ベートーヴェン(1770-1827)

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CD 輸入盤

交響曲第9番『合唱』 ラインスドルフ&ベルリン・ドイツ交響楽団(1978ライヴ)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
SSS0103
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


ベートーヴェン:交響曲第9番『合唱』
ラインスドルフ&ベルリン・ドイツ交響楽団


「私はラインスドルフに尋ねたことがある。ボストン響常任時代に残したスタジオ録音と同時期に放送された同じ曲目のライヴ演奏の違いがなぜここまであからさまなのかと。彼は雄弁に答えた。演奏家が後世に残る記録としてスタジオ録音する場合に求められることとは『演奏を一回だけ聴く場合には効果的だし輝かしくも聴こえる解釈上の盛上げや強調は、レコードとして繰り返し聴く場合には聴き手を疲れさせる場合もあるのですよ。だからスタジオ録音の時はそういうルバートの量とか、音量の変化、テンポの伸縮なんかを抑えているのです』と」ヘンリー・フォーゲル(元シカゴ響総裁)のライナーノートより。
 この回答が表すとおり、巨匠エーリヒ・ラインスドルフ(1912〜1993)は演奏会と録音を別に考えていたことが明らかです。それ故に多くのスタジオ録音が覇気に欠け、真っ当だけれども面白くないという結果になったのでしょう。多くのレパートリーがこうして録音されたために、ラインスドルフの評価は日本では高いとはいえません。おまけに若い頃は凄かったが、年を取ってから駄目になったなど謂れのない誹謗もあります。
 ここに聴くベルリン・ドイツ響(ベルリン放送響)との「第9」は、首席指揮者就任早々(就任記念?)の演奏で厳しい練習が想像できる見事なアンサンブル、タイミングが示すとおりの快速でトスカニーニの歴史的解釈を思わせる緊張感溢れる爽快な名演です。ドミンゴ参加というだけで知られるRCAへのスタジオ録音とは別人のような生命力です。変幻自在なテンポも面白く飽きません。こういう演奏を多く遺して欲しかったと心から思います。各楽章開始を告げる指揮棒で指揮台を叩く音はラインスドルフの怖い視線を感じさせます。第4楽章で独唱、合唱がうねりを上げる所はオペラに長じた名指揮者ならではだなあと感慨あらたです。聖ヘドヴィヒ教会合唱団は、ベルリン・フィルとの唯一の録音であるシューベルトのミサ曲でも採用されているのでお気に入りだったのでしょう。余談ですが厳しすぎたのか2年しかドイツ響首席を維持できませんでした。オケと何らかのトラブル(喧嘩?)があったと思われます(ドイツ響のプロフィールでもあまりラインスドルフ時代に触れておりません)。
 英語、日本語、ドイツ語によるライナーノート付。(東武トレーディング)

【収録情報】
● ベートーヴェン:交響曲第9番ニ短調op.125『合唱』[66:13]
 第1楽章 [15:37]
 第2楽章 [12:30]
 第3楽章 [14:29]
 第4楽章 [23:37]

 ルーシー・ピーコック(ソプラノ)
 ジークリンデ・ヴァーグナー(アルト)
 マンフレート・ユング(テノール)
 ハラルト・スタム(バス)
 ベルリン聖ヘドヴィヒ教会合唱団
 ベルリン・ドイツ交響楽団(旧西ベルリン放送響)
 エーリヒ・ラインスドルフ(指揮)

 録音時期:1978年9月18日
 録音場所:ベルリン、フィルハーモニー
 録音方式:ステレオ(ライヴ)

総合評価

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4.5

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ごく普通の第9であった。たくさんある第9の...

投稿日:2021/08/28 (土)

ごく普通の第9であった。たくさんある第9の中で長く愛聴するかと言えば、ちょっとそこまではどうかなと思う。一度聴けたのは幸いでした。色々な感じ方がある中、こうした感想を持ちました。

今も昔もただの人 さん | 北海道 | 不明

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文句なく名演と呼べよう。オケの響きに味が...

投稿日:2020/11/20 (金)

文句なく名演と呼べよう。オケの響きに味があり内容も充分濃く、強弱のメリハリもいうことなしである。テンポはやや速めだが速いとは感じない。クレツキーの第九にどこか似たところがあり、もう少し早くスッキリしながらセンスの良さをはっきり感じさせるのがシューリヒトの第九だと思う。シューリヒトに比べるとドイツ的な音の響きを感じさせるのは、ランスドルフの振るのが純然たるドイツのオーケストラだから当然だろう。新型コロナが出てきたのと同じ頃に初めてランスドルフを聴きだしたが、こんなに味ある指揮者とは予想以上である。文句なく彼より一世代後の評判指揮者にない奥の深さを感じさせる音楽家だと思う。

robin さん | 兵庫県 | 不明

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ラインスドルフはオーストリア出身の指揮者...

投稿日:2011/07/12 (火)

ラインスドルフはオーストリア出身の指揮者の割りには余り独墺系のイメージがついて回らず米国系のそれももう一つ派手さがない為か伴奏指揮者止まりにしか日本では扱ってこられなかった面があります。私などはケネディ追悼のモーツァルト「レクイエム」指揮者の印象も残ってはいるのですが・・・。さてその彼が1978年66歳の頃にベルリンにてベートーヴェン「合唱」をBRSO、CHKBを振っての踏み込みのキツイ演奏を繰り広げているのが本盤演奏で演奏タイムは@15’43A12’26B14’19C23’21とやや第3楽章が短い程度の感触しか持ち合わせませんでした。第1楽章、こもり気味のティンパニーに導かれ極めてシンフォニックな展開をして行きます。現在の古楽器又は奏法演奏からは隔世の感もします。演奏ラインスドルフの造形力の確かさがライブ故の興奮と共に際立って伝わっております。決して芝居気のある演奏ではありません。第2楽章は例のティンパニー協奏曲とも言われる楽章なのですが着実にティンパニーはクリアに録れています。又、管楽器の一吹きにも効果的な強調が聴かれます。第3楽章は前述の様にテンポとしては全体から見るとやや速いのですが一時平板に陥りそうな頃にピンポイントで隈取りを明確に取ってメリハリをつける等、流石職人肌な処も見せます。最終楽章、歓喜テーマの進めは滞りはしませんがややオーケストラの不ぞろいは仕方のない範囲でしょう。独唱陣はピーコック(S当時31歳)、ヴァグナー(MS57歳・・・意外と高齢?)、ユング(T38歳)、スタム(B40歳)と夫々健闘していますがややテノールの張り切り方が前面に出過ぎとは思いました。演奏の方は順調に推移し最後の締めくくりの畳み方には特徴があります。他のレビューの方も書かれています様にラインスドルフならではの素晴らしい演奏盤ですね。なお、ラインスドルフには音楽監督時代のBSOとの1969年録音盤や1983年のCLOを振った「合唱」録音盤もある様です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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