ベートーヴェン(1770-1827)

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CD 輸入盤

交響曲全集〜リスト編曲ピアノ版 コンスタンティン・シェルバコフ(5CD)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8505219
組み枚数
:
5
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

リスト編曲:ベートーヴェン交響曲全集
コンスタンティン・シェルバコフ(ピアノ)

メカニカルな面でのテクニックに関して現在、世界有数の存在とされているコンスタンティン・シェルバコフ(1963年シベリア、ノボシビルスク近郊生)は、ゴドフスキーやショスタコーヴィチを易々と弾きこなすなど、今乗りに乗っている技巧派ピアニストです。
 リスト編曲のベートヴェンの交響曲は、技巧派ピアニストが腕によりをかけて録音することが多い華やかなショーピースですが、シェルバコフは圧倒的なテクニックの冴えを示すと同時に、ラフマニノフも得意とする彼ならではの豊かな叙情性も披露し、これらの作品の理想的な演奏を実現しています。
 ことに、「英雄」は、オーケストラを指揮しても名演となったのではと想像させるくらいに巧みな演奏設計が光ります。第1楽章のスケール感とコーダの高揚、葬送行進曲の悲痛さ、スケルツォの爽快さ、フィナーレの各変奏を描き分ける巧みさと練りあげられたクライマックスは、交響曲としての鑑賞にも充分堪えるものでしょう。第1番も明朗で快活な作品の性格を見事に捕えた上で、小粋なピアニズムを満喫できる秀逸な出来栄え。
 第2番冒頭は非常に高い緊張感を持って和音が入った後、一度弛緩してからさらに緊張感を高め、派手に突き進む主部に突入するなど、ピアノならではの、説得力のある表現で楽しませてくれます。
 『田園』も面白い仕上がりです。期待通りオクターヴやトレモロが洪水のように押し寄せる第4楽章はもちろん、一聴したところのんびりとしていても、実は種々の音色による多声的な絡み合いの妙を、たった10本の指で偏執的なまでに再現して大忙しの第2楽章、あるいは豊穣な響きで心ゆくまで楽器を鳴らしきる第5楽章と、リストの見事な編曲術とそれを完璧に音化するシェルバコフの腕前に脱帽です。
 リストの創意工夫は第9で頂点に達します。この大曲の壮大な世界を一台のピアノで表現するために実に様々な工夫をこらし、常人ではとても演奏できない様な至難を極めるスコアを残しました。シェルバコフはこれをパーフェクトに弾きこなすだけではなく、作品にふさわしい、透徹した視野で全体を見通す強靭な演奏設計を施し、非常に求心力の強い演奏を実現しています。

ベートーヴェン(リスト編曲):
CD-1(8555354)
・交響曲第1番ハ長調
・交響曲第3番変ホ長調『英雄』
CD-2(8550457)
・交響曲第2番ニ長調
・交響曲第5番ハ短調『運命』
CD-3(8557170)
・交響曲第4番変ロ長調
・交響曲第6番ヘ長調『田園』
CD-4(8557856)
・交響曲第7番イ長調
・交響曲第8番ヘ長調
CD-5(8557366)
・交響曲第9番ニ短調『合唱』
 コンスタンティン・シェルバコフ(ピアノ)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 2 in D major
  • 02. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 2 in D major
  • 03. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 2 in D major
  • 04. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 2 in D major
  • 05. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 5 in C minor
  • 06. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 5 in C minor
  • 07. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 5 in C minor
  • 08. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 5 in C minor

ディスク   2

  • 01. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 1 in C major
  • 02. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 1 in C major
  • 03. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 1 in C major
  • 04. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 1 in C major
  • 05. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 3 in E flat major
  • 06. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 3 in E flat major
  • 07. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 3 in E flat major
  • 08. Symphonies (9) after Beethoven for Piano, S 464: no 3 in E flat major

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ラヴェルのような特異な例を除いてオーケス...

投稿日:2021/03/01 (月)

ラヴェルのような特異な例を除いてオーケストラとピアノで両立する楽曲はほとんどないと思う。このリスト版は1〜3番はなんとか聴けなくもないが、第九は終楽章の独唱と合唱が伴奏の間をぴょんぴょん跳び回る奇妙な旋律に置き換えられこれが第九とは悲しくなる。4番に5番の先取りも聴き取れず、6番の独創性も大曲に挟まれた8番の軽妙洒脱もピアノ音に塗りつぶされ作曲意図を削ぎ落としたあらすじのような曲に変えられていて全くおすすめできない。理由を整理すると3つ。 (1)楽器の音色の区別がなくなること。ピアノの単色では1番から9番へと拡大して行く管弦楽の規模と多様性の変遷が表現できない。 (2)ピアノ曲にはピアノ曲の良さがあること。耳がピアノの音しか受け付けないという人は別だが、32のピアノソナタや数曲の変奏曲があるのに交響曲をピアノで聴く意味があるのか疑問。 (3)ピアノでは打楽器の効果がほとんど表現できないこと。ベートーヴェンの交響曲の革新性をなす大事な要素が消える。 大きな演奏会が珍しかった時代ならピアノ版や室内楽版を聴くことに一定の意味はあっただろうし、腕に覚えのある方なら自分で演奏する楽しみもあるだろうが、現代の普通の聴き手にとって、コンサートが頻繁に行われCDやダウンロードで楽曲が手軽に入手できるのにわざわざピアノ版を聴く意味があるのか疑問だ。あらすじを読んでも小説を読んだことにならないのと同じではないか。 以下はお節介を承知で。ベートーヴェンの交響曲に興味をお持ちの方へ、過去の名指揮者から最近の人気指揮者まで全集が入手できますのでまずはそちらをお聴きになることを強くおすすめします。

らぷとる さん | 東京都 | 不明

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リスト編曲によるベートーヴェンの交響曲全...

投稿日:2016/09/25 (日)

リスト編曲によるベートーヴェンの交響曲全集といえばカツァリス盤が一番有名かと思います。カツァリス盤は、彼が独自に音を追加していて、シンフォニックさが増していてそれはそれで立派な演奏ですが、それの影響でもたついてしまい、丁寧さや明晰さに欠ける場面が多々散見されます。響きが混濁しているところもあり、個人的にはあまり好きな演奏ではありません。そのため、私としてはこのシチェルバコフ(シェルバコフの方が正確なのでしょうか…)の演奏を推したいです。一曲一曲で見れば、例えばグールドやウェイスによる第6番「田園」の圧倒的な演奏がありますが、全集で考えるならばシチェルバコフ盤が良いでしょう。なんと言っても、輝かしい打鍵と、弱音部分での音色の美しさが素晴らしい!特に第1〜3番や第5番、第8番は超名演かと思います。他のナンバーの楽曲も、実に素晴らしい。難曲なので、技術的に苦労しているところもありますが、これだけすっきりと曲の魅力を伝えている演奏はないかと思います。初めて購入から5年ほど経っていますが、今でも愛聴盤です。お勧めします!

Franz さん | 北海道 | 不明

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なんといっても、「リスト ピアノ曲全集」...

投稿日:2013/04/29 (月)

なんといっても、「リスト ピアノ曲全集」の一部を成すセットとして、リストの編曲を忠実に弾いているのが貴重だ。絢爛たるリストのピアノ作品であるという魅力と、しかし楽想はベートーヴェンの交響曲である、という雄渾さの両方を兼ね備えたすばらしい演奏である。録音もみごとに現代のコンサートグランドピアノの音を捉えている。

ニャンコ先生 さん | Tochigi | 不明

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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