ベートーヴェン(1770-1827)

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SACD 輸入盤

ヴァイオリン・ソナタ第5番『春』、第9番『クロイツェル』 ムター(Vn)オーキス(P)

ベートーヴェン(1770-1827)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
4716412
組み枚数
:
1
レーベル
:
Dg
:
Europe
フォーマット
:
SACD
その他
:
ライブ盤, ハイブリッド,輸入盤

総合評価

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4.5

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本盤には、ムターとオーキスが1998年に...

投稿日:2011/09/10 (土)

本盤には、ムターとオーキスが1998年に行ったベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲録音(ライヴ録音)から有名な2曲を抜粋したものである。かつては巨匠カラヤンの指導の下、10代でデビューしたムターは、カラヤン&ベルリン・フィルという土俵の上で懸命な演奏を行っていたところであるが、1989年にカラヤンが鬼籍に入った後の1990年代に入ってからはその素質や個性を大きく開花させ、個性的な演奏の数々を披露するようになったところである。ムターのヴァイオリン演奏は、他の多くの女流ヴァイオリニストのように抒情的な繊細さや優美さで勝負するものではない。一部の女流ヴァイオリニストによる演奏において聴かれるような線の細さなどはいささかも感じさせることはなく、常に骨太で明朗な音楽の構築につとめているようにも感じられるところだ。もっとも、かような明朗さを旨とする演奏にはいささか陰影に乏しいと言えなくもないが、ムターの年齢を考えるとあまり贅沢は言えないのではないかとも考えられる。本演奏においても、そうした骨太で明朗な音楽づくりは健在であり、加えて、心を込め抜いた熱きロマンティシズムや変幻自在のテンポの変化、思い切った強弱の付加など、自由奔放とも言うべき個性的な演奏を繰り広げていると言える。それでいて、お涙頂戴の感傷的な哀嘆調に陥ることは薬にしたくもなく、常に格調の高さをいささかも失うことがないのがムターのヴァイオリン演奏の最良の美質であり、これはムターの類稀なる豊かな音楽性の賜物であると考えられるところだ。加えて、卓越した技量においても申し分がないところであるが、ムターの場合は巧さを感じさせることがなく、いわゆる技巧臭よりも音楽そのものの美しさのみが際立っているのが素晴らしいと言える。また、ライヴ録音ということもあって、各楽章の頂点に向けて畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出てくるような熱い生命力においてもいささかの不足はないところだ。このようなムターによる卓越したヴァイオリン演奏の引き立て役として、オーキスによるピアノ演奏も理想的であると言えるところであり、いずれにしても本演奏は、ムターによる円熟の個性的なヴァイオリン演奏を味わうことが可能な素晴らしい名演と高く評価したい。音質は1998年のライヴ録音ではあるが十分に満足できるものであると言える。本SHM−CD盤もなかなかの良好な音質ではあるが、数年前に発売されたマルチチャンネル付きのSACDハイブリッド盤は更に素晴らしい高音質であり、その臨場感溢れる高音質は、ムターのヴァイオリン演奏の素晴らしさを心行くまで味わうのに十分であると言える。従来盤や本SHM−CD盤と比較するとやや高額ではあるが、これから購入されるという方には、当該SACD盤の方の購入を是非ともおすすめしておきたいと考える。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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本盤には、ムターとオーキスが1998年に...

投稿日:2011/09/10 (土)

本盤には、ムターとオーキスが1998年に行ったベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲録音(ライヴ録音)から有名な2曲を抜粋したものである。かつては巨匠カラヤンの指導の下、10代でデビューしたムターは、カラヤン&ベルリン・フィルという土俵の上で懸命な演奏を行っていたところであるが、1989年にカラヤンが鬼籍に入った後の1990年代に入ってからはその素質や個性を大きく開花させ、個性的な演奏の数々を披露するようになったところである。ムターのヴァイオリン演奏は、他の多くの女流ヴァイオリニストのように抒情的な繊細さや優美さで勝負するものではない。一部の女流ヴァイオリニストによる演奏において聴かれるような線の細さなどはいささかも感じさせることはなく、常に骨太で明朗な音楽の構築につとめているようにも感じられるところだ。もっとも、かような明朗さを旨とする演奏にはいささか陰影に乏しいと言えなくもないが、ムターの年齢を考えるとあまり贅沢は言えないのではないかとも考えられる。本演奏においても、そうした骨太で明朗な音楽づくりは健在であり、加えて、心を込め抜いた熱きロマンティシズムや変幻自在のテンポの変化、思い切った強弱の付加など、自由奔放とも言うべき個性的な演奏を繰り広げていると言える。それでいて、お涙頂戴の感傷的な哀嘆調に陥ることは薬にしたくもなく、常に格調の高さをいささかも失うことがないのがムターのヴァイオリン演奏の最良の美質であり、これはムターの類稀なる豊かな音楽性の賜物であると考えられるところだ。加えて、卓越した技量においても申し分がないところであるが、ムターの場合は巧さを感じさせることがなく、いわゆる技巧臭よりも音楽そのものの美しさのみが際立っているのが素晴らしいと言える。また、ライヴ録音ということもあって、各楽章の頂点に向けて畳み掛けていくような気迫や切れば血が噴き出てくるような熱い生命力においてもいささかの不足はないところだ。このようなムターによる卓越したヴァイオリン演奏の引き立て役として、オーキスによるピアノ演奏も理想的であると言えるところであり、いずれにしても本演奏は、ムターによる円熟の個性的なヴァイオリン演奏を味わうことが可能な素晴らしい名演と高く評価したい。音質は1998年のライヴ録音ではあるが十分に満足できるものであると言える。SHM−CD盤もなかなかの良好な音質ではあるが、数年前に発売された本マルチチャンネル付きのSACDハイブリッド盤は更に素晴らしい高音質であり、その臨場感溢れる高音質は、ムターのヴァイオリン演奏の素晴らしさを心行くまで味わうのに十分であると言える。従来盤やSHM−CD盤と比較するとやや高額ではあるが、これから購入されるという方には、本SACD盤の方の購入を是非ともおすすめしておきたいと考える。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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白金台の方が書き込まれたコメントにほぼつ...

投稿日:2009/11/06 (金)

白金台の方が書き込まれたコメントにほぼつきるのではないでしょうか。表現者としてムターは自分の個性を・・・というか敢えて従来のベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ演奏にはない「羽目外し」を行なって自己存在を確認しているかの如くであります。こう書くとまるで滅茶苦茶な解釈演奏かと思われますが例えば第5番「春」(1998年録音)についてサンプリングしましょう。タイム的には@10’33A5’53B1’22C7’12と私のデータにはなっており特に過不足感はありません。第1楽章ゆっくりと開始され第一主題もゆったりとしたもの・・・・時には瑞々しさもほとばしります。中ほどの楽章ではふと立ち止まってみたり激しい処の演奏も中々のものです。しかし次第に終楽章に向かってでは更に情緒纏綿に・・・何もここまでしなくてもと感ずる位揺らせも多々あります・・・まるでシューベルトの世界でありベートーヴェンのあのギリシャ的なフォルムというかテイストは吹っ飛んでしまいます・・・という風に凡な私には感じられました。第9番「クロイツェル」ソナタも傾向としては同様な印象で何種類演奏でこれらの有名曲に馴染んでおられる方には結構面白いのではないかと・・・又、ムターファンには伴奏ピアノのオーキスの如くただただ従わざるを得なくなる様な演奏盤でありますね。当面OKランクにさせて下さい。

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ベートーヴェン(1770-1827)

1770年12月17日(16日?):父ヨハン、母マリアの次男としてドイツのボンに誕生。 1778年:7歳でケルンでの演奏会に出演。 1781(1782?)年:クリスティアン・ゴットロープ・ネーフェに師事。 1800年:交響曲第1番を宮廷劇場で指揮。 1804年:交響曲第3番『英雄』を発表。 1805年:交響曲第5番『運命』、交響曲

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