アメリカの作曲家、ピーター・ボイヤーのオーケストラ作品集です。 ボイヤーの作風は一言で言うなら明快な作風。 ジョン・ウィリアムズやアーロン・コープランドあたりの影響を強く受けたと思われる作風で金管の華やかさや、豪快にオーケストラを鳴らす管弦楽法等特にウィリアムズの映画音楽や機会音楽を思わせる作品です。 現代音楽と聴くと身構える人もいますが、確かに現代的感覚もありますが、美しいメロディもあり伝統的なアメリカ・クラシックの要素を強く弾いており、大変聴きやすい音楽です。 演奏はピーター・ボイヤー指揮、ロンドン交響楽団。 即ち自作自演です。 作曲家のタクトという事もあり演奏内容は充分すぎるほど充実しています。 またオケがロンドン交響楽団という事もありまるで映画のサントラの様な派手な演奏になっています。 ボイヤー作品集は既に2枚発売されていますが、これは入門用にも良いです。 録音は2022年で音質は良好。

アメリカの作曲家、ピーター・ボイヤーの管弦楽作品集。 演奏はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮はピーター・ボイヤー、即ち自作自演である。 ボイヤーは現代の作曲家ではあるが、現代の作曲家と聴いてイメージされる難解さは全くなく、明快な作風をしている。 このCDに1997年から2013年にかけて作曲された作品を収録したものだ。 オーケストレーションの輝かしさがこの作曲家の売りの一つで、ジョン・ウィリアムズを連想させる。 個人的には『祝典序曲』が華やかで気に入っている。 ボイヤーとロンドン・フィルの演奏は流石、名門だけに技術的にも、水準的にも合格点を優にこえて、作品の魅力をよく引き出した好演奏と言えるもの。 またボイヤーの指揮もなかなか上手い！ アメリカ音楽や吹奏楽が好きな人は気にいると思う。 録音は良好で迫力があり廉価盤では充分だ。

クラシック音楽をまさに半世紀愛聴してきたが、このような種類の感動を得たのは初めて。新しい音楽に触れることの大切さを痛感した。 『アメリカへの移民』というテーマの下、様々な国の人の実体験の朗読と創作音楽を組み合わせるという試みが見事に成功している。『アメリカ移住が実現したことの意義と喜び』というともすれば安っぽい賛歌に陥りそうなテーマを、作曲と演奏の質の高さによって高い芸術性を実現させた作品になっている。 移住の実体験の朗読について、一人一人俳優を変えて語らせたことも成功している。 エリス島は「19世紀後半から60年余りの間にヨーロッパからの移民は必ずこの島からアメリカへ入国した。移民たちによって『希望の島』（Island of Hope）または『嘆きの島』（Island of Tears）と呼ばれてきた。」（Wikipedia）とあり、CDのライナーノートには『聞き書き』によって俳優たちが語るテキストが出来上がったと記されている。 残念ながらそのテキストは文字化されていないため、この作品を理解するにはある程度の英語力を必要とする。また、ユダヤ人問題（特にナチスドイツの）などの基礎知識があるとこの作品を理解しやすいかもしれない。 ともあれ、未体験の大きな感動を得る事ができ、大満足である。