パチンコ 下

ミン・ジン・リー

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163912264
ISBN 10 : 4163912266
フォーマット
出版社
発行年月
2020年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
368p;20

内容詳細

さまざまな苦難に耐えながら、彼らは強く生き抜こうとする。
在日コリアン一家の苦難の物語は戦後へ。
「物語」というものの圧倒的な力を見せつける大作は1989年に幕を閉じる。

劣悪な環境のなかで兄嫁とともに戦中の大阪を生き抜き、二人の息子を育てあげたソンジャ。そこへハンスが姿をあらわした。日本の裏社会で大きな存在感をもつハンスは、いまもソンジャへの恋慕の念を抱いており、これまでもひそかにソンジャ一家を助けていたという。だが、早稲田大学の学生をなったソンジャの長男ノアが、自分の実の父親がハンスだったと知ったとき、悲劇は起きる――

戦争から復興してゆく日本社会で、まるでパチンコの玉のように運命に翻弄されるソンジャと息子たち、そして孫たち。東京、横浜、長野、ニューヨーク――変転する物語は、さまざまな愛と憎しみと悲しみをはらみつつ、読む者を万感こもるフィナーレへと運んでゆく。巻措くあたわざる物語の力を駆使して、国家と歴史に押し流されまいとする人間の尊厳を謳う大作、ここに完結。

【著者紹介】
ミン・ジン・リー : 韓国、ソウル生まれ。1976年に家族とともにニューヨークに移住。イエール大学、ジョージタウン大学ロースクールを経て、弁護士となる。2007年のデビュー作Free Food for Millionairesはイギリスのタイムズ紙で同年のベスト10に選ばれた他、各紙誌で高い評価を受ける。第2作『パチンコ』は、ニューヨーク・タイムズ、ガーディアン、エスクァイアなどの絶賛を受け、全米図書賞の最終候補作となる

池田真紀子 : 1966(昭和41)年、東京都生まれ。上智大学法学部卒業。英米文学翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • starbro さん

    上・下巻、724頁完読しました。本書は、パチンコ業界在日コリアン大河家族物語の秀作でした。今年のBEST20候補です。本書が、韓国や日本(実際はあまりに売れてなさそう)で売れるのは解りますが、アメリカで100万部も売れているのが不思議です。「パチンコ」という言葉も知らないはず。韓国人ロビーストや韓国系アメリカ人が暗躍しているのでしょうか?それともベースにあるキリスト教や人種差別がアメリカ人の心に刺さったのでしょうか? https://courrier.jp/news/archives/110308/

  • 鉄之助 さん

    「なぜなんだ?」小説を読んで、こんなにショックを受けたのは、初めてだった。下巻の主役ノアの自殺は、私にとってはあまりにも唐突。「朝鮮人の血管には、あまりにも多くの怒りや激情が流れている」(249ページ)。「在日コリアン」の心情を思いやる…、そんな想像力が今まで足りなかった自分を思い知った。ノアが具体的にどのような死に方をし、その後家族はどのような生き方を強いられたのか。この小説では詳細が書かれていない。が、それを想像する楽しみを読者に与えてくれていると思うと、読了後の余韻が、これからも続いていく気がする。

  • とん大西 さん

    壮大な家族の物語が終わりました。少女の愛と葛藤の歴史は静かに幕を降ろしました。影島(ヨンド)の厳寒、大阪の喧騒とかおり、麗しき横浜の静謐。冷水を厭わず母を手伝うソンジャがいた。己れの血に耐え忍ぶノアがいた。めげずに前だけを向くモーザスがいた。屈辱も理不尽もあった。かりそめの喜悦と剥き出しの愛情もあった。彼らとともににみた80年、その歴史と未来。深い余韻を残していきました。傑作です。

  • R さん

    意図的にメッセージ性を排除したかのように平板に、さりとて内容は重く、大きな波のように押してくる。自身の出自に悩み、その末のある種の解、破綻とも思えるそれが導かれて、どうするのがよかったのか、どうあるべきだったのかがわからないまま、それでも時間を、残った者は過ごしていく。象徴的なパチンコという商売に、別方向から携わった兄弟それぞれの生き方が印象的だった。民族性のような枠組みに囚われて、そこに属していないという身の上が理解されない、抽象化すれば、ごく近くにある重い悩みのようでもあった。

  • モルク さん

    在日コリアン4世代の後半。二人の息子ノアとモーゼスを苦労して育て上げたソンジャ。ノアは大学生となり真面目に勉学に勤しみモーゼスは高校を中退するも一生懸命に働く。しかしノアは出生の秘密、実父の存在を知り全てを捨てる、そして…。大阪から横浜へ舞台は移り更に長野ニューヨークにも。戦後の復興に揉まれ成功していくモーゼス、がその精神は変わらない。在日であるが故の生きづらさが伝わる。日本人は他人と同じようにすることが美学。そして異分子を外そうとする。その中でたくましく生きてきたソンジャとその家族がいとおしい。

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ミン・ジン・リー

韓国、ソウル生まれ。1976年に家族とともにニューヨークに移住。イエール大学、ジョージタウン大学ロースクールを経て、弁護士となる。2007年のデビュー作Free Food for Millionairesはイギリスのタイムズ紙で同年のベスト10に選ばれた他、各紙誌で高い評価を受ける。本書は第二作で、

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