CD

Sym.7: G.wand / Bpo

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
BVCC34030
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明

ブルックナー:交響曲第7番 ヴァント指揮ベルリン・フィル 今回の演奏は、1999年11月、ベルリンでライヴ録音された音源から、ヴァント自身によって編集されたものです。ヴァントにはすでに2種のブルックナー7番の録音があるので、以下、参考値として演奏時間を記しておきます。 ■1980年 ケルン放送響(表記値)19:56+22:39+09:46+12:03=64:24 ■1992年 北ドイツ放送響(表記値)19:28+21:49+10:00+12:14=63:31 ■1999年 ベルリン・フィル(実測値)20:51+21:33+10:23+13:07=65:54 なお、1980年盤は、一日でスタジオ録音されたもので、他の2つはそれぞれ3日間の公演から編集されたライヴ盤となっています。ヴァントの新しい7番は、第2楽章アダージョだけがなぜか、3種の中で最も演奏時間が短く、ほかの3つの楽章は3種の中で最も演奏時間が長いという面白い傾向を示しています。  楽章冒頭、克明なトレモロからいかにもヴァントらしいきっぱりした解釈方針が示されます。伸びやかな第1主題でも必要以上の感情移入はおこなわれず、主題の交響的素材としての重要さを、型崩れなく聴き手にしっかりと印象付けるあたりはさすが。  この第7交響曲が、冒頭主題の徹底した運用によって成り立っていることを併せ考えれば、ヴァントのアプローチは言葉の真の意味で“シンフォニック”なものと言え、よくある『この主題はキレイだから、たっぷり歌わせるべき』式の素朴なスタイルとはまるで正反対の立脚点が印象的です。同じく第1主題の確保部分では低弦強調などデュナーミクにも細心の注意がはらわれており、立体的な音響バランスへの聴き手の留意が促されることで、続く“複合的な”第2主題部の受け入れ態勢も十分に整うというものです。  その第2主題部では、オーケストラの高度な技量が、指揮者の巧みな統率によって、抑制の粋ともいうべき絶妙な表現に結びつくわけですが、こうした部分でのソロイスティックな魅力はこのオケならではのものでしょう。  同じく複合的な第3主題部では、リズミカルな要素を前面に押し出すことで、上滑りしがちなこの部分にはっきりとした性格を与えることに成功しています。  展開部はノスタルジックな前半での深みある和声感覚と、ダイナミックな後半の対照が、第3主題部分を境界点にバランスよく示されて立派。続く再現部では冒頭のオブリガードが美しく演奏され、作品の幸せなムードが強調されるかのようですが、同ブロックの終結部分、輝かしいコーダの直前にあたる“非常に厳かに”と記されたほの暗い部分では、ベルリン・フィルの底力をみせつけるかのような強大なトゥッティが、音楽の幸せムードに深い陰影を与えることに成功しています。  コーダももちろん大迫力ですが、ハース版ということもあって、落ち着いたテンポ設定が守られているのが嬉しいところです。  第1楽章だけの記述となってしまいましたが、稀代のリゴリスト、ヴァントのことですから他の楽章でのアプローチもまったく同様であり、全曲一貫して禁欲的なまでに構造的な指揮者の解釈と、それを多少なりとも緩和し、感覚的な喜びを付加するベルリン・フィルのゴージャスなサウンドが結びついて、素晴らしい演奏となっているのは言うまでも無いところ。ヴァント・ファン、ブルックナー・ファンに限らずお薦めできる傑作交響曲アルバムの登場です。

内容詳細

今世紀最後の巨匠ギュンター・ヴァントとベルリン・フィルという最上の組み合せで、99年11月に行なわれたコンサートのライヴ録音。ヴァントのカリスマぶりがいかんなく発揮された究極の演奏。(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

総合評価

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この先も末永く名演として人々に語りつがれ...

投稿日:2014/02/09 (日)

この先も末永く名演として人々に語りつがれていくに違いない空前絶後の名演。 すっきりとしていながらコクがあり、音楽がどんなに盛り上がっても常にうるさくならない。ヴァントを尊敬して一心に食らいつくBPOが最大限の注意を持ってヴァントの指示を音にしてゆく。 ヴァントはインタビューで「謙虚さ、畏敬の念、天の助け」という言葉を使い、最後には天の助けなしには駄目です。これは笑うようなことではありません。と結んでいる。その言葉の意味がこの演奏を聞くとよくわかる。脱線するが、朝比奈の聖フローリアンの演奏も天の助けがあったと私は思っている。文は人なりにならえば音は人なり。この人にしてこの名演が生まれたのだ。

タスマニアマニア さん | 宮城県 | 不明

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ヴァントが最晩年にベルリン・フィルを指揮...

投稿日:2011/06/09 (木)

ヴァントが最晩年にベルリン・フィルを指揮して行ったブルックナーの交響曲の数々の演奏はいずれ劣らぬ歴史的な超名演であるが、その中でも最高峰の超名演は、紛れもなく本盤におさめられた第7であると考える。ヴァントは、同時期にミュンヘン・フィルとともにブルックナーの数々の交響曲を演奏しており、それらの演奏もベルリン・フィル盤と同様にいずれも至高の超名演であるが、第7についてはミュンヘン・フィル盤がないだけに、なおさら本演奏の価値が際立っていると言える。ブルックナーの第7には、マタチッチ&チェコ・フィル(1967年)、朝比奈&大阪フィル(1975年、聖フローリアンライブ)、マゼール&ベルリン・フィル(1988年)、カラヤン&ウィーン・フィル(1989年)、スクロヴァチェフスキ&読売日響(2010年)など、多種多様な名演が目白押しであるが、本ヴァント&ベルリン・フィル盤は、それら古今東西のあまたの名演に冠絶する史上最高の超名演と高く評価したい。ヴァントのアプローチは、例によって厳格なスコアリーディングに基づく計算し尽くされたものであり、凝縮化された堅固な造型が持ち味だ。ただ、1980年代のヴァントは、こうしたアプローチがあまりにも整理し尽くされ過ぎていることもあって神経質な面があり、いささかスケールの小ささを感じさせるという欠点があった。しかしながら、1990年代に入ってからは、そのような欠点が散見されることは殆どなくなったところであり、本盤の演奏でもスケールは雄渾の極みであり、神々しささえ感じさせるほどだ。音楽はやや早めのテンポで淡々と流れていくが、素っ気なさなど薬にしたくも無く、どこをとってもニュアンス豊かな情感溢れる音楽に満たされているのが素晴らしい。ヴァントは、決してインテンポには固執せず、例えば第1楽章終結部や第3楽章のトリオ、そして終楽章などにおいて微妙にテンポを変化させているが、いささかもロマンティシズムに陥らず、高踏的な優美さを保っている点は見事というほかはない。金管楽器などは常に最強奏させているが、いささかも無機的な音を出しておらず、常に奥行きのある深みのある音色を出しているのは、ヴァントの類稀なる統率力もさることながら、ベルリン・フィルの圧倒的な技量の賜物と言えるだろう。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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見事なブルックナーだ。ここまで素晴らしい...

投稿日:2010/12/15 (水)

見事なブルックナーだ。ここまで素晴らしいブル7というのも滅多に聴けるものではない。「8番」同様、ヴァントはイン・テンポをしっかり守りつつも絶妙なアゴーギクを多用し、しっかりと地に足が着きつつも、躍動感溢れる、実に情緒豊かなみずみずしい、美しいブルックナーを創り上げている。それでいてベルリン・フィルの音も極上と言う他はない。ここまで天上のような美しいブルックナーを演奏できる指揮者というのもそうそういるものではない。ヴァントというのは恐るべき指揮者である。個人的にはノヴァーク版なら尚良かったのだが、これは個人の好みである。

金閣寺TEMPLE さん | 京都府 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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