マスネ(1842-1912)
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マスネ(1842-1912) レビュー一覧

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商品ユーザーレビュー

74件
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  • ゲーテの名作小説を古臭いなどと言うと非難の集中砲火...

    投稿日:2011/06/26

    ゲーテの名作小説を古臭いなどと言うと非難の集中砲火を浴びそうだが、これが物語として成り立ったのは、視点の限られる書簡体小説という形式にうまくハマッたがゆえ。それをそのまま普通にオペラにしてしまうと、救いがたく古風で凡庸だ。つまり現代人の感覚からすると、煮え切らないヘタレ主人公に終始いらいらさせられる話なので、主役が感情移入できるような歌+演技をしてくれるかどうかがオペラとして成り立つかどうかの鍵になる。カウフマンの声自体は重く暗いが、テクニックの引き出しが豊富な人なので、様々な手練手管で塗り固められたような感はあるものの、容姿も含めて説得力あるウェルテルを描いている。アルバレスは論外だし、恋愛学講義を聞かされるごとく説明的なバリトン版のハンプソンも願い下げなので、映像ソフトでは唯一のまともに見られる主役と言える。ズボン役以外の役が初めて見られるコシュ(コッホ)も素晴らしく、プラッソンの指揮も文句なしだが、ただ一つ気に入らないのはジャコの映像演出。映画版『トスカ』でも録音セッションの映像を枠のように使っていたのと同じ趣向かと思うが、音楽が始まってから舞台裏の映像を挿入するのは止めてほしい。こういう映像によって、観客のオペラに対する親しみが増すと思っているようだが、全く逆効果だ。プロセニアムの中は虚構の世界という、ジャンルとしての最低限の約束事は守ってもらわないと。

    村井 翔 さん |50代

    8
  • 「瞑想曲」で知られる、このオペラがこんなに素晴らし...

    投稿日:2011/04/21

    「瞑想曲」で知られる、このオペラがこんなに素晴らしいとは! マスネの作品としては比較的上演が少ない作品であるが、ワグナー風の管弦楽、タイスとアタナエルの魅力的な歌、また瞑想曲が効果的に挿入され、特にフィナーレは素晴らしい。また内容も、世俗と教会、霊と肉の相克、皮肉な結末など、興味は尽きない。傑作だと思う。日本でもぜひ上演してもらいたいものである。 「タイスの瞑想曲」の好きな人には、歌劇「タイス」も推薦したい。

    オペラ探索家 さん

    5
  • タイスはもともとアメリカ人ソプラノ、シビル・サンダ...

    投稿日:2010/04/11

    タイスはもともとアメリカ人ソプラノ、シビル・サンダーソンのために創られた役なので、フレミングが演ずるにふさわしい。例によって深みのないお嬢様芸との批判もあろうが、もともとヒロインの「改宗」が音楽としてそんなに説得力豊かに描かれているわけではないし、美人であるのは確かなので、これもまた悪くない。もう少し性的欲望のうずきが見えるような演唱だと良かったが、ハンプソンのアタナエルもイタ・オペに比べれば違和感は少なく、ハマリ役の一つか。しかし「霊と肉の葛藤」はどこへやら、4回もお着替えするフレミングのファッション・ショーに堕してしまった凡庸な演出は非難を免れまい。バレエ音楽のカットも賛成できないし、百年前のサンダーソンは上半身裸も辞さなかったというのに、何ともお上品過ぎる。ヒロインの衣装を除けば、メトらしからぬ貧相な舞台はがっかりで、フリットリ/ノセダ(指揮)/ポーダ(演出)のトリノ組に大差をつけられてしまっている。

    村井 翔 さん |50代

    5
  • マスネ没後100年にふさわしい、この魅力的なオペラの...

    投稿日:2012/09/07

    マスネ没後100年にふさわしい、この魅力的なオペラの初映像ディスク。同時発売の『ドン・キショット』でも冴えた仕事をしているローラン・ペリーの演出が実にすばらしい。比較的簡素な装置(特典映像で演出家自身が語っている通り、故意に「二次元的」に、つまり絵本の中の場面のように作られている)を使い回しているが、随所にきらりと光るアイデアがある。たとえば、第1幕の終わりでサンドリヨンの身支度を手伝う妖精たちが全員、「灰かぶり」姿なこと。一方、第3幕では「王子」姿で、彼女ら(?)が二人の恋を応援していることが伝わってくる。最初から登場している椅子の背もたれに書かれたアルファベットの意味が終幕に至って分かるのも楽しいし、第2幕のバレエも単なるディヴェルティスマンではなく、物語の進行上、意味のある場面になっている。 フレデリカ・フォン・シュターデ主演の録音では、王子役はテノールに変えられていたが、この上演では元通りのズボン役。つまり、主役二人ともメゾ・ソプラノで、お互いの役柄を取り替えることも不可能ではない歌手が演じるというのが、このオペラの最大の魅力。見た目とフランス語に関しては、さらに望む余地があるとしても、ディドナート、クートともに声楽的には申し分なく、ちょっと倒錯的な二重唱が楽しめる。ハイ・ソプラノの妖精役を加えた第3幕終わりの三重唱は、まさしく『ばらの騎士』の先駆だ。

    村井 翔 さん |50代

    4
  • これは凄い。オペラを色々聴いてきたし、タイスの瞑想...

    投稿日:2010/02/18

    これは凄い。オペラを色々聴いてきたし、タイスの瞑想曲も知ってはいたがマスネの歌劇《タイス》として全曲を聞いてみるとフランスオペラの真髄が良く分かる。ソプラノ:ルネ・フレミングの歌声とソロ・ヴァイオリン:ルノー・カプコンの演奏は、将に天上の音楽である。瞑想曲も単にヴァイオリン・ソロだけではなくハープの演奏と合唱が入り、その綺麗さを際立たせている。第3幕では、ルネ・フレミング演じるタイスとアタナエル役のテノール:トマス・ハンプソンによる2重唱が珠玉。フィナーレでもこの瞑想曲が流れ、タイスは「ああ、天国。私は神を見た」と歌い、プッチーニ的に死ぬ。この場面でもタイスの瞑想曲は抜群の効果を発揮している。指揮はイヴェス・エベル、演奏は国立ボルドー・アキタニア管弦楽団と日本では殆ど知られていない指揮者とオーケストラだ。しかし、このオペラを極上のものにプロデュースする凄い、指揮者とオーケストラである。私は、歌劇No.1の称号を与えたい。兎に角、聞き逃せない一枚である。

    北都暢適 さん |60代

    4
  • このオペラがどうしてあまり上演されないのか不思議で...

    投稿日:2007/10/23

    このオペラがどうしてあまり上演されないのか不思議である。アリア一つとってもすばらしい。修道士が娼婦タイスをキリスト教へ改宗させるが、肝心の修道士がタイスの死の間際にタイスへの愛を告白する。二人のすれ違いが見事である。音楽もイタリアオペラ的響きでバレーダンスもイカす。多少情熱的毒気もあるがタイスの瞑想曲が清々しく浄化してくれる。

    オランダ船のリゴレット さん

    4
  • どのトラックの旋律も「初めまして!」だが、みんなと...

    投稿日:2007/09/02

    どのトラックの旋律も「初めまして!」だが、みんなとても良い。まだ、こんな魅力的な旋律があったのか!という感じだ。速い楽章も良いが遅い楽章ではその美しい旋律に聴き惚れてしまう。チャイコフスキーのバレエ音楽の組曲を聴くような楽しみがある。録音状態も良い。

    顕 さん

    4
  • グラインドボーンに移されたフィオナ・ショウ演出が圧...

    投稿日:2021/02/11

    グラインドボーンに移されたフィオナ・ショウ演出が圧巻の出来。コヴェントガーデンやメトでも見られるローラン・ペリー演出を遥かに凌ぐ。演出の工夫は早くも第1幕、ド・ラ・アルティエール伯爵家(つまりリュセットの家)の侍女たちに王子(もちろん、ここでは黙役)を紛れ込ませるところから始まっている。一方、本来は出番のない第2幕冒頭からバレエ音楽にかけて、ずっとリュセットは王子の分身としてバントマイムを演じる。すなわち、二人のドッペルゲンガーぶりを強調する演出の意図は、両者の一目惚れを鏡に映ったアイドル(理想像)との出会いとして見せること。鏡の迷宮での二人の出会い(ジャケ写真)、タイムリミット(午前零時)の到来の見せ方など、全くうまい。幾多のシンデレラものの中で、このマスネ作品の特色は、舞踏会の終わりはまだ第2幕に過ぎず、その先がかなり長いことだ(第3幕、第4幕がある)。以後の演出が描こうとするのは、鏡に映った鏡像に恋した二人が、お互いが自分の分身ではなく、自分とは違う「生身の男/女」であることを分かり合うこと。この演出で多用される象徴によれば、蛹が蝶になること。つまりは大人になること。 ドゥ・ニースのヒロインは従来のリュセットのイメージからすれば少々勝ち気に過ぎるかもしれない。でも、演出の時代設定も現代だし、これぐらい自己主張の明確なシンデレラがいてもいいではないか。黙役としての登場場面も長いケイト・リンジーのイケメンぶりは実に素敵(もちろん歌も)。喜劇的な人物は、国王に至るまで著しく戯画化されてるが、いじわる姉さんたちのデコボコ・コンビぶりなど何ともお見事。この曲の総譜は一見、そんなに巨匠芸を必要としないように見えるが、ヴァーグナー流の半音階主義から擬バロック趣味まで含むマスネのスコアは意外に手ごわい。新鋭ジョン・ウィルソンの指揮も的確だ。

    村井 翔 さん |60代

    3
  • 何より印象に残るのはモルクのチェロだ コンチェルト...

    投稿日:2016/01/07

    何より印象に残るのはモルクのチェロだ コンチェルトである「幻想曲」に加え オラトリオ「聖処女」から「最後の眠り」そして劇音楽「復讐の三女神」から「宗教的場面」と弾く オペラ作家マスネの個性は「タイス」の瞑想曲に代表されるように宗教性を内包した水平的旋律線だ これをモルクのチェロは自然な息づかいと敬虔な語り口でしかも軽やかに歌うのがいい またこのディスク 中央の「幻想曲」とともに聴きものは冒頭と掉尾に置かれた「ル・シッド」のバレエ組曲と組曲「絵のような風景」だろうが 途中に挿入された「ラオールの王」と「フェードル」の二つの序曲も聞き応えがある佳品であり N.ヤルヴィの指揮の下 スイス・ロマンドO.が一本芯が通った弾力ある響きを奏で 豊かなタイスの世界を伝えている 衷心より推薦する

    風信子 さん

    3
  • デイヴィスの指揮は情熱的すぎ、カレーラスにA.クラウ...

    投稿日:2010/01/27

    デイヴィスの指揮は情熱的すぎ、カレーラスにA.クラウスの高貴な憂いはもとめられません。しかし、久しさしぶりに聴き直してみて実に魅力にあふれる『ウェルテル』だと感じました。シュダーデとカレーラスの声は潤いと若さにあふれ、マスネの美しいメロディを堪能できます。1980年2月17〜27日、ロンドン、オールセインツ教会におけるフィリップスの録音は完璧です。もはやこのような録音は不可能でしょう。

    アーノンクール さん |50代

    3

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ありがとうございました

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