CD 輸入盤

交響曲第4番『ロマンティック』 フォンク&セント・ルイス交響楽団

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
PTC5186321
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Holland
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

オランダのレーベル、ペンタトーン(PENTATONE)から、ハンス・フォンクのアルバムが一挙に4タイトル登場します。
 ハンス・フォンクといえば、ドレスデン国立歌劇場首席指揮者時代に録音したモーツァルトの序曲集が、低価格ということもあってかなりの人気でしたが、今回は、晩年に首席指揮者をつとめたセントルイス響との演奏で、ブルックナー、ベートーヴェン、ブラームス、メシアン、ドビュッシー、ラヴェル、ルーセルの作品を聴くことができます。
 ハンス・フォンクは難病と闘った悲劇の指揮者でもありました。ミラノ・スカラ座デビューという華々しい仕事の後に、多発性の根神経炎の一種である「ギラン・バレー症候群」を発症、1年間の治療と休養でなんとか健康を回復し、その後の10年間は現場に復帰して指揮活動を展開していたのですが、2002年になると今度は「筋萎縮性側索硬化症」という難病に罹り、2年間の治療の甲斐なく、病気に命を奪われてしまうことになるのです。
 ハンス・フォンクは、1942年6月18日、コンセルトヘボウ管弦楽団のヴァイオリニストを父にアムステルダムに生まれますが、3歳のときに父は亡くなってしまいます。少年時代、ヴァイオリンを学んだフォンクは、その後、昼はアムステルダム大学で法律を学び、夜はジャズ・ピアニストとして演奏して生活費を稼いでいたのですが、法律よりも音楽の方に強く惹かれるようになり、アムステルダム音楽院に入学することとなります。
 同音楽院ではピアノと指揮を学び、1964年には同音楽院を特別賞を授与され卒業しています。ヘルマン・シェルヘンとフランコ・フェラーラに師事したフォンクは、1966年にはネーデルランド・バレエで指揮者としてデビューし、同ポジションに1970年まで在任。
 1969年から1975年にはコンセルトヘボウでハイティンクのアシスタントをする一方、1973年から1979年にかけてはオランダ放送フィルの首席指揮者を務め、ロイヤル・フィルへの客演も頻繁におこない、1976年から1985年まではネーデルランド・オペラの指揮者でもありました。
 1980年にハーグ・レジデンティ管弦楽団の首席指揮者に就任したフォンクは、同ポストに1991年まで在り、その間、1985年から1990年にはドレスデン国立歌劇場とシュターツカペレ・ドレスデンの首席指揮者を兼務、1990年から1996年にはケルン放送交響楽団の首席指揮者を務めました。
 1996年、レナード・スラットキンの後任としてセントルイス交響楽団の首席に着任したフォンクは先代が磨き上げた美しいソノリティを損なうことなくヨーロッパ的な暖かいサウンドによる音楽づくりをおこなうことに成功したということで、今回、リリースされる4つのタイトルからもそうした美質が窺えるのではないかと思われます。
 近現代音楽からモーツァルトまで幅広いレパートリーを持っていたフォンクですが、海外ではマーラーとブルックナーに卓越した手腕を発揮していたと評されているだけに、今回のブルックナーのリリースは大いに期待が持てるところです。
 なお、フォンクが辞任を決意したのは、2002年2月のコンサートで、バーバーの『メデアの瞑想と復讐の踊り』を指揮している最中に体が思うように動かなくなったからだということでしたが、その後、2002年5月の同オケとのラスト・コンサートでのマーラー第4番は感動的な仕上がりになっていたということでしたので、ぜひそちらもCD化していただきたいところです。

・ブルックナー:交響曲第4番変ホ長調『ロマンティック』
 セント・ルイス交響楽団
 ハンス・フォンク(指揮)
 2001年4月19日〜21日、パウエル・シンフォニー・ホールでのライヴ録音

収録曲   

Bruckner: Symphony No.4 "Romantic"

  • 01. 1 Bewegt, nicht zu schnell (Moving, not too fast) 18:32
  • 02. 2 Andante quasi allegretto 14:27
  • 03. 3 Scherzo: Bewegt (Moving) 11:11
  • 04. 4 Finale: Bewegt, doch nicht zu schnell (Moving, but not too fast) 20:20

ユーザーレビュー

総合評価

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このCDを聴いて、フォンクが職人タイプの指...

投稿日:2009/09/18 (金)

このCDを聴いて、フォンクが職人タイプの指揮者であることが分かった。まじめに堅実に音作りをしていくタイプ。いかにもドイツ的な質実剛健な演奏だが、その反面色気に欠ける。ときに弦の弱音が聞き取りにくいのは難点でり、金管奏者がイマイチ上手くない箇所もあった。表現レベルでもいささか不満に思う。しかし第4楽章は個人的に気に入っており、全曲通しで聴くのは退屈しないので、良いと思う。

春奈 さん | 東京都 | 不明

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某販売用HPで推薦されていたので、どうせ...

投稿日:2009/01/18 (日)

某販売用HPで推薦されていたので、どうせまた表層が美麗なだけの演奏だろう。と予想し、その通りだった。しかし、その表層の仕上がりが抜群に良い。ただしブルックナーの構造が分かる人には薦めない(ブルの構造を理解する人はほとんどいないはず、いるならシノーポリの演奏は大絶賛されているはずだから)。華々しくオケを鳴らさず、少し押えて、細部を丁寧に聞かせてくれる。構造に目をつぶれば、終楽章までの設計は見事。チェリの4楽章に疑問を持つ人は聞かれてみることを薦める。フォンクの8番は無いものか?

薬用コラーゲン さん | 東海地方 | 不明

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 これは素晴らしい。このコンビによるスタジオ...

投稿日:2007/12/30 (日)

 これは素晴らしい。このコンビによるスタジオ録音のベートーヴェンを聴き,何の主張もない無難な演奏にがっかりしたが,このライヴ録音は全く別人の演奏。オケの柔らかく暖かい音色と,フォンク晩年の,自然体でありながら腰が据わり,堂々たる力感にも不足しない指揮があいまって,他のどの演奏とも違う,実に魅力的な「ロマンティック」が誕生した。個人的には,ラトル/BPOの同曲の演奏より高く評価したい。この演奏(今回リリースされた同コンピの録音は,どれも見事)を聴くと,フォンクの早世が惜しまれる。

Abbadian さん | 東京都 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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