父たち(キキ―ヴィクトル・ユゴーのフランス/ アブデル―重なる不当な仕打ち/ アフメド・ブーラス―メダルの裏側/ ハムーとマフムード―旧従軍兵士)/ 2 母たち(ヤミナ―ノートに綴った日記/ ゾフラ―ほかの人たちより頭が悪いなんてことはない/ ファトゥマとアフメド―「ポーランド」の貨車/ ジャミラ―埋葬の地)/ 3 子どもたち(ファリード―仮住まい団地/ ムンシ―言葉の力/ ワヒーブ―大きなお兄さん/ ナイーマ―知らぬまの修道院への誘惑/ メリエム―虐げられた人の弁護/ ワルダ―ブールの行進)

【著者紹介】
ヤミナ・ベンギギ : 1955年、北仏リール生まれ。両親はアルジェリア人。映画監督、作家。外務大臣付フランス語圏担当大臣、パリ市助役を歴任後、現在は“ヨーロッパのためのロベール・シューマン協会”会長

石川清子 : 千葉県生まれ。ニューヨーク市立大学大学院博士課程修了。博士(フランス語・フランス文学)。現在、静岡文化芸術大学教授。専攻、現代フランス文学、フランス語圏マグレブ文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

ユーザーレビュー

総合評価

☆
☆
☆
☆
☆

0.0

★
★
★
★
★
 
0
★
★
★
★
☆
 
0
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0

読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

powered by

  • ケイ さん

    とても静かで穏やかな語り。第二次大戦後、復興する産業のために人手不足となったフランスに、国家的プロジェクトによりアルジェリア、チュニジア、モロッコから若い男たちがやってきた。ただ労働するためだけの暮らし。文盲で、フランス社会に居場所はない。彼等は、許された休暇中に故郷に帰って妻を持つ。妻たちは義理の親と住み、子供を育てる。国の政策の転換で夫の元に移住すると、慣れない生活に苦労するも、のろわしい因習からは解き放たれる。そして、フランスでしかもう暮らせない子供たち。作者は女性。確かに女の視点がここにはある。

  • きゅー さん

    フランスで生きるマグレブ移民へのインタビュー集。この一冊を読めば、現在のフランスの移民問題の根幹が理解されるのではないだろうか。第二次世界大戦後のフランスは、安価な労働者を求め、当時まだフランス領となっていたアルジェリアで大量の労働者を徴集する。彼らは劣悪な環境で働かされ、既婚者であっても妻や子どもの帯同は許されなかった。1962年にアルジェリアが独立するなどして、家族の帯同が許されるようになるも、政府は念入りに、彼らが不要になった場合には、可否なくアルジェリアへ送還できるように手続きを整えていた。

  • uniemo さん

    昔在欧していた時娘の保育園のママ友が中東の移民の方で、本に出てくるような団地に遊びに行っていたので表紙の写真にひかれました。まずは単身でフランスに労働者として雇用された北アフリカの男性、最初は1年のうち限られた日数しか一緒に暮らせなかったのに突然家族合流が許され夫の元に来ることになったその妻たち、最後にフランスで生まれたり、幼少からフランスで育った子供たちのインタビュという3部構成で移民の歴史を語っています。親達にとっては異国が自分の祖国となる子供達はどのように価値観を構成していくのか考えさせられました。

  • qoop さん

    都市郊外に旧植民地の出稼ぎ家族を住まわせ、見ないふりを続けて来たフランスのあまりにも露骨な暗部。本書はそこに光を当て、アルジェリア移民の第一、第二世代への聞き取りを行った労作。城壁で以って物理的に都市の内と外を区別してきた欧州各国の歴史的事情を鑑みても、未だに郊外を都市の外側=異物として扱っているフランスの前時代性は凄まじく感じられる。いったいフランス人とは誰で、都市とは誰がどう住まう場所なのか。個別の問題だが、多分に普遍性を含んだ問いだろう。

  • ori さん

    経済成長著しく人手不足時には移民を募集してまで呼び寄せ劣悪な職場・住環境・低賃金でいいように使い不景気になると故郷に帰れという政策を出す。声なき者達は利用されるだけ。言葉も不自由で生活環境も文化も違う世界で声を持てない親世代と、そこで生まれ育った子達の悩みや苦しみが違うのはどの国のどの移民にも共通だけど、フランスの政策に翻弄され歯車のように使い潰される父親世代の話はマッド・ジャーマンズを思い出す。当時の欧州先進国は似たようなことをしてたのか…→

レビューをもっと見る

(外部サイト)に移動します

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

ヤミナ・ベンギギ

1955年、北仏リール生まれ。両親はアルジェリア人。映画監督、作家。外務大臣付フランス語圏担当大臣、パリ市助役を歴任後、現在は“ヨーロッパのためのロベール・シューマン協会”会長

プロフィール詳細へ

文芸 に関連する商品情報

おすすめの商品