CD 輸入盤

マーラー:交響曲第9番、シノーポリ:『コスタンツォ・ポルタ賛歌』より、他 ジュゼッペ・シノーポリ&シュターツカペレ・ドレスデン(2CD)

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
PALT002
組み枚数
:
2
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


PROFILの名盤をALTUSがリマスター! 爛熟の調性音楽、その先の崩壊。
晩年シノーポリの真骨頂、渾身のマラ9に貴重な自作音源を併録。


2001年、『アイーダ』の公演中に倒れ突然の死を遂げた指揮者ジュゼッペ・シノーポリ。その晩年の至芸を改めて振り返るべく、PROFILレーベルのシュターツカペレ・ドレスデン自選名演シリーズのライヴ音源をALTUSがライセンスして国内盤化。いぶし銀と讃えられたオーケストラの何物にも代えがたい伝家の宝刀と言うべき極上の響きに、シノーポリの偏執響的な細部へのこだわりが組み合わされ、さらにライヴならではの高揚感が加わった至高の名演奏。リマスターにより音質にさらに磨きをかけ、カップリングも再構成しています。
 解説書にはベルリン在住の音楽評論家・城所孝吉氏による2001年当時のシノーポリ追悼原稿を復活掲載。シノーポリのラスト・コンサートとなった『アイーダ』公演の現場に居合わせていた城所氏による、衝撃を抑えきれない迫真の文章は戦慄すら覚える劇的な内容です。
 マーラーはシノーポリ十八番の作曲家で、セッションによるフィルハーモニア管との全集録音も名盤の誉れ高いものです。セッション盤は一種どぎついような神経質さを強調したところがありますが、このドレスデンとのライヴ盤はオケの特徴的な響きも相まって美しい音色と肌触り。とはいえシノーポリならではの細かなコントロールが行き届いており、聴けば聴くほど音楽の深層が見えてくるような、含蓄のある美演を聴かせてくれます。セッション録音との端的な違いの顕れとしては、第1楽章がおよそ5分、アダージョも2分以上と、すべての楽章の演奏時間が拡大した結果、全曲が10分も長くなっていることが挙げられます。マーラーの作曲技法の総決算と言うべき大作第9番を、じっくりと濃密に描き切った至高の名演です。
 カップリングには作曲家シノーポリの作品を収録しており、マーラーの描いた世界のさらに先へ入り込んでいくような感覚にとらわれます。ブックレットには輸入盤所収の楽曲解説の貴重な日本語訳を掲載。シノーポリの作曲家としての一面を知る一助となるでしょう。『ルー・ザロメ』はシノーポリの急死を受けて彼に捧げるコンサートとして演奏されたもの。指揮者ルジツカはシノーポリの友人であり、告別式で追悼の意を述べた人物でもあります。(輸入元情報)

【収録情報】
Disc1
1. マーラー:交響曲第9番ニ長調、第1〜3楽章


Disc2
1. マーラー:交響曲第9番ニ長調、第4楽章
2. シノーポリ:『コスタンツォ・ポルタ賛歌』より第2曲
3. シノーポリ:『愛の墓』III
4. シノーポリ:交響的断章『ルー・ザロメ』


 シュターツカペレ・ドレスデン
 ペーター・ブルーンス(チェロ:3)
 シルヴァン・カンブルラン(指揮:3)
 ペーター・ルジツカ(指揮:4)
 ジュゼッペ・シノーポリ(指揮:1,2)

 録音時期:1997年4月6日(1)、1994年12月20日(2)、2004年3月5,6日(3)、2001年10月6日(4)
 録音場所:ドレスデン、ゼンパーオーパー
 録音方式:ステレオ(ライヴ)
 国内プレス
 日本語帯・解説付

【参考データ(実測値)】
マーラー演奏時間
・シュターツカペレ・ドレスデン(1997)
 32:51+16:54+14:12+28:11=92:08
・フィルハーモニア管(1993)
 28:05+15:08+13:14+25:50=82:17

【評論家レビュー】
連載 許光俊の言いたい放題 第99回より

ドレスデンというと、どうしても端正で、バランスがよく取れていて、それゆえマーラーの絶叫、憤怒、突進、耽溺が交錯する音楽とは相性が悪そうに思える。実際、これほどの名オーケストラでありながら、マーラー録音は異様に少ない
 ところが、だ。このマーラー、実にいいのである。なるほど、金管楽器がバリバリ、弦楽器がキンキンやっているわけではない。このオーケストラらしく、音色は全体として溶け合う方向だ。ワーグナーの「トリスタン」や「パルジファル」あたりを連想すれば、このマーラーがどんなものか、想像できるのではないか。ワーグナー風、あるいはブラームス風とでも形容したくなる美しさを持っているのだ。絶望とか懐疑とかの生々しい噴出ではなく、柔らかでロマンティックなのだ。そのロマンティック度合いも、たとえば同じマーラーの第5番アダージェットみたいなトロトロのネトネトでなく、濃厚でいながら上品さを失わない。絶妙である。
 それなりのクラシック・ファンなら、この曲はもうよく知っているだろう。だが、そんなあなたも知らなかった、気づかなかった独特の美しさが次々に出てくる。官能的なねっとりした味もあれば、東ドイツ時代の音楽みたいな感じもする。第2楽章での木管など、たまらなく懐かしい匂いがする。癒し系とも言えるだろう。シノポリは確かにあれこれ変なことをしている。が、このオケでやってみると、これでもかと突出しないのも意外である。
 フィナーレも期待にたがわぬ美しさ。いや、それ以上だ。弦楽器が分厚く、重厚で、密な響きで心ゆくまでたっぷりと歌う。その音色のなんというすばらしさ。感情の強さ。それと矛盾するような危なげのなさ。強い表現でありながら、あくまで美しくあり続けるのだ。そして、ヴァイオリンの高音部は恍惚とした天上の音楽みたい。これほどまでに陶酔的な演奏はワルターとウィーン・フィル以来かも。ああ、これは生で聴きたかった。たぶんありとあらゆるこの曲のCDの中でも、この演奏が一番好きだと感じる人が多いのではないだろうか。

(きょみつとし 音楽評論家、慶応大学教授) 

ユーザーレビュー

総合評価

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買って良かった。こんなに素晴らしい演奏と...

投稿日:2019/07/06 (土)

買って良かった。こんなに素晴らしい演奏とは想像してなかった。先を急がずじっくりと聴かせてくれる内容。シュターツカペレ・ドレスデンの音はマーラーでもその良さが十分には発揮されている。ライブ録音とは思えぬ旨さ。堪能させてもらいました。 この曲では気分に応じて、ノイマン、ジュリーニ(シカゴSO)カラヤン(ライブ)、シャイーなどを愛聴してきましたがこの一枚も加わりそうです。

ももか様 さん | 北海道 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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