CD 輸入盤

交響曲第2番『復活』 ラトル&ベルリン・フィル、コジェナー、ロイヤル(2CD)

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
6473632
組み枚数
:
3
レーベル
:
Emi
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

マーラー:交響曲第2番『復活』(2CD)
サイモン・ラトル&ベルリン・フィル


ラトル24年ぶりの再録音となる『復活』の登場。共演はベルリン・フィルとベルリン放送合唱団、そしてマグダレーナ・コジェナーにケイト・ロイヤルという面々です。

【ラトルとベルリン・フィルのこれまでの最上の成果】
2010年10月末におこなわれた『復活』のコンサートはベルリンの批評家たちにも絶賛をもって迎えられた素晴らしい演奏内容でした。以下にベルリン・フィルとHMVジャパンの提携サイト、「ベルリン・フィル・ラウンジ」から批評を転載しておきます。

「舞台は、演奏者で溢れ返っている。彼らの威容は、まるで天を征服しようとするかのようであった。ラトルは力強いテンペラメントで、全身全霊を傾けて指揮した。演奏は、クライマックスからクライマックスにわたる劇的なもので、フィナーレでは燃え尽きるような高揚に達した。聴衆は息を呑んで演奏に耳を傾け、終演後は感激の声を上げた。ソロのコジェナーは、清らかな天上のメゾで〈原光〉を歌った。その歌声は、心に染み入るようだった(11月2日付け『ベルリナー・モルゲンポスト』クラウス・ガイテル)」

「...ラトルの《復活》は、燃え上がるような演奏だった。そこでは世界苦が歌われる。葬送行進曲の後、レントラーで弦が華麗に演奏しても、その曲調は憂愁に満たされている。全ては美しい過去の回想であり、現実は辛く厳しいのである。ピアニッシモで閉じる終結部も、ティンパニーの一撃で鬼神の恐怖を暗示する。コジェナーが〈原光〉で真摯なピアニッシモを聴かせた後、終楽章は天地をひっくり返すような音響で始まった。最後の審判を思わせる音調が鳴りわたり、舞台裏のバンダと響きあう。フルートのさえずりが聴こえると、ベルリン放送合唱団が〈復活するのだ〉と素晴らしい響きで歌いだす。そして響きは陶酔的な高みに至り、勝利の賛歌を歌い上げる。その集中力において、この公演はラトルとベルリン・フィルの最上の成果に数えられるだろう(2010年10月29日付け『ターゲスシュピーゲル』ジビル・マールケ)」

【ラトルのマーラー】
もともと現代音楽からスタートし、近代音楽にも強い愛着を示すラトルにとって、複雑で巨大でありながらも聴衆を深い感動にいざなうことのできるマーラーの音楽は特別なもので、これまでにも交響曲全曲や声楽作品など数多くのマーラー作品をとりあげてきています。交響曲第10番では補筆完成作業にも参加しており、すでに各地で指揮しているほか、レコーディングも2度おこなっているという凝りようで、ほかに第9番も再録音しており、今度の『復活』はEMIで3曲目の再録音ということになります。

【キャリアの節目を飾るマーラー】
ラトルはまた、キャリアの節目にあたる重要な演奏会にはよくマーラー作品をとりあげており、1991年、バーミンガムのシンフォニー・ホール公式落成式や、1998年、バーミンガムを離れる際のお別れコンサートでは『復活』を、1987年にベルリン・フィルと初共演したときには交響曲第6番を、2002年9月にベルリン・フィルの首席指揮者に就任した記念公演のときには交響曲第5番を指揮していました。

【ラトルの『復活』への思い】
「(マーラーの交響曲第2番は)12歳のときに(ジョージ・ハースト指揮の)生演奏を耳にして、指揮をやってみようという気に初めてさせてくれた曲です。マーラーは世界のすべてをひとつの交響曲のなかに詰めこもうと試み、この世界では、無名の英雄たちの死から、美と恐怖が共存する人生の記憶、そして最後の復活と救済までが巡りまわっています。おびただしい演奏者が集う広大なキャンバス上に描かれ、わたしにとっては、あらゆるオーケストラ作品の中で最も心揺さぶられる作品のひとつです」(サイモン・ラトル)

【高水準な合唱】
『復活』は、合唱が用いられる大作ということで、本番に至るまでの合唱指揮者の役割がたいへん重要ですが、ここではラトルの盟友、サイモン・ハルジー(ハルシー)[1958- ]が彼の手兵でもある、ベルリン放送合唱団の指揮を受け持っています。
 サイモン・ハルジーとサイモン・ラトルの良好な関係は、バーミンガムでの長年の共演を経て現在も続いており、録音でも、マーラー『復活』『千人の交響曲』『嘆きの歌』シェーンベルク『グレの歌』や、ブラームスの『ドイツ・レクィエム』ベートーヴェン第九オルフ『カルミナ・ブラーナ』シマノフスキ『スターバト・マーテル』ウォルトン『ベルシャザールの饗宴』エルガー:『ゲロンティアスの夢』ブリテン『戦争レクィエム』といった作品でその成果を聴くことが可能です。
 ラトルのアイデアを実際に形にしてゆくハルジーの存在が、今回の演奏の大きな注目ポイントであることはまず間違いなく、ここでも聖歌のような美しい響きからどこまでも高揚するクライマックスまで完璧なコントロールを示してくれています。

【ベルリン放送合唱団】
演奏のベルリン放送合唱団は、ラジオ放送の誕生から間もない1925年に創立、戦後は名匠ヘルムート・コッホに育てられました。1980年代から、現代音楽も盛んに取上げるようになり、すでに高い評価を獲得しています。2001年からサイモン・ハルジーが指揮にあたり、演奏会にレコーディングに数々の素晴らしい成果を聴かせてきました。

【マグダレーナ・コジェナー】
コジェナーは、1973年チェコ生まれのメゾソプラノ歌手。古楽から近現代作品までとりあげる彼女は、落ち着いたトーンと、表現力豊かな歌唱で世界的に高い評価を得ています。
 マーラー作品では、CDでブーレーズとの『子供の不思議な角笛』があり、映像作品ではアバドとの交響曲第4番&『リュッケルト歌曲集』がリリースされており、どちらでも見事な歌唱を聴かせていました。
 今回の『復活』では、目玉の「原光」で、思い切った表情付けで若きマーラーの熱く振幅の大きな激しい思いを歌い上げていてさすが。ラトルの解釈に完全に乗り切った歌いっぷりです。

【ケイト・ロイヤル】
ソプラノのロイヤルは近年注目を集めてきている1979年生まれのイギリスのリリック・ソプラノ。ここでは作品に求められる澄んだ高音をきちんと出して万全のできばえです。

【ラトル&ベルリン・フィル】
ラトルの『復活』の解釈は旧盤と基本的には同じもので、マーラーが20代終わりから30代前半にかけて完成した作品の熱い表現意欲、ときに極端なまでの振れ幅を見せる若き日の気持ちを大切にしたかのような音楽が印象的。
 旧盤との違いは、要所の調節がさらに巧みになって彫りが深くなり、情報量が増大して大きな流れが形成されるようになった点と、オーケストラの表現力の圧倒的な差にありますが、これにはホールの違いや録音技術の進歩も関わっているものとも思われます。

【優れたライヴ録音】
ベルリン・フィルのデジタル・コンサート・ホールでも生中継されたこの『復活』ですが(アーカイヴはこちら)、収録マイクロフォンやポジションなどは同じと思われるものの、EMIではCD化にあたって複数日のテイクを用いて万全を期しているのがポイント。また、配信よりも大幅にデータ量が多いため、当然ながら音質もずっと良く、打楽器の迫力などかなりのものとなっており、さらに合唱の透明度の高さも増している感じです。
 ライヴ・レコーディングは難しいとされる『復活』ですが、この録音では困難な課題が非常にうまく克服されていると思います。大音量で味わいたい優れた『復活』の登場です。(HMV)

【収録情報】
マーラー:交響曲第2番ハ短調『復活』

 ケイト・ロイヤル(ソプラノ)
 マグダレーナ・コジェナー(アルト)
 ベルリン放送合唱団
 サイモン・ハルジー(合唱指揮)
 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サイモン・ラトル(指揮)

 録音時期:2010年10月28日〜30日
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
 録音方式:デジタル(ライヴ)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. I. Allegro Maestoso

ディスク   2

  • 01. II. Andante moderato
  • 02. III. In ruhig fliessender Bewegung
  • 03. IV. Urlicht. Sehr feierlich, aber schlicht
  • 04. V. Im Tempo des Scherzos. Wild herausfahrend
  • 05. Wieder sehr breit
  • 06. Ritardando...Maestoso
  • 07. Wieder zurckaltend
  • 08. Langsam. Misterioso
  • 09. Etwas bewegter
  • 10. Mit Aufschwung aber nicht eilen

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総合評価

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バーミンガム市立交響楽団の名演がまず思い...

投稿日:2013/01/30 (水)

バーミンガム市立交響楽団の名演がまず思い浮かぶが、これはベルリンフィルという優れた手兵でさらに自在に自分の思うところを描ききっている名演。この録音より少し前のウィーンフィルとの公演をFMで聴いたが、巨匠的に音楽の器が大きくなった。緩急自在なテンポもベルリンフィルやウィーンフィルの技なればこそだろう。響きの美しさ、壮麗さも印象的だ。ただし、バーミンガム盤のような若さゆえの覇気や鮮烈さは薄れており、その意味でも若き日の録音の素晴らしさを再認識させられる。また独唱者はもっと表現力の高い歌手を起用すれば、さらに演奏の質を高めるのに貢献しただろう。

eroicka さん | 不明 | 不明

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さすがはベルリンフィル!うまさはもう舌を...

投稿日:2012/07/08 (日)

さすがはベルリンフィル!うまさはもう舌を巻くばかり。けどなんだろう、完成された物には何かが欠落する。そんな感じがしてなりません。特にその欠落したものこそが、ラトル&バーミンガムの復活には充満していたように思えます。一概に”若さ”だとは結論付けられない何かなのです。

みたけ さん | 不明 | 不明

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サイモン・ラトルという音楽家には、これま...

投稿日:2011/12/17 (土)

サイモン・ラトルという音楽家には、これまで心底感動したと言うことはなかったのですが、この「復活」については1本とられました。 遅めのテンポであらゆる声部に目配りして、丁寧に音楽を作り出していく様は、これまでの多くの音楽家が表現してきたマーラー演奏を全て包み込んでしまうような新しいマーラー様式とでも言うような表現を感じます。また、その指揮に完全に呼応する、ベルリンフィルという超一流音楽家集団の素晴らしさには目を見張ります。美しい木管、力強い金管、しなやかな弦、渾身の一撃で参加する打楽器群など、どこをとっても欠点無です。このオーケストラは、いつもこのような全身全霊の音楽表現をするので、ひと昔前のウィーンフィルと競い合っていたと言う時代とは違って、いまやひとり横綱といった感があります。

youone さん | 東京都 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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