CD 輸入盤

交響曲全集、序曲集 ジョージ・セル&クリーヴランド管弦楽団(7CD)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
19802819962
組み枚数
:
7
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明


完全生産限定。アナログ・ステレオ時代のベートーヴェン全集の定番、
待ちに待った海外盤ボックス化が実現!


このアルバムは、ショージ・セルとクリーヴランド管弦楽団によるベートーヴェンの交響曲と管弦楽曲のステレオ録音を網羅してボックス化したものです。海外でのボックス化は2004年のオリジナル・ジャケット・コレクション、2013年の「MASTERS」シリーズでの発売以来、11年ぶりです。
 このコンビによるベートーヴェンの交響曲全集は、彼らの膨大なコロンビア録音の代表盤であり、アナログ・ステレオ時代のベートーヴェン全集の定番として長く聴き継がれてきた「音楽の世界遺産」とでもいうべき貴重な録音。曖昧さを残さぬ緊密な演奏設計のもと、筋肉質の響きと強い推進力を持ち、オーケストラの各声部が無理なく驚くほどクリアに再現されるさまは、セルの耳の良さとクリーヴランド管の極めて高度な演奏能力の賜物であり、まさにカラヤン&ベルリン・フィルやオーマンディ&フィラデルフィアなどと並ぶ、20世紀のオーケストラ芸術の極点を示したものといえるでしょう。各所に聴かれる積極的なオーケストレーションの改訂も原典演奏が当然となった今の耳には実に新鮮に響きますし、リピートの採用・不採用にはセルならではの慧眼が光っています。
 9曲の交響曲は、1957年2月の第3番『英雄』に始まり、1964年10月の第1・第2番まで、ほぼ7年がかりでじっくりと録音され、エピック・レーベルから発売されました。エピック・レーベルは米コロンビアの子会社的存在だったため、レコーディング自体は米コロンビアのスタッフが手掛けており、1950年代はハワード・H・スコット(グレン・グールドの最初のプロデューサーとしても知られています)が、1960年代に入るとポール・マイヤースがメインにプロデュースを担当しています。それゆえ当時の最先端の録音技術や機材が惜しげもなく投入され、ステレオ時代に入ると本家米コロンビアが標榜した「360サウンド」を真似て「ステレオラマ(STEREORAMA、「ステレオ」と「パノラマ」を掛けた造語)」と名付けられた、左右に広く拡がり、密度濃く鮮度の高いステレオ録音が実現したのでした。同じアメリカのメジャー「RCA」が推し進めた「リビング・ステレオ(LIVING STEREO)」と並んで、当時の最高峰のステレオおよび3トラック技術によって収録されています。
 7曲の序曲は、1963年4月に録音され一足先に交響曲第4番とのカップリングで同年に発売された『レオノーレ』第3番を除き、交響曲全曲録音完成後の1966年と1967年に録音され、こちらは最初からコロンビア・レーベルで発売されました。
 レコーディングは、交響曲第3番と2曲の序曲を除きクリーヴランド管弦楽団の本拠地だったセヴェランス・ホールで行なわれています。ここは1929年に完成し、1931年にこけら落としが行なわれた1844席を擁する名ホールで、ギリシャ新古典様式の外観とアールデコを思わせる優美な内観で「アメリカで最も美しいコンサート・ホール」と称されています。響き過ぎず、しかもセルの持ち味である透明性とクリアなサウンドを余すところなく収録できるレコーディング会場としても優れた特質を備えています。珍しいのは『フィデリオ』『レオノーレ』第1番の2曲が1967年夏のヨーロッパ楽旅中、ロンドンのEMIスタジオ(アビー・ロード・スタジオ)で録音されていることでしょう。音質の比較も興味深いところです。
 当ボックスの生産に当たっては、名手アンドレアス・マイヤーがオリジナル・アナログ・マスターからリミックス・リマスターした2018年の『ジョージ・セル〜コンプリート・アルバム・コレクション』のDSDリマスターを採用、オリジナルLPの紙ジャケット仕様で復刻します。

【ライナーノーツより】
「このアルバムでは、ジョージ・セルの多面的な人物像が浮かび上がる。彼はハンガリーのユダヤ人家庭に生まれ、ブダペスト出身だったが、真のウィーンの音楽家であり、極めて才能に恵まれ、粗野なまでに傲慢だった。ベートーヴェンは彼のレパートリーの中心であり、他の多くの指揮者以上に重要な位置を占めていた。クリーヴランド管弦楽団はセルが磨き上げた輝かしい宝石のようなオーケストラだった。アルトゥール・ロジンスキーが指揮の低い地方オケを見事なアンサンブルに仕立て上げ、セルが磨きをかけたのだ。ニューヨーク・タイムズ紙のドナルド・ヘナハンは、クリーヴランド管弦楽団を「世界で最も鋭敏なオーケストラ」と称賛した。セルの死後10年が経ったある日、クリーヴランドの音楽監督クリストフ・フォン・ドホナーニはこう嘆いたという。「私たちが素晴らしいコンサートをしても、評判を得るのはジョージ・セルなんだよ」。
 セルの演奏が速すぎて硬く、温かさにも欠けるという批判も一部にはあったが、それに対してセルは「アスパラガスにチョコレート・ソースをかけることはできないよ」と明言していた。彼はブルーノ・ワルターやシャルル・ミュンシュトは対照的な厳格な指揮者だった。セルとクリーヴランド管の演奏は、トスカニーニに比肩する正確さと様式感を備えていたが、トスカニーニが得意とした弦楽器の歌うような響きとは無縁だった。クリーヴランド管の楽団員の中には、本番のコンサートは「練習しすぎ」「締まりすぎ」で、リハーサルの方が優れた演奏だったと感じる者もいた。しかし、どんな問題も録音セッションでは常に解決されていて、このベートーヴェンの録音をでも、間違った音、曖昧な出だし、調子の狂った瞬間、またはぎこちないフレーズは一切ない。
 セルは、録音面ではコロンビアがオーマンディ=フィラデルフィア管弦楽団やミトロプーロス=ニューヨーク・フィルを優遇し、自分とクリーヴランド管が軽視されていると感じていた。その理由の一つはセルが録音レパートリーを18〜19世紀のドイツ・オーストリア音楽に置き、フランス音楽や20世紀音楽を進んで録音しなかったことにも理由がある。また、クリーヴランド管は常に予算が厳しく、楽団員の給与水準も低かった。ロジンスキーの時代にはオーケストラは約80人で、弦楽セクションは半分の規模。セルはその数を100人にまで増やすことに成功した。とはいえ、セル時代は、経営面では問題が山積し、セル、楽団員、労働組合、経営陣、理事会の間での確執が絶えなかった。しかし、このベートーヴェンの完璧な演奏には、そうしたバックステージのトラブルは一切感じられないのだ。」
*当盤掲載のジェームズ・H・ノースのライナーノーツより抄訳。ブックレットには英文のみ掲載されています。(輸入元情報)

【仕様】(輸入元情報)
・各ディスク:アメリカ初出LPの紙ジャケットに封入(ジャケットは表裏とも初出LPのデザインを再現)
・ディスクのレーベル・デザイン:発売当時のデザインを採用
・ブックレット:20ページ、オールカラー、全ディスクのトラックリスティング(マトリックス番号、初出カタログ番号など詳細な録音データ含む)
・ライナーノーツ:ジェームズ・H・ノース(英文)
・各ディスクとブックレットを厚紙製クラムシェルボックスに封入


【セルのベートーヴェン】
時代背景もあって、セルはベートーヴェンでも大編成でしたが、人数の多さにも関わらず極度に引き締まった古典的な造形美をつらぬいたその演奏には以前から定評のあるところです。特に、奇数番号の作品、とりわけ第3番『英雄』は、合奏の精度それ自体が一種の凄みを漂わせた演奏として有名なもので、全編、まさに音が立っているという印象。冒頭のカッコイイ和音からハイテンションなスケルツォ、そして終楽章の一糸乱れぬコーダまで、そのいさぎよい音楽造りには終始しびれっぱなしです。
こうした肥大感を拒絶してひたすら結晶化に向かうかのような傾向は、偶数番号の作品からも独自の清廉な美を醸成することにつながっており、第4番の終楽章など、遅めの進行のなかで明確に表出される音楽の構造、小気味良いテンポ感覚が快感です。
こうした過度なロマン性の排除、膨張した響きに埋もれてしまった構造性と軽快なテンポ感の洗い出しは、後に時代考証派の演奏が目指すところとなるものなのですが、それらが既に、セルの手によってさらに高度な領域で達成されていたということには驚かされますし、さらにここでは、モダン楽器ならではの音の厚みや深み、力強さといった要素まで共存しているのです。このあたりにも“セルのベートーヴェン”が時代の潮流に左右されることなく、常に別格的な地位を確保している一因があるのかも知れません。(HMV)

【収録情報】
Disc1
ベートーヴェン:

● 交響曲第1番ハ長調 Op.21
 録音:1964年10月2日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 交響曲第2番ニ長調 Op.36
 録音:1964年10月23日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

Disc2
● 交響曲第3番変ホ長調 Op.55『英雄』
 録音:1957年2月22,23日 クリーヴランド、メソニック・テンプル・オーディトリアム

Disc3
● 交響曲第4番変ロ長調 Op.60
● 『レオノーレ』序曲第3番 Op.73b
 録音:1963年4月5,6日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 交響曲第5番ハ短調 Op.67『運命』
 録音:1963年10月11,25日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

Disc4
● 交響曲第6番ヘ長調 Op.68『田園』
 録音:1962年1月20,21日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

Disc5
● 交響曲第7番イ長調 Op.92
 録音:1959年10月30,31日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 交響曲第8番ヘ長調 Op.93
 録音:1961年4月15日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

Disc6
● 交響曲第9番ニ短調 Op.125『合唱』
 録音:1961年4月15,21,22日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

Disc7
● 『エグモント』 Op.84〜序曲
 録音:1966年10月8日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 序曲『コリオラン』 Op.62
 録音:1966年10月29日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 『シュテファン王』 Op.117〜序曲
 録音:1966年10月29日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 『レオノーレ』序曲第2番 Op.72b
 録音:1966年10月8日 クリーヴランド、セヴェランス・ホール

● 『レオノーレ』序曲第1番 Op.138
 録音:1967年8月25日 ロンドン、EMIスタジオ

● 『フィデリオ』序曲 Op.72b
 録音:1967年8月25日 ロンドン、EMIスタジオ

 クリーヴランド管弦楽団
 ジョージ・セル
(指揮)

【交響曲第9番のソリスト、コーラス】
 アデーレ・アディソン(ソプラノ)
 ジェーン・ホブソン(メゾ・ソプラノ)
 リチャード・ルイス(テノール)
 ドナルド・ベル(バリトン)
 クリーヴランド管弦楽団合唱団(合唱指揮:ロバート・ショウ)

 録音方式:ステレオ(アナログ/セッション)
 DSDリマスター(2018)


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すばらしい。所持する全集でも1,2を争う...

投稿日:2024/12/17 (火)

すばらしい。所持する全集でも1,2を争う。比較の対象ではないが、バーンスタインのマーラー全集にも匹敵する素晴らしさ。 ちなみに、ソニーさんにお願いがあります。 ばんーんスタイン自作自演集(クラムシェルボックス、オリジナルジャケット版)とグールド演奏、バッハ独奏曲集(クラムシェルボックス、オリジナルジャケット版、できれば、曲集ごとにまとめて。)の発売をぜひお願いいたします。

空中庭園 さん | 東京都 | 不明

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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