CD 輸入盤

【中古:盤質AB】 交響曲第9番 ラトル&ベルリン・フィル

マーラー(1860-1911)

中古情報

新品ジャケット
こちら ※参考のため、実際の商品と異なる場合がございます
:
AB
特記事項
:
ケースすれ,2枚組み
:
HMV record shop オンライン

基本情報

ジャンル
カタログNo
5012282
レーベル
Emi
USA
フォーマット
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

(こちらは新品のHMVレビューとなります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。また、実際の商品と内容が異なる場合がございます。)


マーラー交響曲第9番
サイモン・ラトル&ベルリン・フィルハーモニー


2007年10月、ベルリンのフィルハーモニーにおけるライヴ録音。全集に収められた録音は、1993年12月にウィーン・フィルにデビューしたときのコンサートを収めたものだったので、今回は14年ぶりの録音ということになります。
 シーズンのオープニングを飾ったこの演奏は「マーラー交響曲第9番の公演は、ベルリン・フィルの指揮者として、サイモン・ラトルの最も素晴らしい業績のうちの1つでした。」とベルリンのZeitung紙で絶賛されるなど、いよいよ佳境に入ったラトルとベルリン・フィルの底力を示すものとして高く評価されていました。
 ベルリン・フィルのマーラー9番といえば、往年のバルビローリ盤(1964/セッション)や、バーンスタイン盤(1979/ライヴ)カラヤン盤(1979&80/セッション)カラヤン盤(1982/ライヴ)アバド盤(1999/ライヴ)という、それぞれに個性的な話題盤がすでに存在しますが、ラトルによる今回の演奏もそれらに十分に伍する強い個性を持った演奏となっています。
 楽器配置は前回のウィーン・フィル盤同様、第2ヴァイオリンが右側に置かれたものですが、音が良いこともあってか情報量がさらに多く、録音が難しいとされるフィルハーモニーでのライヴ収録であることを考えると、このクオリティには驚くほかありません。
 特に第4楽章アダージョにおける空間再現、立体的で奥深い響きの魅力には素晴らしいものがあり、コントラバスが入ったときとそうでないときのコントラストや、艶やかなコンサートマスターのソロから強大なトゥッティに至るまで、ベルリン・フィルならではの高度な表現力と合奏能力を、精緻なパースペクティヴの中で心ゆくまで堪能できる仕上がりとなっています。
 第2楽章でのパロディ色濃厚なアプローチも、情報量が多いだけにウィーン・フィル盤よりもさらに面白くなっており、強烈なコントラバスも効果満点です。
 第3楽章は唯一ウィーン・フィル盤よりも速くなった部分で、エネルギッシュでありながらも細部情報が全部耳に飛び込んでくるという驚異的な精度の演奏が繰り広げられています。
 第1楽章は第4楽章と同じく、ウィーン・フィル盤よりも1分ほど演奏時間が長くなっていますが、これはラトルの求めるものがより深く大きくなっているからでしょう。複雑膨大で錯綜とした情報を立体的なフォルムの中に配置した入念を極めた音の構築は圧倒的ですが、今回はそれだけでなく、「美しさ」の希求という点でもたいへんに印象深いものがあるのです。それはたとえば第1楽章冒頭から主題が形成され始めるとすぐに気づかされることでもあり、以後、変容しながら繰り返される呈示部を通じて、この作品の底を流れる大きな要素のひとつである「美」について、対象モティーフの克明かつ美的な表現によって、構造的な面からも聴き手に徹底的に意識させる演奏がおこなわれているのが実に見事です。
 美しさと構築性を兼ね備えた稀有な情報量を持つ名盤の登場です。(HMV)

【収録情報】
● マーラー:交響曲第9番ニ長調[82:58]
 28:44+15:51+12:32+25:51(実測値)

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 サイモン・ラトル(指揮)

 録音時期:2007年10月24〜27日(デジタル)
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー(ライヴ)
 Producer: Stephen Johns
 Recording Engineer: Mike Clements
 Editors: Simon Kiln & Christopher Franke Production Manager: Kerry Brown

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Mahler: Symphony No.9 [82:58] T:Andante comodo [28:44]
  • 02. U:Im Tempo eines gemachlichen Landlers [15:51]

ディスク   2

  • 01. V:Rondo, burleske [12:32]
  • 02. W:Adagio[25:51]

総合評価

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 マーラーの交響曲第9番の録音史を振り返...

投稿日:2022/01/01 (土)

 マーラーの交響曲第9番の録音史を振り返ると、現在までに最も多く録音しているオーケストラはベルリン・フィルで、その回数は11回である。続いて、ウィ−ン・フィル、ウィーン響、フィルハーモニア管(ニュー・フィルハーモニア)、バイエルン放送響がそれぞれ8回、ニューヨーク・フィルが6回、ロンドン響、南西ドイツ放送響、チェコ・フィル、イスラエル・フィルがそれぞれ5回、コンセルトヘボウとスウェーデン放送響がそれぞれ4回で続いている。シカゴ交響楽団は意外に少なく、ジュリーニ、ショルティ、ブーレーズの3回のみであるが、いずれもオーケストラの実力を遺憾なく発揮した超弩級の名演奏である。日本のオーケストラでは、都響、新日本フィル、大阪フィルがそれぞれ3回で並んでいる。  マーラーの交響曲第9番をベルリン・フィルと録音した指揮者は、バルビローリ、バーンスタイン、カラヤン(4回・非正規盤を含む)、シャイー、アバド(3回) 、ラトルである。ベルリン・フィルによる交響曲第9番の録音は、いずれも話題性に富んでいる。その中でも私が一番に推したいのはラトル盤である。2007年10月24日から27日にかけてのライヴ録音だが、本HMVのサイトでもレビュアー諸氏が賞賛しているとおり、瑕疵のない、まさに完璧な演奏である。ヴァイオリンを両翼に配置して臨んだベルリン・フィルとラトルの集中力が伝わってくる。演奏時間はすべての楽章で中庸であるが、ラトルらしいテンポの緩急のメリハリもある。ラトルとベルリン・フィルの演奏の音楽性は、凡庸さとは無縁である。  第1楽章の呈示部の終局の102小節以降は、総譜にAllegro と指示されているとおり、激しくテンポを速める。私個人としては、Allegro という指示にもかかわらず、あえてテンポを上げない演奏を好むが、ラトルのこの表現は正統であろう。ラトルとベルリン・フィルの凄さは、全編にわたって隙のない緻密な演奏を繰り広げながら、要所要所でマーラーの意図をきわめて的確に表現しているところである。例えば、第1楽章の148小節以降のヴァイオリン(p(p) aber ausdrucksvoll)、163小節以降(Allmahlich fliessender) 、267〜270小節のヴァイオリン(sehr zart, aber ausdrucksvoll hervortretend) 、347小節(molto espress.) 434小節以降(Wieder a tempo aber viel langsamer als zu Anfang 〜 Zogernd)、第3楽章の347小節以降のエピソード、第4楽章の冒頭の2小節(Sehr langsam und noch zuruckhaltend)、56小節(lang gezogen)、122小節のヴァイオリン(viel Bogen)、185小節(ersterbend)などをあげることができる。 (以上、表示の制約のため、Umlaut を省略。)  交響曲第9番は、マーラーが完成した最後の交響曲となった。マーラーが創作力の絶頂期を迎えつつある時に、極度の集中力をもって作曲した最高傑作である。この作品を貫く孤高の精神、圧倒的な強靭さと品格の高さを、ラトルとベルリン・フィルは、知性と感情のバランスをとって、深い共感をもって表現している。録音もディスクの音質も優秀である(SACD)。交響曲第9番を初めて聴く方にも、ある程度聴いている方にも、まちがいなくお勧めできる名盤である。  私が交響曲第9番の録音について本HMVのサイトでレビューさせていただくのは、ジュリーニ/シカゴ交響楽団、マゼール/フィルハーモニア管弦楽団に次いで、このラトル/ベルリン・フィルが3回目である。これらが私が選ぶベスト3だ。マーラーの交響曲第9番は傑作であるだけに、優れた演奏が非常に多い。私のライブラリーは、交響曲第9番だけですでに140種類を超えている。あれこれ引っ張り出しては、じっくり鑑賞するのが私の楽しみのひとつである。

宗仲 克己 さん | 東京都 | 不明

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この「演奏」は本当に凄い。集中力と技術の...

投稿日:2016/05/21 (土)

この「演奏」は本当に凄い。集中力と技術の勝利である。冒頭から消え入る最後まで一つとして「しまった」がない。考えてもみて欲しい。この曲が持つ意味、長さ、演奏の困難さ、それらを全て分かった上でラトルは、この楽団に厳しく要求し、楽団もそれに応えた。いくらリーダーが一人いきり立ってもメンバーが応じないと成果にはならない。メンバーが良くてもリーダーの方向性がダメなら成果は程遠い。自分の仕事に置き換えて考えたら、この演奏の凄さはわかるはずだ。クラシック音楽としてここまでの精度の演奏をしたのは全盛期のムラヴィンスキーとチェリビダッケだけと思っていたがラトルはここまで成し遂げた。あのブラームスの演奏を思い起こせば、とても同一人物とは思えない。賛辞に賛辞を重ねたい。しかし、しかしである。小生は5年前にダルビッシュのもの凄い投球を見た。9回になってなおかつ156kmのストレートと116kmのカーブを投げ分け、打者は手も足も出なかった。完璧だった。この演奏も最後の最後まで完璧である。その時のダルビッシュもこの演奏も本当に凄いのだが、感動したかというとちょっと違う。ここまで細部に拘ると、往年の巨匠のようなフレージングはできない。物理的に無理である。おそらくこれだけ凄いこの演奏に対して、満足できないという声がこのレヴューでも散見されるのはそのせいでああろう。この「演奏」は完璧の先がまだあるかもしれないと知らしめた意味でも、間違いなく演奏史上に残る。

てつ さん | 東京都 | 不明

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どうして今までラトルを始めとした現代の演...

投稿日:2013/02/13 (水)

どうして今までラトルを始めとした現代の演奏家達の演奏を避けてしまっていたのか?世の中(日本が特殊?)に蔓延る巨匠崇拝や現代の指揮者は小粒だとか否定的な論調を見聞きしすぎた為なのだろうが、本当に勿体無いことだったと思う。 確かにBPhの常任指揮者だったカラヤンやフルトヴェングラーの演奏は素晴らしい(アバドは…うーん。)し、とりわけカラヤンはかなり好きな演奏家ではあるけれども、カラヤンを始めとしたいわゆる巨匠指揮者達の演奏が今では決して望むことの出来ないものであろうことと同様にこのラトルとBPhの演奏は昔の演奏家では決して実現できなかった類の演奏だ。 大体、技術的に非常に困難なマーラーの九番を少しは編集はあるだろうが、ライブでこれほどまでに完璧に演奏することがカラヤンの時代にできたのだろうか?技術的完成度が非常に高いカラヤン盤ですら凌駕している。技術に関しては確実に進歩し続けているのが現状。音楽とは決して技術のみで測れはしないにせよ、音の裏側にある人を感動させる何か…はまず第一に確固たる演奏技術をもったうえで論議される話であるのだが、傷がない演奏をすぐに冷めているだの、空疎だのと反射的に思ってしまうことが自分にも、そして他のリスナーにもいると思う。しかし私達がCD等で聴くオーケストラは基本的にプロフェッショナル。技術的な完璧さと内容の充実を両立させる必要があり、少なくともここでのラトルとBPhはプロフェッショナルとしての仕事を完璧にこなしていると言える。 それに今の演奏は過去の巨匠達が模索してきたマーラーの演奏様式の数々の上に立って演奏することができることも大きく、リスナーに過去の名盤と自分達の作品が比べられるデメリットがあるにせよ、演奏する側にも参考になる部分が多い。 この演奏も過去の演奏のいいとこ取りをしたように感じる(この点は旧盤が顕著だが)。 ラトル独自の表現にも事欠かず、特に2楽章の”極めて粗野に”の指示をここまで忠実に守っていると感じたのはこの演奏が始めてである。技術的に完璧なのにダサく演奏できるなんて実は物凄いことなのでは? しかし、ラトルが個性的な昔の巨匠と決定的に違う所は、演奏に個性的な表現は多々あるのだが、それに一貫性が無く(元々一貫性のないマーラーはホントにラトルにピッタリ)、ラトルその人の個性と感じられない所で、それこそがラトルが器用貧乏とか小細工野郎とか呼ばれる原因だろうが、この演奏以外にいくつかの演奏を聴いて感じたのは、「ラトルはすべての曲一つ一つに明確な個性を持たせている」ことで、すべての曲を自分の色に染めていた過去の巨匠達と違ってラトルはすべての曲一つ一つが全く違う。これこそがラトルの個性であり、彼の作品全てがどんな演奏か予測がつかない為、これからの録音が楽しみである。 この演奏は彼の代表盤に相応しい、僕にとっても最高の演奏の一つになった。ラトルとBPhに感謝。

音楽ばか。 さん | 北海道 | 不明

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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