オラトリオ『エリヤ』全曲　マクリーシュ指揮ガブリエリ・コンソート＆プレイヤーズ（２ＣＤ）

メンデルスゾーン：『エリヤ』
ポール・マクリーシュ
ガブリエリ・コンソート＆プレーヤーズ
セルパンなど珍しい楽器を加えた120人以上のオケと
300人以上のコーラスによる大編成演奏！

ルネッサンスやバロック音楽で高い評価を得てきたマクリーシュ指揮ガブリエリ・コンソート＆プレーヤーズですが、近年はベルリオーズのレクィエムなど新たなレパートリーにも挑戦し、その表現力の幅広さを活かして積極的な活動を展開中。
　今回登場する『エリヤ』は、2011年8月28日、ロイヤル・アルバート・ホールでおこなわれたプロムス公演での大成功の翌日、8月29日から9月1日にかけてワトフォードのコロシアムでセッション・レコーディングされ、さらに『エリヤ』初演のホールでもあるバーミンガム・タウン・ホールで翌年2月26日に仕上げられたというもの。
　メンバーはプロムスのときと同じですが、セッションのため音響条件が良く、特殊楽器などもよく聴きとれるのがポイントとなっています。

【マクリーシュ自身による作品研究】
『エリヤ』は、メンデルゾーン自身の指揮によってバーミンガムで世界初演されたというイギリスと縁のある作品で、各地で再演を繰り返すうちにいろいろと変更が加えられたことでも知られています。
　マクリーシュはさまざまな作品の演奏で、時代考証に力を入れてきましたが、この『エリヤ』でも、メンデルスゾーン研究家、R・ラリー・トッドの校訂譜と、19世紀当時のソースをベースとして自身の手で校訂を加えた「マクリーシュ版」を使用し、作品の細部まで手中に収めた入念な解釈を聴かせてくれます。

【大編成＆特殊楽器】
『エリヤ』は、当初から大きな編成で演奏されていたという歴史的事実に鑑み、ここでは、ガブリエリ・コンソートとヴロツラフ・フィルハーモニー合唱団、チータム室内合唱団、ノース・イースト・ユース合唱団、タプロー・ユース合唱団、アルスター・ユース室内合唱団が演奏に参加、300人を超える規模の合唱団を形成。
　オーケストラもそれに見合う大規模なもので、セルパンにオフィクレイド、バス・オフィクレイドといった古い管楽器の参加が、120人以上という巨大オーケストラのサウンドをより個性的なものとしています。

【マクリーシュ＆ガブリエリ・コンソート】
イギリスの古楽指揮者ポール・マクリーシュは、1960年ロンドンの生まれ。最初、チェロを学びますが、マンチェスター大学在学中に古楽に覚醒、1982年にガブリエリ・コンソート＆プレイヤーズを結成します。
　「ガブリエリ・コンソート」は室内合唱団、「ガブリエリ・プレイヤーズ」は古楽器アンサンブルで、ガブリエリやモンテヴェルディなど、ルネッサンスとバロックの演奏活動で声望を高め、1989年にはカリッシミの作品集により、イギリスのメリディアン・レーベルよりCDデビューしています。
　そして翌1990年、ヴァージン・クラシックスからリリースされた本アルバム「ヴェネツィアの戴冠」では、荘厳な美しさに満たされた独特の空間構築が各国で話題となりました。
　その後、1993年には、モンテヴェルディやカヴァッリ、マリーニなどの作品を集めたアルバム「ヴェネツィアの晩課」が英グラモフォン賞を受賞して大きな注目を集め、2002年には、バッハの『マタイ受難曲』で、各パート１人に切りつめた合唱でさらに知名度が高まることとなります。（ＨＭＶ）

【収録情報】
・メンデルスゾーン：オラトリオ『エリヤ』Op.70（英語版）
　ローズマリー・ジョシュア（ソプラノ）
　サラ・コノリー（メゾ・ソプラノ）
　ロバート・マーレイ（テノール）
　サイモン・キーンリーサイド（バリトン）
　ジョンティ・ワード（トレブル）、
　ウィリアム・ホワイトヘッド（オルガン）
　ヴロツラフ・フィルハーモニー合唱団
　チータム室内合唱団
　ノース・イースト・ユース合唱団
　タプロー・ユース合唱団
　アルスター・ユース室内合唱団、
　ガブリエリ・コンソート＆プレイヤーズ
　ポール・マクリーシュ（指揮）

　録音時期：2011年8月29日−9月1日、2012年2月26日、
　録音場所：ワトフォード・コロシアム（2011年）、バーミンガム・タウン・ホール（2012年）
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）