ペルト、アルヴォ(1935-)

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CD 輸入盤

交響曲第4番、カノン・ポカヤネン サロネン&ロサンジェルス・フィル、カリユステ&エストニア・フィル室内合唱団

ペルト、アルヴォ(1935-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4763957
組み枚数
:
2
レーベル
:
Ecm
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

アルヴォ・ペルト交響曲第4番『ロサンジェルス』初演ライヴ!
サロネン&ロサンジェルス・フィル


交響曲というジャンルから40年近く遠ざかっていたペルトが完成した第4番は『ロサンジェルス』という副題を持つ美しい傑作です。

【若き日のペルト】
ペルトは1935年、人口百数十万人というバルトの小さな国エストニアに誕生。生まれた場所は13世紀にリヴォニア騎士団によって建設されたパイデという町です。当時のエストニアは独立宣言から17年を経たばかりの共和国でしたが、ペルトが5歳のときにはソ連軍の侵攻を受けて占領され、ソ連邦の一部に編入されてしまいます。
 ペルトはソ連支配下の社会体制の中でタリン音楽学校に学びますが、兵役によって中断、陸軍バンドでオーボエ演奏やサイドドラムを担当したのちに復学、1957年にはタリン音楽院に進んで作曲を勉強して頭角を現し、1961年、オラトリオ『世界の歩み』により、モスクワで開催された全ソ連青少年作曲コンクールで優勝しています。
 ペルトはまた、在学中から作曲家として独立するまでの10年近く、エストニア放送の録音技師の仕事もおこなっていました。彼の初期の作風は、ソ連作曲家のショスタコーヴィチやプロコフィエフだけでなく、バルトークからシェーンベルクの十二音技法まで消化した近現代的で前衛的な要素も加味されたもので、放送局勤務という海外情報の入りやすい条件もあったのか、在学中にすでにセリーなど西側の技法に基づく作品まで発表して物議を醸してもいます。

【作風の転換】
しかし、1967年に初めて東方正教会の単旋聖歌を聴いて以来、ペルトはそうしたスタイルによる自身の活動に限界を感じるようになり、それらとは正反対の聖歌やグレゴリオ聖歌、中世、ルネサンス、バロックの宗教声楽曲などを研究すると同時に、宗教を探究し、ロシア正教会に深く関わるなどして、西洋音楽の原点回帰を目指し、独自の美を追求するようになります。
 作曲家として独立した1968年に発表された『クレド(信仰告白)』はペルトの新たな姿勢をコラージュ的に如実に示したものといえ、ネーメ・ヤルヴィによっておこなわれた初演は、表向き信仰を禁じていた当局の逆鱗に触れ、10年間の演奏禁止を宣告されてしまいます。

【西側への移住と大成功】
そうしたこともあって、ペルトはソ連当局と芸術上の問題で対立、1979年にはウィーンに亡命して市民権を獲得、1982年からはベルリンを拠点に活動を展開するようになります。
 ペルトの名前が一躍有名になったのは、その音楽がECMレーベルを主催するマンフレート・アイヒャーの目にとまったことがきっかけでした。元ベルリン・フィルのコントラバス奏者でその後ジャズのベーシストに転向し、ほどなくレーベルを興すことになったアイヒャーは美しい音楽に関して凄い嗅覚の持ち主。
 ペルトの作品を気に入った彼は、1983年、クレーメルやキース・ジャレット、デニス・ラッセル・デイヴィス、そしてベルリン・フィルの12人のチェリストたちを起用してレコーディングをおこない、翌年、アルバム「タブラ・ラサ」として発売、その独自の美しさを持った音楽はまたたく間に多くの人に知られることとなり、世界的なヒットを記録することとなります。
 その音楽を彩ったスタイルは、1970年代の後半に確立された「ティンティナブリ(鐘鳴らし)様式」という簡素な和声を用いた瞑想的で神秘的なもので、以来、ペルトの音楽の代名詞ともいうべき技法となっています。

【新作は久々の交響曲】
交響曲というジャンルから長く遠ざかり、前作第3番から38年ぶりとなる今回の第4番は、弦楽とハープ、ティンパニ、パーカッションという楽器編成による3つの楽章から成る35分ほどの作品。
 遅いテンポとシンプルな和声を基軸に、印象的な静寂や、弦楽の柔らかで透明な音、打楽器の深い音を交えながら、非常に美しく壮大な音楽が築き上げられています。

【ミハイル・ホドルコフスキーに捧ぐ】
この交響曲第4番『ロサンジェルス』は、プーチンの政敵で現在も獄につながれているミハイル・ホドルコフスキーに捧げられ、彼と同様、大きな力によって自由を奪われ、命の危険にもさらされている人々、つまりロシアなどで今なお人権迫害を受けている多くの被害者たちの心に届くよう企図され書き上げられています。
 ちなみにこうしたコンセプトは、2010年秋にリリースされるクレーメルのアルバム「深き淵より」でも掲げられていました。

【カノン・ポカヤネン(悔恨のカノン)】
ペルト75歳を記念してリリースされるこのアルバムには、交響曲第4番と関連もある無伴奏合唱大作『カノン・ポカヤネン』から約15分の聴きどころがフラグメンツ(断章)として収録されています。この作品は、東方教会に起源を持つ典礼文により、魂の救済を求める祈りを深く静かに歌い上げた傑作で、全曲では84分ほどの大作ですが、ここではそのエッセンスとも言うべき美しい部分を味わえます。なお、ここでのカノンとは音楽形式ではなく、典礼文の方のカノンです。
 使用音源は、合唱指揮界のカリスマで、ペルト演奏の第一人者でもある名匠カリユステが、エストニア・フィルハーモニック室内合唱団と1997年に録音したもの。発売時にはグラミー賞にもノミネートされるなど海外では話題になった名盤です。(HMV)

【収録情報】
アルヴォ・ペルト[1935- ]
・交響曲第4番『ロサンジェルス』[35:02]
 Con sublimita [12:04]
 Affannoso [14:13]
 Deciso [08:45]

 ロサンジェルス・フィルハーモニック
 エサ=ペッカ・サロネン(指揮)

 録音時期:2009年1月11〜13日
 録音場所:ロサンジェルス、ウォルト・ディズニー・ホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)

・『カノン・ポカヤネン』から [14:51]

 エストニア・フィルハーモニック室内合唱団
 トヌ・カリユステ(指揮)

 録音時期:1997年6月
 録音場所:タリン、ニグリステ教会
 録音方式:デジタル(セッション)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Con sublimita
  • 02. Affannoso
  • 03. Deciso
  • 04. Fragments from Kanon Pokajanen

ディスク   2

  • 01. Record Label: Ecm
  • 02. Country Of Release: EU
  • 03. Year Of Release: 2010
  • 04. Notes: Esa Pekka Salonen

ユーザーレビュー

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