フランツ・クサヴァー・モーツァルト:ポロネーズ集
かのアマデウス・モーツァルトの末っ子として生まれ、兄弟の中で唯一音楽家の道を歩んだフランツ・クサヴァーによる、当時流行していた「ポロネーズ」。彼は生後4か月余りで父が亡くなったため、父直伝の教育を受けることができませんでしたが、サリエリやフンメルといった当時最高レベルの名声を誇った音楽家たちから指導を受けて育ちました。
ポロネーズというとショパンを想起しますが、18世紀にはヨーロッパで広く流行しており、フランツ・クサヴァーも12曲を残しました。ここで聴かれる劇的な音楽転換や、調性の扱いなどは彼が時代を先取りする作曲家であったことを示しています。とりわけ『6つの感傷的なポロネーズ』はシューベルトやシューマンから高く評価され、ショパンを思わせる作風も含まれます。作品22は更に悲愴な雰囲気を持ち、第4番では半音階的な旋律を交えるなど工夫も。作品26では自由度が増し、なかでも第2番の中間部では陽気な曲想が聴かれます。
英国のピアニスト、ロバート・マーカムはチータム音楽学校でヘザー・スレイド=リプキンに、ジュリアード音楽院でオクサナ・ヤブロンスカヤに師事。現在は王立バーミンガム音楽院で講師を務めながらフランツ・クサヴァー・モーツァルトの研究を行っています。(輸入元情報)
【収録情報】
F.X.モーツァルト:
● 6つの感傷的なポロネーズ Op.17 (1811-14)
第1番ロ短調
第2番ホ短調
第3番ハ短調
第4番ト短調
第5番ヘ短調
第6番ニ短調
● 2つのポロネーズ Op.26 (1824)
第1番ニ長調
第2番ハ長調
● 4つの感傷的なポロネーズ Op.22 (1815-18)
第1番ハ短調
第2番イ短調
第3番ヘ短調
第4番ト短調
ロバート・マーカム(ピアノ)
録音時期:2023年9月1-3日
録音場所:王立バーミンガム音楽院、Bradshaw Hall
録音方式:ステレオ(デジタル)